夜中に鳴く高齢猫のケアで寝不足に… そんな時「猫語翻訳アプリ」で心が軽くなった!
愛猫イヌオが夜中に鳴くようになり、また実家の高齢母の老いも進み、両方のケアで私はダウン気味。耳鳴り、めまい、腹痛などの症状が出て通院中です。どちらのケアも今しかできないこと、でも眠いし、落ち込んでしまう。そんな時に高齢猫の飼い主さんが、流行のアプリを教えてくれました。さらに、はっとする親の介護の経験談も……。
母と猫ダブルのケアでダウン
「ごはん食べたっけ? 何を食べたかしら?」
「あれ、今日は何曜日だっけ?」
実家の87歳になる母の認知症が進み、何でもすぐに忘れます。デイサービスのほか兄弟で見守り、私もできる限り実家を訪れています。
何度も同じ言葉を繰り返す母と数時間過ごし、少し疲れて家に帰ると、今度は、ギャーッとイヌオが鳴き叫びます。
ギャー、ギャー、ギャー。
イヌオも、ごはんを食べてもすぐ忘れるようです。少し食べて、水を飲みにいき、寝て、また鳴く。わけがわからなくなっているみたい。
同居の若いはっぴーは気にせず、ぐーすか寝ていますが、はっぴーも朝方「顔をなめ回し」にくるので、睡眠が続けてとれません。いつの間にか体が悲鳴を上げ、耳鳴りが続き、下痢も止まらず。自分もケアが必要な状態になってしまいました……。
私が倒れたら母も猫も面倒が見られないので、病院に行き、薬をもらいました。
つらいなーと落ち込んでいた時、SNSで交流している22歳の雌猫こっちゃんのママ、Mさんが連絡をくれました。
「寝不足はおつらいですね。うちの猫も時に夜鳴きしますが、今は暗くしたリビングで一匹で寝るので、夫のいびきの方が近くてうるさいくらい(笑)」
22歳のこっちゃんの場合
こっちゃんが鳴き始めたのは、20歳を過ぎたあたり。甲状腺機能亢進(こうしん)症のひとつの症状だったようです。
「甲状腺のお薬を飲んで、以前よりだいぶ改善されました。でも時々鳴くので、早朝でも気付けばだいたいごはんをあげます。こっちゃんはしばらく鳴いて猫ベッドに戻り、1時間後くらいに『ニャー(餌はまだか)』というように再びやってきます。私はそれに従いごはんをさしあげます(笑)。シニアで痩せていく一方なので、食べるチャンスは欠かせません。私も身体がつらくて起きられない時がありますよ……」
こっちゃんは、以前は寝る時間になるとお気に入りのおもちゃをくわえて寝室までやって来て、Mさんと一緒に寝たり、そばで寝たそう。息子さんが生まれてからは、こっちゃんが少し遠慮するようにリビングで寝ることを選んだといいます。
イヌオも部屋を分けて寝る、という選択肢があればいいのですが、私は一人暮らしのワンルーム。イヌオが10歳を超え自分も50歳を過ぎた時に、荷物を減らしコンパクトな部屋に引っ越してしまったのです。
今から思えば、鳴き声を“遠く”聞いたり、時々一人で寝るために、部屋数があったほうがよかったのかもしれません。以前のマンションはもう一部屋あり、そこで先住猫とイヌオと暮らしていました。先住猫は疑似発情で鳴きましたが、ここまでは(私も)追い詰められなかったように思います。加齢で自分の体力がなくなり“きつく”感じるのかもしれませんが……。
そんな私に、Mさんがあるアプリを教えてくれました。
「『にゃんトーク』という猫語翻訳のアプリ、おすすめですよ。少しでも猫たちが鳴いている言葉の意味がわかると気持ちが上がります」
猫語翻訳を教わり気が楽に
にゃんトークは最近、大人気ですが、私はMさんに聞いて、初めてその存在を知りました。
このアプリは、猫の鳴き声をいくつか(防御、戦闘、怒り、幸せ、狩り、交尾、ママ・パパを呼ぶ、体調不良、休息など)に分類し、「猫が今どんな感情でいるか」を文字で伝えてくれるというもの。
アプリをいれたスマホで鳴き声を聞きとると、すぐに日本語で翻訳されます。
「よく当たってると思いますよ(笑)」と 、Mさん。
