あなたの目となり足となる! 盲目の猫と飼育放棄されたダックス、種を越えた親子関係
劇団四季を退団後、動物愛護のミュージカル上演や行政と一緒に小学校で保護犬猫の啓発活動をしてきたという岡本和子さん(NPO法人みゅーまる代表)。ご自身で保護された4歳の猫がいるとのことで、この日うかがったのですが、愛犬のうれしーうれしー攻撃を喰らい、なかなか猫に辿り着けない! どうする?!
新しい家族は鶴の一声で
ミニチュアダックスフンドの「れもん」は神奈川県横須賀市の動物愛護センターに飼い主の飼育放棄で持ち込まれた犬。「ガリガリにやせ細っていた」というのが岡本さんの第一印象でした。
1歳と若いことから、すぐに新しい家族が見つかるだろうと、譲渡希望はしませんでした。しかし翌月、岡本さんが同居する母親と再びセンターへ訪れた際、「この子がいいわ」と母親が指名したのが、まだ譲渡先が決まっていなかった、れもんだったのです。
岡本さんはご自身の活動を通して、ずっと保護犬を家族に迎えたいと思っていました。また、これまでの音楽家活動と介護福祉士の資格を活かして、高齢者施設で「音楽+運動+動物との触れ合い」を提供する活動を行っていましたが、そのパートナーを務めてきたパグ犬「マコ」の高齢化にともなう引退&新パートナー探しのタイミングも、お迎えを決めた時期と重なったといいます。
れもんを迎え入れて驚いたのは食への執着心。「前の飼い主からちゃんと給餌されていなかったのかな……」そう考えると自然と与える量も増え、ガリガリ体形からすぐに適正体重オーバー気味に。
高齢者施設での活動は、もともと誰にでも愛想がよいれもんの性格もあって、トレーニングを重ねてデビューできるようになりました。
父性本能をくすぐった子猫たち
2017年4月のことです。マコとれもんの散歩中、岡本さんの活動を知る近所の女性から「いいところでお会いできた」と声をかけられました。なんでも、近くの空き家で野良猫が出産し、どうしたらいいのか困っていたとか。
岡本さんはすぐに散歩を切り上げ、自宅に戻りキャリーバッグを持って現場へ。1匹はすぐに素手でキャッチ! 残りの2匹も翌日には捕獲できました。暮らしてきた環境が悪かったのでしょう、3匹は猫風邪に侵され、目がグジュグジュでしたが、動物病院に通い、徐々に回復。
3匹のうち、獣医からのお墨付きをもらった2匹は、SNSで譲渡募集を開始するとすぐに応募があり、その後面談・契約書を交わし、トライアル期間を経て正式譲渡へ。残る1匹、白黒猫の「Zatoo」(ざとぅ/4歳・オス)は保護したときから両眼がなく、「募集は難しい」と岡本さんの家族になりました。
3匹の子育ては大変だったと容易に想像できますが、れもんの手助けもあり、楽しかったと岡本さんは振り返ります。れもんは子猫たちに興味津々で、積極的に子育てに参加したそうで、生後1カ月程度の子猫たちのお尻をペロペロと舐めて排泄をうながしたり、一緒に寝たりと、うれしそうだったとか。Zatooを家に残したのは、「みんないなくなると、れもんが悲しがる」という理由もあったようです。
2匹は岡本さんの部屋で過ごすことが多いそう。 “父性本能”に目覚めたれもんが目となり足となり、何の不自由もなく過ごせているZatooの姿に、筆者は感動しました。
一方、岡本さんが唯一困っているのが、トイレ問題です。れもんはペットシーツにうん○をするのですが、Zatooの排泄物を足で隠す習性により、ペットシーツをOBし、床に転がっていることがよくあるとか。特に寝起きはとっても危険! 寝ぼけて踏みたくないというのもわかります(笑)。
(Zatoo子猫時代の写真提供:犬丸美絵)
- 音楽と動物を組み合わせた啓発活動:NPO法人 みゅーまる
- 撮影テクニックの説明
- テクニック【意味深な】
対象となる被写体「れもん」にピントを合わせ、あとから登場の「Zatoo」をボカす。撮影しながらストーリー展開を考えるのも面白い。
テクニック2【仲良し】
親子関係にある2ショットを狙う。とにかく粘る、粘り勝ち。
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