犬の多頭飼いをする前に知っておこう! 大変なこと魅力的なこと

目次
  1. 多頭飼いをする前に飼い主が検討すべきこと
  2. 多頭飼いに大事な「先住犬」との関係
  3. 犬の多頭飼いに必要な準備
  4. 犬の多頭飼いのいいところ
  5. 犬の多頭飼いで幸せな生活を送ろう

 犬好きなら、犬に囲まれて過ごす多頭飼いをしたいと思ったことがありませんか? 多頭飼いは一見、可愛い犬に囲まれてにぎやかになり幸せそうにみえます。しかし良い所もあれば、大変な所もあります。実際の多頭飼いで大変な点と、魅力的な点をお伝えします。

 多頭飼いをする前に、2匹目、3匹目を飼える時間や金銭面の余裕があるかを考えてください。多頭飼いには、1匹では味わえない魅力的なことがたくさんありますが、飼い主の負担も比例して増えます。それを考えたうえで多頭飼いをするかどうかを検討してください。

金銭的な負担が増える

 犬種や年齢にあったフードはもちろんトイレシーツなどの消耗品やケア用品など、生活面での支出は、多頭飼いをする分、2倍、3倍と金銭面の負担が増えます。

 これらの支出のほかに、頭数分のワクチン代や、動物病院を受診し治療を受けたら高額な医療費が必要になることがあります。あらかじめ、ペット保険に加入するなどの備えをしておくと安心です。

犬に十分な時間を費やすことができるか

 年齢や犬種が違う場合は、それぞれにあったフード、しつけ、毎日のお手入れやケア、散歩など1匹に接していたように平等に接しなければいけません。

 また、愛犬と飼い主の信頼関係を築くために、スキンシップの時間をとることが大切です。愛犬とのスキンシップの時間は、病気の早期発見にもつながります。

犬に十分なスペースを与えることができるか

 犬にとっては十分なスペースが必要です。2匹以上を飼うには、頭数にあわせたスペースの確保が必要です。

 多頭飼いでは、先住犬を最優先に考えましょう。先住犬との相性を確認しなければいけません。先住犬と後住犬の犬種が同じであれば、トラブルが少ない傾向はありますが、同じ犬種でも個性があるため、それぞれの犬同士の相性をしっかりと確認する必要があります。

多頭飼いが難しい先住犬の特徴

「先住犬」との関係は大切です

  1. 育つ過程で、他の犬と関わらずに生活して社会性が身につかず、警戒心や不安感をもってしまい攻撃的になってしまった犬
  2. 闘犬種などの気性が荒い犬
  3. 飼い主に甘えん坊な子やマイペースな犬

     ストレスを感じやすいため、体調を崩すことがある

  4. 体格差があり過ぎる場合

     体格差があり過ぎる犬同士がじゃれ合うと、小型犬には大きな負担になる。しかしチワワとゴールデンレトリーバーのように、大きな体格差があっても、ゴールデンレトリーバーは温厚な性格が多いので、体格差は関係ないこともある。それぞれの犬種の性格を見極め、飼い主が犬同士のかかわりに適切な介入をしてあげることが大切。

後住犬は先住犬のまねをする

 犬は同居している他の犬の行動をまねることがあるため、しつけの面で良い行動をまねてくれると良いのですが、来客に吠えるなど困ってしまう行動もまねてしまい、さらに問題が悪化してしまうこともあります。

 多頭飼いをする際には、先住犬の問題行動を解決しておくことも大切です。

 スキンシップするときは、先住犬と後住犬を平等にかわいがってあげることで、犬同士の関係性がうまくいきます。

 犬の多頭飼いをするには、迎え入れる前にやっておかなければならないことがあります。犬の暮らしに必要なもの以外にも、ワクチン代や望まない妊娠を避けるための去勢や避妊処置が必要になります。

