キャンプ場は野良猫の遭遇率高し 保護したサビ猫、寂しさから解放されのどをゴロゴロ
サーフィンやスケボーが得意な愛犬「コーダ」と保護猫「フィーユ」「ガロ」と暮らすドッグトレーナー浅野さんの犬猫日記。今回は、キャンプ場で保護した野良猫のお話です。
キャンプの帰りに子猫のガロを保護
うちの愛猫「ガロ」は去年の秋のキャンプ帰りに保護した子猫でした。当時、推定2カ月ぐらいの大きさで、キャンプ場近くのゴミステーションに1匹で鳴いていたところを見つけました。
クレートで捕獲を試みるも近寄ると逃げてしまうので、車で1時間の距離にある農業系ホームセンターで捕獲器を買ってきて、2時間位待ち伏せして捕獲しました。
子猫だしかわいいので、譲渡先を募集したらすぐに家族が決まるだろうと思って連れて帰りました。
しかし、翌日動物病院で検査をすると、猫の不治の病である白血病ウイルスに感染していることがわかりました。
うちには先住猫のフィーユがいるし、感染を防ぐため譲渡先を探そうかとも思いましたが、平均寿命3歳といわれているこの病気と向き合える方を探すよりも、もし3歳で天からのお迎えが来たとしても幸せだったと思える猫生を送ってもらいたいと思い、譲渡先を募集せずにうちの子にしました。
キャンプ場は野良猫遭遇率高し
「キャンプ」と「野良猫」、気づけば日常生活よりも遭遇することが多いと感じるように。
夜、テントで寝ている間に、キッチンテーブルの上に袋に入れて置いておいた食べ物を、猫やカラスに食い荒らされたこともありました。バーベキューをしたお皿にあった食べ物も、くわえて持っていかれたこともあります。
今はそういう経験を経て、食べられそうな物はクーラーボックスにしまったり、車やテントの中に入れたりして、食べられない環境を整えています。
ですが、キャンプという非日常の中で野良猫などを見ると、積極的に食べ物を与えてしまう人も多いようです。
食べ物をもらえたり、生ごみをあさったりと、キャンプ場は野良猫たちの餌場になっているのかもしれません。
またキャンプで野良猫に遭遇!
今年の夏に行ったキャンプでも、野良猫に遭遇しました。
たき火で肉を焼きながら食事をしている最中に、私の目の前に子猫が現れました。そこは犬連れ専用のキャンプ場なので、まわりは柵で囲まれドッグランのような形になっているのため動物が出たり入ったりするには難しい形状なのですが……。
小さな黒い子猫でした。愛犬コーダはフィーユと暮らしているので猫を見ても無反応ですが、お隣のサイトには大型犬のベルジアン・シェパード・ドッグがいました。犬に襲われてしまうということも充分考えられるのに、それでも目の前に現れてくれた黒い子猫。
助けないわけにはいきません。
私の場合、外で見かけた子猫は、生後3カ月未満なら必ず保護することに決めています。子猫を捕まえて、親猫がいれば捕獲してTNRします。
キャンプには捕獲器を持っていかないので、ひとまずフィーユが使っているクレートを使うことにしました。
クレートの外から中へ、そして奥までに入るようにちゅーるを垂らして、子猫がちゅーるをなめているうちにふたを閉めて、捕まえることができました。
何度捕獲しても、心臓はバクバクします。もし失敗したら、猫を怖がらせてしまって捕まえられなくなる可能性があるからです。
心を開いてくれた子猫
子猫を捕獲したクレートを明るいところに持って行きよく見たら、サビ猫の女の子でした。中で排泄(はいせつ)をしてしまったようで、掃除をするためにバスルームへ連れて行って、クレートから出してみました。
最初は怖がってシャーシャー言いながら手を引っかいてこようとしましたが、気にせずに抱っこをすると、これまでの寂しさや不安から一気に解放されたかのように、のどをゴロゴロと鳴らしてくれました。抱っこしながら、もうこの子は逃げないなと感じました。
その日、子猫はクレートの中で1日過ごし、ご飯をしっかり食べて、ペットシーツに排泄したら取り換えさせてくれて、車で連れて帰る時もおとなしくしていてくれました。
翌日、動物病院に連れて行き、ウイルス検査は陰性と判明。ワクチンを打って、寄生虫はいるけれど薬で治せる程度、体に付いていたノミも薬で死んでいきました。つまり、誰が家族にしても大丈夫な状態になりました。
すぐに決まった譲渡先候補
この一部始終をインスタグラムに載せていたら、私のスクールの生徒さんが引き取りたいと申し出てくださり、10日後にトライアル開始となりました。
保護した子猫は、とても幸運なことに、あっという間に飼い主が決まりましたが、うちの子たちの反応はウエルカムムード満載でした。特にフィーユは、可愛い遊び相手が見つかってとてもうれしそうでした。追いかけっこをしたり、私が留守にしてケージに入れている間ずっとそばにいたりと、子猫をとても気遣っていたようです。
10日間、うちの子と同じように大切に可愛がっていたので、私はとてつもなく情がわいてしまいました。お別れの時がつらすぎて、車で悲しい曲をかけてひとり号泣していました。
(次回につづく)
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