【雑種犬図鑑.1】オレ様な性格だけど寂しがりや ギャップ萌え~な白犬「ロッシ」
個性豊かな雑種犬の魅力を犬種図鑑のパロディで紹介する連載企画。第1回は、本連載筆者の愛犬を紹介させていただきます! 白く美しい毛と、すらっと引き締まったボディに、あどけない顔立ちが魅力の「ロッシ」です。
【基礎データ】紀州犬にちょっぴり似ている中型の雑種犬「ロッシ」
- DATA
- 《名前》ロッシ ROSSI
《年齢・性別》3歳・オス
《役割》アウトドア犬
《サイズ》体高47cm・体⻑54cm・体重16kg
《特性》
昔懐かしさ・・・★★★
スタイルのよさ・★★★
飼いやすさ・・・★★☆
オレ様度・・・・★★★
寂しがりや度・・★★☆
【チャームポイント】一見普通の白い犬、だけどディテールに魅力あり
日本の田舎で外飼いされていたようなビジュアルのロッシ。公園を散歩していると、おじいさんに「俺らが子どものころ近所にいたような犬だな〜」と言われたこともあります。
柴犬よりもひと回り大きく、スラッとして足が長め。見た目は紀州犬や縄文柴犬、韓国の珍島犬(ちんとうけん)に似ており、原始的な犬っぽい印象です。
梅干しのような鼻
全体的に色素は薄めで、特に鼻はサーモンピンクのようなニュアンスカラー。いちばん色が近いと思うものは、梅干し。
いちじくのような耳
皮膚はきれいなピンク色。特に、白い毛が縁取る大きめの三角形の耳は、半分にカットしたいちじくの断面のよう。
歌舞伎役者のようなアイライン
目尻にはアイラインを引いたような黒い線が入っており、歌舞伎役者のよう。目の上にはベージュのまつ毛がびっしり生えていて、二重まぶたのようにも見えます。
実はベージュっぽい部分あり
毛が白いことから、シロを逆から読んで「ロッシ」と名付けたのですが、全身真っ白というわけではありません。耳の後ろ、背中、前脚などに薄い茶色の毛が混ざり、特に夏毛のときは色が濃いめになります。
親しみやすい見た目なので「かわいい!」と言われることも多いですが、その性格はというと……。
【性格】オレ様気質なのに実は甘えん坊のツンデレ君
知らない人に近づかれたり触られたりするのは苦手です。ビビりで繊細だけれど、典型的な日本犬らしいオレ様気質でもあり、家の中ではいちばんエラそうな内弁慶。それでいて、こちらがくつろいでいるとピトッとくっついてくるツンデレ君です。
誇り高き甘えん坊
自分から近づいて、自分のペースで接したいようで、家族以外の人や犬が近づいてくるとガウガウ怒ります。家族に対しても全面的に信頼してベッタリというわけではなく、手入れや何かをしようとする雰囲気を察すると、さっと逃げてうなります。ベッドで寝ているときに近づくと、「来るな!」と怒られることも……。
そんな誇り高いロッシですが、実は甘えん坊な一面も。こちらが寝転んだり座ったりしていると、近づいてきてドスンと体を上に乗せて座ったり、そのままゴロンとして体をすり寄せてきたりもします。ロッシのことを怖いと思っていた私のパートナーの母は、ロッシがはじめて寄り添ってきたとき、そのギャップにキュンとしていました。
かぶりものをさせられるとフリーズ
なぜか顔まわりに何かかぶせられると、「無」の表情になってフリーズします。飼い主のリクエストに応えてはくれるものの、写真はいつも無表情……。
気分はシッポにわかりやすく表れる
柴犬に多い強い巻き尾ではなく、ゆるいカーブの差し尾で、これが気分によって激しく上下。自信満々のときはクルッと巻き上がり、ビビっているときは低く垂れるので、感情がわかりやすいです。
そんなオレ様のロッシですが、うちに迎えるまでの犬生はなかなか過酷なものだったようです。
【生い立ち】きょうだいの中で最後に救い出されたラッキーボーイ
