幸せのために、猫自らが相棒選び? 10年の節目に2匹の運命の出会いを振り返る
4月半ば。もう少しでゴールデンウィークがやってきます。今年もどこにも行けそうにありませんが、我が家にはささやかなイベントが待っています。それは、我が家のキジトラ猫モモと、サビ猫あんずの誕生日です。
猫たちがついに10歳!いつもそばに……
あんずとモモが産まれたのは、2011年の春。モモは4月末、あんずは5月初めに産まれたそうです。2匹とも、外で暮らす母猫から産まれたので、 “推定誕生日”ではありますが、毎年“ゴールデンウィークに2匹は歳をとる”としています。
2匹は、今年でついに10歳を迎えます。一緒に暮らし始めたのは生後半年頃からではありますが、約10年も一緒に暮らしていることになります。色々なことがあったはずなのに、あっという間の10年間でした。
10年の間に、私は転職をしたり、在宅の仕事になったり、子どもが産まれたり、平凡ながら色々なことがありました。その様々な局面に、猫たちは変わらずそばにいてくれました。
思い返してみると、「そばにいた」という表現がぴったり。猫は何をしてくれるわけでもないけれど、むしろ世話がかかる存在とも言えますが、そばにいてくれるだけで、ありがたいものですね。
私は、猫との暮らしは初めてだったけれど、猫と暮らす前、家の中でどんな日常を送っていたのか、正確には思い出せないほどになりました。
猫の存在は、祖父母と暮らしていた子どもの頃、父母が不在でも、おばあちゃんの部屋に行けば、必ずおばあちゃんが話し相手になってくれて、安心できたことに似ているような気がします。
ひとりぼっちだったモモ
そんな2匹との出会いは、猫の譲渡会でした。2匹と出会えたことは、本当によかったし、心から感謝していますが、“運命的な”出会いのようなものにも少し憧れます。
私と2匹の出会いはさほど運命的ではない代わりに、猫たちの出会いは運命なんじゃないかと思うのです。2匹の生い立ちと出会いについては、ずいぶん前にも触れましたが、生誕10年を記念して改めて。
譲渡会に参加する前から2匹同時に飼うことは決めていて、最初に候補にあがったのがモモでした。
モモは生後数週間の頃、植込みの中ひとりで鳴いているところを近所のマダムに保護されました。母猫が置いて行ってしまったか、人間に捨てられたのか分かりませんが、雨の中ひとりぼっちだったそうです。
母猫が戻ってくるかもと様子をみたそうですが、ずっとひとりなので見かねたマダムが保護し、モモの世話を数日間したあと、高齢の犬と一緒に暮らすことが難しかったため、猫の保護団体に連絡して引き取られたのだそうです。
初めての譲渡会でモモに出会ったとき、モモがどこかおびえた様子でケージの中にたたずんでいたことは、今でも鮮明に覚えています。可憐な姿に、夫が一目ぼれして迎え入れることになったわけですが、我が家に来た当初は、モモが雨の中ひとりぼっちで必死で鳴いていたことを想像して、泣けてきたものです。
幸せな生い立ちのあんず
一方、あんずの場合はわりと幸せな生い立ちと言えます。あんずは、とあるご家庭の物置の中で母猫が出産、母猫と数匹のきょうだい猫とともに、動物病院に保護されたそうです。そして、きょうだいみんな保護団体で譲渡先を探すことになりました。
そこでモモとあんずは出会うわけですが、モモはほかの猫とは相性がよくないなか(怖がってフー!と言ってしまう)、なぜかあんずたちきょうだいとは仲良く過ごせたそうなのです。
譲渡会で最初にモモに我が家に来てもらうことに決め、もう1匹は……というところで、保護団体の方が「モモと一緒に暮らすなら、ぜひこの子!」と、おススメしてくれたのが、あんずでした。
あんずは優しい性格なので、気弱なモモを攻撃する心配はないし、猫を飼った経験のない私でも安心な、底抜けに人懐っこい猫ということで、保護団体のお墨付きをもらったわけなのです。
同じ保護団体に保護された偶然がありながら、モモがあんずを選んだと言えるので、2匹の出会いは“運命”だなぁ~と思うわけなのです。猫も、自分の幸せのために、相手を選ぶことがあるんですよね。
あんずの方は、どうなんだろう……。多分ですけど「アタシはどこの家でもやっていけるよ~! アハハ!」とか言いそうです(笑)。
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