愛猫の病院通いで獣医さんの言葉に戸惑う私 「ハッピースクエア」を目指したい
愛猫のイヌオが間もなく17歳になります。イヌオは10歳になる少し前に糖尿病が見つかり、病院通いがはじまりました。
家から近い病院に
初めは1時間以上かかる病院にいっていましたが、怖がりで家から出るとギャーギャー鳴き続けるので、公共の乗り物は難しい。到着する頃には血糖値も上がってしまいます。
だから家から近い病院に変えたのです。小さいながら待合室はいっぱい。先生はにこやかに明るくというよりは、冷静沈着。質問すると「うーん」と少し難しい顔をして考え込むとこもありましたが、じっくりと言葉を選ぶところに真摯さを感じました。
3年前には慢性膵炎もわかり、飲み薬にインスリン、嘔吐が続けば吐き止め注射……と病院通いは増えましたが、血糖値コントロールがまずまずできていたので、先生(の方針)がイヌオにあっているのだろうと思いました。
しかし今年にはいって食欲と体重が減り、検査をすると、腎臓の数値が悪くなっていました。年齢的なこともあるし、糖尿病から腎臓病を併発することがあると聞いていたので、やはり、ついに、という感じです。
それでも可能性を見いだしたいし、少しでも病状を遅らせたくて、先生に聞いてみました。
「今後は、どうしたらいいでしょうか」
すると先生は、じっくり言葉を選ぶようにしてこう言ったのです。
「今まで、本当によくがんばりました」
「え?」
すでに過去形。それってご臨終です、に続きそうな言葉。いやいや、このあと何か言葉があるのだろうと耳を澄ませました。
「ここまでこられたのは、丈夫だったからと思います」
これからも生きられるかな……。私は立て続けに聞きました。
「腎臓のために補液をしていくようになりますか?家でもしますか?検査も続けますよね」
「うーん……」
しばらくの沈黙のあと、水をたくさん飲めているようならそうした必要は「ない」。食事があまり取れないなら、従来の(糖尿の)検査も意味が「ない」と、先生は言いました。
口数が少なめの先生なので、前後の言葉が抜けたのかもしれないし、こちらも動揺して、聞き漏らしたことがあるかもしれない。でも「~ない」という否定の言葉が耳に残りました。
「今までよくがんばりました」といわれたことを友人たちに話すと、それは言われたらショックだと共感してくれました。
「言い方だよね」
自分にとってのいい先生って?
もちろんコミュニケーションの仕方に加えて、先生との相性も大事で、「いい先生」と思って知人に勧めたら、後から「どこがいい先生よ」となることも少なくありません。言葉の感覚が合うとか合わないとか。クールでもてきぱき治療をしてくれればいいとか、優しい表情で安心させてほしいとか、飼い主の描く「理想」に近い先生が、いい先生なのだと思います。
究極は信頼関係が築けるかどうか、ですよね。
獣医さんとペットと飼い主の3者がうまくいくことは、ハッピートライアングルというそうです。先生と飼い主との関係がよくなければ治療もうまくいかないので、自分の思う「いい先生」と出会えるのは幸せなこと。私自身は看護師さんの笑顔によく癒やされるので、4者そろうハッピースクエアがいいな……・
上手に病院を使いわけている飼い主さんもいます。イヌオに関しては、ずっと診てもらっている先生の話をまたよく聞いて、別の先生の話も伺いたいと思っています。意見が分かれるとまた悩むけど、イヌオにはまだ目力があるし。私はこの言葉が欲しい……。
「一緒にがんばりましょう」
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