オッドアイの双子猫 天性の接客術で美容室のお客さんをトリコに
美容室の看板猫を務める白猫兄妹。神秘的な外見と天性の人懐こさによって、今日もお客さんの心をわしづかみにしています。2匹の見事な仕事ぶりを覗いてみましょう。
滋賀県守山市にある美容室「Hair Art Saran」の看板猫カブちゃんとアブちゃん。ゴールドとブルーの瞳を持ったオッドアイの双子。生まれて8カ月。新米とは思えぬほどの接客術を身につけ、看板猫として美容室に来るお客さんを笑顔にしている。
店主の辻さんが猫を飼ったきっかけは、子育てが一段落した2年前。友人からの「猫は癒し」という言葉をきっかけに迎えたのが茶虎猫のロイ君(2歳♂)と白黒猫のソル君(2歳♂)の兄弟猫だった。
「はじめは猫好きなお客様がご来店の時だけ、お店に同伴させていたんです。それが、不思議と猫が好きと言ってくれるお客様ばっかりで……」
いつの間にか、看板猫として毎日出勤するようになったという。
猫が高いところに行きたがるのを見て、それなら猫が快適に過ごせるようにとお店をリフォームすることに。友人達の協力のおかげで、まるで猫カフェのような美容室が完成した。2匹の猫が楽しげにキャットウォークを歩く姿を見て、「憧れの白猫と暮らしてみたい」と強く思うようになった。
15年ほど前、近所の家で産まれた子猫を見に行った時に、猫団子の中で1匹だけいた白い子猫。瞳は左右で色が違うオッドアイだった。初めて見るその姿に「なんて美しい猫なんだろう」と衝撃を受け、その感動が忘れられなかった。
そして保護団体の譲渡会で出会ったのが、美しい瞳を持つ白猫の兄妹。男の子のカブちゃんはおっとりとした性格でちょっぴりどんくさく、女の子のアブちゃんの方がやんちゃでしっかり者。
神秘的な容姿で撫でることさえはばかられそうな雰囲気の2匹だが、驚くほどフレンドリーでおもてなし上手。お客さんが席に着くと、2匹で示し合わせたようにピョン、ピョンとお膝に乗り甘える仕草にお客さんはニンマリ、猫好きではないお客さんまでも「懐いてくれると可愛いなぁ」と猫嫌いを覆したという。
「2匹が来てから、長居をするお客様が増えました」。
猫が好きなお客さんには長めの予約時間をとっているそう。「家でも仕事場でも、猫と一緒に過ごしているだけで、1日に何度も何度も『可愛いね』って言葉が飛び交うんです。それって、とっても幸せだなって思います」と嬉しそうに話す辻さん。
お客さんとの会話も猫の話が多くなり、みんなから自然と優しい笑顔がこぼれる。
(文・写真・土肥美帆)
- Hair Art Saran
- 住所:滋賀県守山市播磨田町166-14
TEL:077-582-8646
営業時間:9:30~19:00(予約制)
Twitter:@oddeye2abukabu
Instagram:roi.sol_nekoneko
- Doi Miho
- 写真家。1971年北海道生まれ。北海道の漁港にすむ野良猫たちの、健気にたくましく生きる姿をとらえた写真で、日本写真家協会主催2016JPS展文部科学大臣賞、第65回ニッコールフォトコンテスト大賞(モノクロームの部)を受賞。2018年、写真集『北に生きる猫』(河出書房新社)刊行、2019年にはニコンプラザ大阪 THE GALLERYで個展「北緯43度」を開催。
Instagram : miho_doi_cat
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