子犬のころ、徳島県の動物愛護センターに7匹きょうだいで収容されていたところを、個人の保護ボランティアの方に引き出されました。詳しい経緯は不明で、ボランティアの方いわく「野犬ではなく野良犬の子だろう」とのこと。きょうだい7匹のうち4匹は引き出したけれど、3匹は連絡もなく殺処分されてしまったそう。ロッシは皮膚に疥癬(かいせん)ができていたことから隔離されており、いちばん最後に引き出された子です。
私たちの家にはすでに先住犬がおり、保護犬の中から2頭目の犬を探していました。求めていた条件としては、個人的な好みで、白っぽい中・大型犬。それと、先住犬が成犬になってから一緒に暮らし始めたので、今回は子犬から育ててみたいと思っていました。
飼い主募集サイトで見かけた白い子犬に問い合わせしたところ、その子は譲渡先が決まってしまったけれど、きょうだいがいるから画像を見てほしいとのこと。そうして写真と動画が送られてきた子犬が、当時「シロたん」と呼ばれていたロッシでした。
「シロたん」の写真と動画を見て、白い毛とピンクの鼻の子犬らしい可憐さに、私たちは即決。数週間後、愛知県のボランティアの方に受け渡しをしてもらい、車で連れて帰りました。
そしてロッシは、我が家の台風の目となったのです。
【暮らし】「手がかかる子ほどかわいい」を実感中!
ロッシを迎える前、うちにはシェルティとパピヨンのミックス犬の「ベル」(当時10歳/オス)がいました。ベルは大人しくあまり人に関わってこない性格もあって、まるで猫と一緒に暮らしているような感覚でした。「犬との暮らしってこんなもんだっけ」と思っていたところに、生後5カ月のロッシが登場。若くてエネルギッシュで自己主張の激しいロッシは、世話や散歩、トレーニングなど、何をするにもベルの何倍も手がかかりました。
特に迎えたのがコロナ禍の初期だったのもあって、家族4人で過ごすことが多く、「家族4人一緒じゃないと嫌。他の人が入ってくるのも嫌」と“群れ”でいることを強く求めるロッシ。リビングに留守番カメラをつけているのですが、あるときひとりで留守番をさせてみると、オオカミのように遠吠えで家族を呼んでいる姿が映っていたこともありました。
体が大きく力も強く声も大きいうえに、家族以外にはなかなか慣れないので、誰にでも預けられるわけではありません。留守番や預けることができるようになるまでは、時間のやりくりにとくに苦労しました。
ただ、そんなところもかわいいのですよね。ロッシには犬との暮らしの醍醐味を存分に堪能させてもらっていると感じます。
犬と出かけるとアウトドアが何倍も楽しい
もともとアウトドア、特に登山好きな私たちですが、ベルは高齢で心臓病を抱えているのもあり、あまり無理には連れていかないようになっていました。それが、若くて私たちの何倍も体力のあるロッシが来て、とにかく体力を消耗させようと、一緒にアウトドアに出かける機会がぐっと増えました。
犬連れ登山のときに探すのは、犬がのびのび遊べるルート。車でアクセスできて、危険な箇所が少なく、途中で何かあっても下山しやすく、しかも人の少ないルートとなると、必然的にマイナーな場所ばかりになります。高尾山でも南高尾や北高尾、奥多摩や飯能、丹沢の低山、紅葉の栗駒山、雪の霧ヶ峰や、犬連れフレンドリーの入笠山、犬連れで行ける野沢温泉スキー場など。キャンプ場にもいろいろ行きました。
活動的なロッシが家族に加わったことで、犬たちと一緒にアウトドアに出かけることが増えたり、犬たちが喜ぶ自然の多い場所に引っ越したいと考えたり、私たちのライフスタイルも変化。もう犬のいない暮らしは考えられなくなりました。
私たちの人生を彩り豊かにしてくれたロッシには、感謝しかありません。
(次回は1月27日公開予定です)
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