「猫は引っかくから大変ね」知人の言葉にシュン 引っかくのは猫なりの事情があるもの

キジトラ猫「モモ」とサビ猫「あんず」
暑くても、たいてい抱き合って寝ています

 先日、愛犬のお散歩をしている知人にばったり会い、数分立ち話をしました。我が家の猫の話にもなり、知人はこう言いました。

「猫は引っかいたり噛んだりするから、大変だよね」

 そう言われて、なんとなく悲しくなった私。なんと答えるべきか迷いながらも、とっさにこう言いました。

「うーん、飼い猫はそんなに噛まないかも。うちは引っかいたり噛んだりしないし……」

 知人は「えっ、そうなの!?」と驚きながらも私の話を受け入れてくれ、その後も少し話をして別れました。

 でも知人と別れた後、私も小学生の頃「猫は引っかくから怖い!」そう断言していたことを思い出しました。

引っかく猫にも事情がある

 基本的に、猫はきらいでした。今思えば、生態がよく分からなかったのです。

 野良猫に手を出そうとすれば、噛まれたり引っかかれたりするだろうなと想像がつくので、決して手を出しませんが、問題は友人宅の猫でした。

 猫がいる友達の家によく遊びに行っていたとき、友達のお母さんの腕がいつも猫の引っかき傷だらけだったんです。それで「猫って怖い」そんなイメージが固まりました。

 なぜ傷だらけなのか、その理由を聞いていれば、怖さは半減していたかもしれないのに、勝手に「猫が暴れてお母さんが傷だらけなんだ」と思っていたんです。

キジトラ猫「モモ」とサビ猫「あんず」
私の膝に乗るあんず(後ろで待つモモ)

 そういえば、実家に今いる猫も引っかく猫でした。予防接種に連れていこうとすると、家族は必ず傷だらけになり、遊びの時ですら、噛んだり引っかいたりすることもあるそうです。

 子猫の頃に1匹で引き取られ、「噛んだり引っかいたりすると痛い」ということを教えられなかったから、いまだに引っかくのではと推測しています。

 噛む、引っかくについては、猫にもいろんな事情があるんですよね。過去に怖い思いをしたトラウマがあって必死とか、極度のビビりでパニックになっているとか、引っかいたら痛いってことをよくわかっていないとか。猫によってきっとさまざまな事情が。

お掃除ロボットにビビって「フギャー!」

 私は2匹の猫と暮らして10年経ちますが、故意に引っかかれたり噛まれたりしたことは一度もなく、不意に爪が当たってしまったことが2~3回あるかないか程度。

 子猫の頃はよく、2匹で噛みつき合っていたおかげか、「痛み」はよく知っています。

 過去に引っかかれたことで覚えているのは、10年近く前のこと。猫が1~2歳の頃だったと思います。猫を迎える前にお掃除ロボットを導入し、大変重宝していたのですが、猫が驚いてはいけないと、しばらくロボットに暇を出していました。

 そして猫の生活も慣れたころ、猫動画でお掃除ロボットに乗って室内パトロールをする猫の様子を見かけました。「お掃除ロボットが怖くない猫もいるんだ! うちはどうだろう……?」と考え、久々にお掃除ロボットを出動させることに。

 ビビりのキジトラ猫・モモは高確率で怖がるので、モモがいる場所から一番離れたところで動かしてみました。

キジトラ猫「モモ」
暑い日は床で寝るモモ

 すると、好奇心旺盛なサビ猫・あんずは自ら「なんだ、なんだ?」と、野次馬的にやってきました。あんずならお掃除ロボットと上手く共存できるかもと、そばで見守っていると、さほどロボットは近くないのに、体を固くし始めるあんずがいました。まぁ、不規則に動きますからね……。

「怖くなっちゃった?ごめんね」と、よかれと思ってあんずを抱き上げると……

「フギャー!!!」

 あんずは、お掃除ロボットに注意を向けていたところで、突然私に抱きかかえられてパニックになり、爪を立てて私の腕から逃げていきました。

「痛ーい……」

 今なら分かるんです。この時、あんずはそっとしておいて、お掃除ロボットの電源を切り、箱に仕舞えばよかったんだと。あんずの気持ちを考えれば、私は傷つかずに済んだんです。たまたま爪を切っていなかったことも、よくなかったことでした。

引っかかれても気にしない夫

 一方、同じ猫の飼い主の夫は、年に2~3回は引っかき傷を作っています。特に夏場は、家でハーフパンツを履くので、足に傷を作りやすいんです。

 あんずは季節を問わず、あぐらをかく夫の太ももの上で休むのが大好きで、通常はハーフパンツでも傷ができることはありません。

 しかし、突然外で大きな物音がしたり、夫が急に立ち上がったりすると、あんずが驚いて爪を出してしまい、ガリッ!!!となるわけなんです。

抱っこされて幸せそうなサビ猫「あんず」
夫に抱かれて幸せそうなあんず

「猫が膝に乗りそうなときは、ハーフパンツやめたらいいのに……」

 数年前にそう言いましたが、「そうだね。でも暑いし」で終わり、何度となく同じ目にあっています。

 夫は、モモに薬を飲ませるという“うっかり傷つけられる”確率が高いシーンでも、ハーフパンツだったりするので、「そりゃ傷を作るよな……」と妙に納得してしまいます。

 引っかき傷を自慢げに、勲章のように私に見せてきたりするので、どうかそれを、猫が苦手な人にやらないでほしい……と願っています。猫と暮らしたことがある人なら、理解できることなんですけどね。

 また、引っかかれるのは嫌だと思っている自分は、まだまだ猫好きとは言えないのではないかとも思います。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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