猫も食欲の秋? 胃の許容量を上まわる愛猫「あんず」の食欲 その代償は大きかった

 めっきり涼しくなり、我が家の猫たちも“食欲の秋”を迎えました。

 夏は食べる量が減っていて、少し心配していたので、今は安心してカリカリのえさを増量している今日このごろです。

 高齢(9歳)の猫たちの食欲が旺盛なのは非常にいいことではありますが、食欲に胃の許容量が追いついていない場合、悲しい結果を生むこともあります。

※今回は猫の生理現象のお話なので、食事中や繊細な方は、この先は準備が整っている状態でお読みいただければ幸いです。

今食べたい! 一心不乱に食べた後は…

 我が家のサビ猫の「あんず」は、胃が受けつけられる量を、食べたい気持ちが上回ってしまうことがたまにあります。

 ガツガツと一心不乱に食べた直後、口からドバっと出てきてしまうんです。出てきたものを見ると、カリカリのえさの丸いかたちそのままの集合体です。猫がまったく噛まずに食べていることがよく分かり、感心すらしてしまいます。

 猫と暮らしている方はご存知の通り、猫ってよく吐く生き物なんですよね。よく吐くとはいえ、その瞬間は苦しそうな声を出すので、かつては心配したものですが、特に問題ないことがわかってきたので、今や日常となっています。

 猫という生き物は、そもそも野生の場合は、獲物をほぼ丸飲み状態で食べることができるため、胃の許容量を超えて食べてしまいやすい生き物なのだとか。だから、吐きやすくもあるようなんです。あと、グルーミングで飲みこんでしまった毛玉もよく吐きますけどね。

 特にあんずは、“今”食べたい! “今”遊びたい! “今”眠りたい!をモットーとして生きているので、余計に“今”食べたい!となると、ガッついてしまうのではないかと考えられます。

キャットタワーでくつろぐサビ猫「あんず」
キャットタワーでくつろぐ「あんず」

相棒猫がやってきて“サッサ”と後始末?

 そんなあんずが数日前の夕方、「ニャーニャーニャー!!」とえさを欲しがるので、空になったお皿にカリカリと、オヤツの乾燥した鶏ササミを入れてやりました。

 ガツガツガツ!!!ものすごい勢いで食べるあんず。まるで、2日くらい何も食べていなかったみたいに。いやいや、朝も昼も普通に食べていたし、さっきまで寝ていただけなんだから、それほどお腹空くはずないでしょ……。

「あんずーそんなに急いで食べたら、また出てくるよ」

 と冷ややかな目で見ていると、案の定……。

 えさ場からタタッと足早に移動するあんず。そして「カッカッ、ケポ!」えさがそのまま出てきました。

「あーあ……やっぱり……」

 かわいい猫のやったこととはいえ、思わずため息がでる私。まぁ、まだ吐いた場所が床なので、片付けやすいからいいか、今の作業が終わったら片付けようと、ちょっとだけあんずの“ブツ”をそのままにしていました。

 あんずは、ケロッとスッキリした様子で何ごともなかったかのように毛づくろいしています。

 そこを通りがかった相棒猫のキジトラ「モモ」。あんずの声を心配して見に来たのかもしれません。

キジ猫「モモ」
座椅子が大好きなモモ「邪魔しないで」

 モモはあんずの“ブツ”を見て、ゆっくりと近づき、お手々(前足)でサッサと砂をかけるマネをしました。床なので、もちろん砂などありません。

 それでも、隠れない“ブツ”を確認すると、また優しくサッサ。

 あんずは毛づくろいを終え、“ブツ”のことなど忘れたのか、なかったことにしているのか、のん気にキャットタワーで過ごしています。

 私は2匹の様子がおかしくて、しばらく見ていましたが、モモは何度か諦めずに真剣な顔でサッサとやり続けていました(モモは常に真剣な顔ではあるのですが)。

「モモちゃん、あんずの粗相を隠そうとしてくれて、ありがとうね……」

 そう言いながら、あんずが出したカリカリの集合体を紙にくるんで捨てました。あとは、除菌スプレーをかけてよく拭いたら元通りです。

 モモもブツがなくなってホッとしたのか、あんずの残したカリカリをゆっくりと食べていました。あんずとモモの関係性がよく分かる“事件”でした。

“ブツ”騒動で一日中不機嫌に…

 そんなモモは、えさを食べた直後に出す、ということはしません。野良猫時代にかなりひもじい思いをしたので、丁寧に食べているのかもしれません(あくまで想像です)。

 その代わりに、モモは毛玉を吐くことがあります。モモは毛深くて、ブラッシングも拒絶しがちなので、どうしてもグルーミングで毛を飲み込んでしまうのです。

 ある朝も、モモが吐いたらしき毛玉があちこちに散らばっていました。

 モモの場合、少しずつ数カ所も吐くので、掃除が大変です。今回は、布地の座椅子に吐き出していて、洗えない場所にもかかってしまっていました。

「うわぁ……」

 1歳の娘が踏まないように、すぐ片付けなければ……と思っていた瞬間、座椅子が大好きな娘がタターと走ってゆき、足にモモの“ブツ”が少しだけついてしまいました。

「あっ!!! だめ!」

 思わず大きな声が出てしまうと、娘はビックリして泣いてしまいました。足に妙な感触があったことも相まって、足を拭いた後も不機嫌のまま。その日はなぜだか1日中不機嫌を引きずるという始末。猫が吐いたもの以上に、私の朝イチの大声がよくなかったのでしょう。

サビ猫「あんず」にオヤツをやる娘
あんずにオヤツをやる娘

猫はよく吐くもの、内容物を確認しよう

 あんず、モモ、それぞれが吐いた……それだけのことで、いろんなことが起きる我が家。

 猫が吐くのはよくあることですが、出した内容をしっかり確認して、病気がないかどうか見極めることも必要なんだとか。

 今のところは、“カリカリそのまんま”か“毛玉”なので、心配はいらないのですが、しっかり見ていきたいと思います。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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