異色のマンガ家は猫が大好き コスプレ姿に猫ビックリ

  『のぞみ33歳。だだ漏れ日記』というマンガがある。「すべて実話の“恥ずかしい過去”を描いた闇漫画」という触れ込みで、女性たちに支持されている。その作者、大盛のぞみさんは、実は大の猫好き。謎に満ちたマンガ家の猫ライフをのぞいてみた。

(末尾に写真特集があります)

   大盛のぞみさんは現在、千葉県にある一戸建てで暮らしている。夫と、小さな子ども2人の4人家族。居間で遊ぶ子どもを見守る様子は、いかにも“やさしいお母さん”といった印象だ。想像していた姿とは、だいぶ違う。

「マンガの雰囲気やインスタのコスプレ写真から、体の大きな激しい人と思われるみたい。実際に会うと驚かれます。ふだんは、地味な猫好き主婦なんです(笑)」

おこわを抱く大盛のぞみさん
おこわを抱く大盛のぞみさん

引っ越しを機に猫を迎える

 のぞみさんは7年前に結婚。しばらく岡山県で夫の両親と同居していて、昨年7月に千葉県に引っ越してきた。その後、ボランティア宅から白黒猫の「岩海苔」(オス、12歳)を迎え、さらに保護団体からエキゾチックショートヘアの「おこわ」(メス、推定5歳)を譲り受けた。

「私は独身時代に猫を飼っていたのですが、舅姑が猫嫌いだったので、引っ越したら飼いたいと思っていました。その頃ちょうど、マンガの編集者から『保健所に連れて行かれそうになっていた高齢猫の家族がいる』と聞いて、1匹でも救えればと思ったのです。私が迎えたら、フォロワーさんの誰かが後に続いてくれるかもしれないという願いもありました」

   のぞみさんは主婦業のかたわら、2年前から、マンガを描いてインスタグラムに載せ始めた。ストレス発散に描き始めたというが、ちょっと下品でぶっちゃけた内容が受けて、フォロワーはあっという間に数万人を突破。その状況に夫も驚いたが、「好きなことをどんどんすればいいよ」と背中を押してくれた。

   だが、猫を飼うことについては、なかなかOKが出なかった。

「僕は犬しか飼ったことがなかったし、新しい土地にまだ慣れてないのに、ペットはどうかなと反対したんです。なのに、ある晩、妻が猫を連れて帰ってきてしまって。寝ていたら部屋に猫が飛び込んできてビックリ。でも、来てしまったら受け入れるしかないですよね」

   夫も動物が嫌いなわけではなく、ふんぎりがつかないのだと、のぞみさんは見抜いていたのだ。

猫を撫でると笑顔になってしまう大盛さんのハズバンド
猫を撫でると笑顔になってしまう大盛さんのハズバンド

猫が脱走、家族パニック

 だが、1匹目の岩海苔は、新居になかなかなじめず、2階にあがったまま降りてこなかった。のぞみさんは食事を2階に運び、時間があれば横に座って過ごした。

   ところが、2週間ほど経ったある日の夜中、岩海苔の姿が見えないことに気づいた。慌てて探し回ると、閉めたはずの1階の居間の窓が開いていた。

「子どもが窓を開けたままにしたようでした」

   半狂乱になって暗闇の中を探し回った。夜明け前になり、夫が数軒先の家の軒下で、目が光っているのを見つけた。でも、狭い隙間に大人は入れない。そこで小学1年生の息子を起こして「おまえが逃がしたんだから、捕まえなさい」と中に入らせた。岩海苔はすんなり捕まったという。

 その翌日も岩海苔の姿が見えなくなり、汗だくで探すと、今度は押し入れの中に隠れていた。

「しばらく猫を飼っていなかったので、じっと隠れたりする感じを忘れていました。私が小さい頃は猫を自由に表に出していたので、戸締まりの重要さも意識しなかったのですが、この一件で、家族中で気をつけるようになりましたね。でも、岩海苔がなんか楽しそうでなくて……。仲間がいたら違うかなと思い、猫をまた迎えることにしたんです」

子供たちからごはんをもらう岩海苔
子供たちからごはんをもらう岩海苔

夫がぶさかわ猫に陥落

 家族みなで保護団体にいくと、子猫のほかに、丸顔で鼻の低いおとなの猫がいた。ブリーダー宅から保護された元繁殖猫のエキゾチックショートヘアだった。そのぶさかわ猫が夫に近づくと、いきなりごろんと横になってお腹を見せた。その瞬間、夫は恋に落ちた。

「他の人にはしないしぐさだと聞いて、胸打たれました(笑)。最初は子猫をもらうつもりだったけど、保護団体の人が好きな猫をどうぞといってくれたので、それなら絶対にこの子がいいと。友好的なので、岩海苔とも合うだろうと思いました」

 さらにその後、もう1匹、ちまきという子猫も迎え、一家は賑やかになった。夫は仕事から帰ると、まず猫を探すようになった。

   猫は子どもとも仲良しだ。一般的に猫は子どもを敬遠するものだが、臆病だった岩海苔もおこわもまったく動じないと、のぞみさんがいう。

「うちの子たちは、猫に無関心なんですよ。とくに上の男の子はゲームに夢中で、猫にかまわない。ところが猫には、その“かまわなさ”が逆に心地よかったみたい。緊張しまくっていた岩海苔も、気づいたら居間に降りて、子どものそばに自然といるようになったんです。引っかくこともなく、自分の弟や妹のように接しています」

ファラオに扮した大盛さんと、猫神バステトに扮した岩海苔
ファラオに扮した大盛さんと、猫神バステトに扮した岩海苔

馴染んだ猫も驚くコスプレ姿

 すっかり家に慣れた猫たちだが、たまに“えっ?”という表情をすることがある。のぞみさんが趣味のコスプレをした時だ。

2年前のハロウィンに、フリーザ(ドラゴンボールのキャラクター)に扮したら、すごく楽しくて目覚めました。去年のハロウィンでは黄金キラキラのファラオに(笑)、今年はフリーザと魔神ブウの融合に扮しました。顔にドーランを塗って、コスプレ姿のまま猫を呼んだら、“声はおかあさんだけど、姿が違う”と戸惑っていました。猫が驚かない程度に今後もやろうと思います」

 このクリスマスには、さらに子猫2匹を迎えて、ますます家が賑やかになったそうだ。近々、猫との暮らしをマンガに描く予定だ。

藤村かおり
ペットライター。小説等の創作活動を経て90年代後半から、ペットの取材を手掛ける。2011年~2017年週刊朝日記者、2017年からsippoメインライター。丹念な取材と独自の目線から、動物と人の絆、動物と共に生きる人の心をすくい取る記事に定評がある。ペット関連の著書に『長寿猫』『明日にアクセス』など。現在は保護した黒猫、キジ猫と暮らす。

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