「『なでて』でなでるとすぐに眠るし、『かまって』でブラッシングすると満足そう。クシが毛に引っかかったときは、『やめて!』となりました。『鳴けばごはん』と思っていましたが、そうではなかったのかと気付き、もっと寄り添ってあげようと思いました。驚いたのは、私が水を気管に詰まらせてむせ返りゲホゲホとせきをした時、『調子はいかが?』と優しく鳴いてくれたことです」
私も、鳴けばごはん、と思いこんでいたので、イヌオが鳴いた時に、試してみることにしました。
事前にイヌオの名や年齢を登録し、寝室やリビングなど場所も設定します。
真夜中の鳴き声は自分が寝ぼけてうまくとれなかったのですが、ある夜、ぼんやりテレビを見ている時に、イヌオが鳴いたので、さっとスマホを差し出すと……。
「愛する人、私を探しに来て!」
ドキッとして、思わず、「ここにいるよ」と、声をかけてしまいました。
翌日は、「愛して!」「愛して!」。
「愛」という文字が目立つ気が……。
愛がたりないのかと焦っていたら、その後、ひと際大声でギャーと鳴きました!
その翻訳は……「大好きだよ」(写真履歴、一番上の11月3日)。
その言葉を見て、ガッツポーズ。鳴いてもいい、なんでもしてあげる……なんて思いました。そして気持ちが本当にアップしたのです。
ゲーム感覚で気休めのひとつかもしれない、でもにゃんトークが、つらい日々に彩りを添えてくれたのは確かです。
ネットにもいろいろな感想があり、「愛が重め!」とか、「病気の発見に役立った」という声も。
私はまだ使い慣れないのですが、翻訳が違う時は修正できるし、スマホとタブレットの2台使いをしたり、有料版アプリならもう少し細かな設定もできるようなので、研究したいと思います。猫との愛を、深めるために……。
親の介護を通して猫との付き合いも変化
ところで、こっちゃんのママMさんは、2月に89歳のお父様をお見送りし、その闘病と介護を通し、シニア猫への向き合い方も変化したといいます。その言葉に学ぶことも多かったのでご紹介したいと思います。
「父は長く持病と闘う間に腎不全や心臓発作で入院したこともあります。その時にお医者様に、積極的治療の予後は必ずしもご本人が望む状態ではないかもしれない。80歳まで生きたのなら余生を楽しく充実したものにする方が良いこともあり、『あれもダメこれもダメなんて生活は、ご家族が思う以上にダメージがありますよ』と言われました。そこから介護や命への考え方が変わったかもしれません。ベストは誰のために尽くすものなのか、ということです」
長い時間そばにいた家族だからこそ、寄り添って考えなければいけないな、とMさんは続けます。
「介護や看病と思うとつらいことも、"育ててもらった恩返し期間"と思うと『ま!仕方ないかぁ〜』と流せるようにもなりました。猫も人と同じで、年をとると赤ちゃん返りしたような甘えた行動も増えます。20歳を過ぎてからは、神様が与えてくださったご褒美ステージ。今までたくさん私たちを癒やしてくれたので、なるべく甘えに応えて恩返ししたいと思います。彼女が快適に穏やかに過ごせることが1番。長生きはしてほしいですが、QOL(生活の質)が最優先です」
ぐっとくる言葉です。イヌオちゃんとお互いに心地よい寄り添い方が見つかると良いですね、という温かな言葉までいただきました。
イヌオはこっちゃんより少し年下だけれど、持病も抱えているし、やはり“晩年”には違いありません。これからもうまく気分転換しつつ、見守りたいと思います。
40代50代と揺れていた私を支えてくれたのは、イヌオですからね。ある意味、「親」のようなもの。疲れなど吹き飛ばなきゃ。
そして明日はまた、自分の“本当の母”の見守り。実家の猫の鳴き声を、母と一緒に、にゃんトークでチェックしようかな。
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