顔合わせをする

 多頭飼いをする前に、先住犬と顔合わせをしましょう。

 先住犬は、飼い主の愛情が他の犬にいくことで、やきもちを焼いたり、威嚇したりかみついたりするなどのトラブルになります。

 迎え入れる犬が子犬の場合は、元気いっぱいでじゃれつきに限度がないので、先住犬にとってはストレスに感じてしまうことがあります。多頭飼いをするときはケージ越しに顔合わせをして、慣れてから放すようにしてください。

保護犬を迎えるときはトライアル期間を設ける

 保護犬を迎えるときは、先住犬と迎え入れる保護犬のためにも、トライアル期間を設けてください。保護犬はそれぞれの経緯があって保護されているので、心に傷を負っている犬がいます。そのため、臆病な犬や、常にビクビクしていて人に心を開くまで時間がかかる犬がいます。

 多くの保護団体は、トライアル期間を設けています。この期間は、保護団体の方としっかりと情報共有をして少しでも環境に慣れさせることが必要です。

専用の寝床の準備

 多頭飼いをする前に、専用の寝床を2匹なら二つ、3匹なら三つと用意してあげてください。小型犬、中型犬、大型犬の大きさに合った専用の寝床が必要です。

 犬は囲われた場所を寝床として好むので、寝床としてはクレートを用いましょう。クレートで寝起きができるように習慣ができていれば、災害時に避難が必要になった時も安心です。クレートは愛犬の個室です。ただ寝る場所ではなく、愛犬がくつろげる居心地の良い場所を作ってあげることが大切です。

トイレの準備

 基本的に、犬がトイレをしたら衛生面を考えシーツを変えますが、共働きや何らかの理由で出来ないときは、トイレは数カ所に置くといいでしょう。排泄の回数が少ない子もいれば多い子もいるので家のスペースによって置ける数は異なりますが、頭数分を置いてあげるほうが衛生的です。そうすることで、それぞれのトイレ場所を認識し、トイレトレーニングになります。

 犬は、群れで行動し生活する動物なので、多頭飼いをすることで社会性を身につけることができます。

 来たばかりの後住犬は、新しい環境に慣れていないためどうしても付きっ切りになってしまうこともあります。先住犬のしつけができていれば、後住犬の面倒に専念できるため、多頭飼いを始めるときのしつけが楽になります。

犬は群れで行動し生活する動物です

 多頭飼いをすると、お留守番で寂しい思いをさせずにすみます。お留守番が多いご家庭であれば、多頭飼いを考えてみてもいいかもしれません。

 多頭飼いをすることで、群れで行動し正しいしつけが出来るので良い犬に成長します。

にぎやかになる

 多頭飼いで、一人の時間が少なくなっても、犬好きなら愛犬に費やす時間が幸せだと思えます。多頭飼いだからこそ、個々の犬が見せる様々な犬の魅力を感じることができます。

シニア犬には良い刺激になる場合も

 先住犬が7歳以上のシニア犬の場合、後住犬がくることで元気になることがあります。後住犬がくることで遊びに誘われて加わったり、自ら遊んだりすることが体を動かすことにつながります。

 一方で、子犬の体力にシニア犬はついていけません。ストレスになることもあるので、部屋を離すなど対応してください。

 シニア犬になると、特定の場所が決まってきます。シニア犬がいつもいる場所はキープして置いてあげてください。

 犬の多頭飼いは、幸せなこともありますが、大変なことも多いです。多頭飼いの頭数に応じて、金銭面や時間などが何倍にも増え、飼い主の余裕が求められます。

 しかし、多頭飼いをすることで先住犬に寂しい思いをさせずに済んだり、犬同士が楽しそうにじゃれあっている姿を見たり、することができます。

 先住犬を最優先に考えて相性、年齢、犬種、トライアル期間を設けて幸せな愛犬たちとの生活を送ってください。

犬の多頭飼いで考えるべきポイント
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監修者:鹿野正顕先生
スタディ・ドッグ・スクール代表、学術博士。 麻布大学にて人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。
sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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