甘えん坊の愛猫が5歳になった 変わったことと、変わらないこと

キジトラ猫
5歳になったはっぴー「僕、もうそんな年?」

 愛猫「はっぴー」が、5月で5歳になりました。人間の年齢でいえば36歳くらいでしょうか。いつしか「いいおとな」になりましたが、前とあまり変わらないこと、変わってきたことなどを考えてみました。5年前、一緒に保護されたきょうだい猫たちの様子も聞いてみました。

(末尾に写真特集があります)

「お誕生日おめでとう!5歳だね」

「ちゅーるタワー」を盛りつけたお皿をはっぴーに差し出すと、うれしそうにパクパク食べました。ダイエットのためおやつは控えめにしていたのですが、この日は特別ですからね。

おやつを食べる猫
ちゅーるタワーに夢中

 誕生日が来るたびに「また1年経ったのか」と思うのですが、5年の節目を迎え、いつも以上に、時の流れを感じます。

体は大きく、さらに甘えん坊に

 2年前、はっぴーが3歳になった時、「6㎏超えの立派な青年になりました」とコラムに書いたのですが、5歳の今は1㎏増えて、7.3㎏の立派な壮年です。

 赤ちゃんの時にきょうだい3匹と共に保護された時は、「極端に小さくて、育つか心配した」と保護主さんから聞いていましたが、想像以上にでっかくなりました。きょうだいもみんな大きいので、追いついたともいえるのですけど(笑)。

 貫禄たっぷりの見かけになったはっぴーですが、内面やしぐさはどうでしょう。

猫
おとなになっても“指ちゅう”

 まず、変わらないことは「指を吸う癖」です。家に来た初日、私が初めて抱っこした時に「ママ~」とでもいうように顔を見ながら指をちゅうちゅう吸ったのです。以来、抱っこすると条件反射のように、前脚がついつい口元に……。

 こんな大きなずうたいで?と笑ってしまうのですが、いまだに続いています。それでいて、同居の老猫イヌオ(18歳8カ月)に対しては、「だいじょうぶか?」とかばうようなしぐさをするので、ママには子猫のまま甘える、イヌオには男として格好をつけるという風に、バランスを取っているのかもしれません。

 5歳になってできるようになった習慣は、「歯ブラシ」です。甘えてきた時に、なでながら口の周りを触り、口を引っ張ったりするうちに、はっぴーが口の中を見られることに抵抗がなくなってきたので、去年から歯ブラシを口に入れるようになりました。

 最初は歯ブラシにちゅーるをつけたりしましたが、今はお水や、粉末サプリを歯ブラシにつけて、歯と歯茎の境目をシュッシュッと磨くことができます。でもなぜか、体のブラッシングはあまり好きでなく、苦労しています。

はっぴーの姉弟たちは

 はっぴーのきょうだい猫、白黒のハヤテ君に近況を聞くと、「元気に育って、今もやっぱり甘えん坊」だとパパが教えてくれました。

「ひざの上で毎日寝ていますし、足元にきてコテンと横になり、『なでてくれ』としょっちゅうせがんできます。トントンと軽くたたいてあげると、とても気持ちよさそうに伸びをして喜びます」

白黒猫
パパのブラッシングが好きなハヤテ君(ハヤテのパパ提供)

 指ちゅうちゅうは「しない」けど、毛布フミフミはするそうです。

「あぐらの上でブラッシングをさせてもらえるようにもなりました。自分から乗ってきてブラシをするとのどを鳴らしますよ。でも歯ブラシは嫌がり方がものすごくて中断しています。全身で力いっぱい逃げるので手に負えない(笑)。病院でみてもらったら歯石はそんなについていないので、歯磨きおやつでとりあえず何とかしようと思っています」

 ハヤテ君は、体のブラッシングは好きだけど、歯ブラシは苦手。はっぴーと逆。似ているのは、貫禄の出たおなかですね。体重は、はっぴーの上をいく7.45kgだそう。

三毛猫
コロナ禍で甘えん坊になったエレナちゃん(エレナ&ソフィのママ提供)

 はっぴーの他のきょうだい猫、三毛のエレナと薄サビのソフィも「変わらず元気に過ごしている」と、2匹のママが教えてくれました。

「コロナ禍になってから、すっかり甘えん坊になったエレナは、コロコロ(粘着シート)でなでられることが大好きになり、毎日、家族みんなに要求しています。ソフィは息子にベッタリで、学校から帰宅すると、いつも後をついて歩いています」

猫
お兄ちゃんにべったりなソフィちゃん(エレナ&ソフィのママ提供)

 猫を迎えた時に小学2年生だった息子さんは、もう中学生。お兄ちゃんが大きくなるのを、猫たちはずっと見てきたのですね。エレナは7㎏で、ソフィは4.2㎏と少し体の大きさが違います。でも2匹の仲も、ずっと変わらず良いそうです。

「たまにけんかもするけれど、今も毎日くっついて寝ていますよ」

中年になっても健康に過ごせますように

 はっぴーのきょうだいも、家族のことが大好きで、甘えん坊。4匹は、魚屋の屋根が崩落して日本動物愛護協会に保護されたのですが、5年後も、それぞれの家で楽しそうです。

 そういえば、はっぴーは近頃、人見知りになりました。前は誰が来ても平然として近づいたり床に寝転がっていたのに。今は「僕のうちに何しにきたんだよ」とけげんな顔。おとなになったということでしょうか。さらにもうひとつ、変わったことが。

 電話をしていると、焼きもちをやくのです。スマホを立てかけてラインビデオで相手の顔が見えるようにして話すと、スマホをくわえてぶん投げたことも!困るなと思いながらも、「可愛いから何をやってもいい」という気になります。でも、甘やかしてこれ以上太らせることだけは避けなきゃと、ぷよぷよのおなかを触りながら自分に言い聞かせるのでした……。

 これからどんどんおとな(中年)世代になるけれど、また1年、元気にすごそうね。はっぴーと、きょうだいたち!

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藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は19歳の黒猫イヌオと、5歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

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この連載について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
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