ペットロスを先取り? 歯石取りで愛猫の梵天丸が半日入院!

 今年の秋で15歳になる梵天丸。どんなに「可愛い」と思っていても、確実にシニア期に差し掛かっています。そこで今回は「歯石」をとることに。

(末尾に写真特集があります)

猫のあくびフェチなんです!

「猫のあくびって、かっぱえびせんの匂いがするよね」

 私の突然の発言に、夫はきょとんとしています。我ながら変態だと思うのですが、猫のあくびの匂いをかぐが、結構好きなのです(猫はいやーな顔をしますが)。

 さて、猫風邪から本復した梵天丸が健康診断とワクチン接種に行ったときのこと。

「血液検査の結果、腎臓と肝臓の数値がちょっとね……。歳相応といえば言えなくもないけど、そろそろご飯を低カロリーで腎臓をしっかりケアするものに変えたほうがいいかも」

 我が家の6匹のほとんどがシニア猫。人間の目から見ると変わりなく過ごしているように見えますが、確実に歳をとっているのです。

 ここで先生に指摘されたのは、「歯石」でした。

「さすがに歯肉が下がってきてますね」

 歯茎も歳をとります。歯石もたまり、軽い歯肉炎が起きているとのこと。

 もしや、あの「えびせんの匂い」は歯石や歯肉炎のせいだったのかも?

老化は「毛のないところ」に出る?

「かっぱえびせん……(笑)」

 先生は私の話がツボに入ったのか、げらげら笑っています。が、「あながち外れでもないかもね。ほら」

 イヤイヤをする梵の口をあーん。すると、奥歯の付け根が黄色くなっています。

「この年齢にしては、これでもきれいな方です。でも、さすがにたまってきてる。取り除くには麻酔をしなきゃならないし、2~3年に1度は取るようにお勧めしてるんだけど……。梵ちゃんの年齢を考えたら、今のうちにしっかりとっておけば、あとは生涯、やらなくていいと思いますよ」

 先生の言葉を聞きながら、胸がずきっ、と痛みました。

 15歳の梵。3年に一度の歯石取り。つまり、次のタイミングは18歳。これまで、20歳まで生きたアーサーをのぞけば、そこまで長生きしてくれた子はいません。そうか。もう15歳なんだ……。

「人間はシワが増えたりシミができたりして加齢のサインがはっきりしてるけど、動物は毛に覆われてますからね。毛のないところ、とくに歯茎には健康状態や年齢による衰えが見えやすいんですよ」

 梵天丸の奥歯は、年齢相応に歯茎が痩せ、一部、歯根部が見えかけているとのこと。放っておくと歯肉炎が悪化して、場合によっては心臓病に発展することもあるのです。

猫
仕事をしていると、必ず書類の上に陣取る梵。そのままそこで眠ってしまうことも。そんなにまぶしいなら、もっと暗い所へ行けばいいのに……

半日の入院でペットロス?

 一週間後、日を改めて梵を預けることになりました。

 朝先生に預け、昼の診察のない時間に処置してもらい、夕方お迎えに行くことに。

 梵はまだまだ元気。きっと大丈夫。わかってはいても、置いてくるときには不安でたまりませんでした。

 家に帰ると、いつも通りお気に入りの場所でくつろいでいる猫たち。

 兄者(梵)大好きのアルだけが、所在なさげに梵天丸を探しています。

「なーーーぅ」(母上。兄者はどこですか?)

「梵は今お医者さんだよ。大丈夫、夕方には帰ってくるよ」

「なぉーーーー」(兄者がいないです)

 いつも私のあとをついてまわって、隙あらば抱っこをせがんだ梵天丸。その梵がいない。

 それがこれほど心細くて寂しいとは。この調子じゃ、本当に梵がいなくなったら、どうなっちゃうんだろう。

猫
お風呂にだって、ついてきます。湯舟の蓋の上でくつろぐのが好き。お湯を飲むこともあります。少々濡れたってへっちゃら。立派なストーカーぶりです。

 夕方。いそいそと病院へ。ついでにレントゲンの検査もしてもらったので、その説明を聞きます。

 骨に異常なし。内臓も元気。腫瘍(しゅよう)や肥大・萎縮も見られません。肋骨(ろっこつ)下部の肋軟骨部分が、年齢相応にゆがみ始めていますが、それ以外に目立った問題はなし!

 私の声が聞こえたのか、奥の病室から梵の「んんなあああぉおぅ!」という声が聞こえました。よかった、元気そう!

 えらい目に遭った。早く帰ろう、と訴える梵を抱きしめて、口をこじ開けてみました。黄色かった歯はみごとに白くなっています。

「梵、もうかっぱえびせんの匂い、しないね!」

 これからもあくびの匂いをかいで、チェックしようと決めたのでした。

【前の回】他猫の空似? 面影や行動、どこか昔の子に似てることってありませんか?

浅野裕見子
フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子供のころからの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹とヒト科の夫と暮らしている。AERAや週刊朝日、NyAERAなどに執筆中。

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この連載について
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猫と暮らし始めて、気が付けば40年! 保護猫ばかり6匹と暮らすライターの、まさに「カオス」な日々。猫たちとの思い出などをご紹介します!
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