飼育放棄された純血猫 猫好きな家で、虐待の記憶を消していく
ペットショップから買われた純血種のマンチカン。白くきれいな猫だったが、飼い主の女性に虐待され、飼育放棄された状態だった。縁あって猫好きの家に迎えられ、少しずつ心の傷が癒えていった。
マンチカンの「うにくん」は、2012年8月生まれ。ふわふわの白い被毛が美しい猫だ。ペットショップで売られていて、ある女性に買われた。だが、女性は精神的に病んでいたらしく、「猫を見ると、たたいてしまうねん」「いらんから、保健所に連れて行く」と周囲にもらしたという。
そのため保護されたものの、保護主宅は介護が必要な家族がいたため飼えない、と同じ職場の奥内さんに相談があった。そこで大阪府内に住む奥内さんが自分で引き取って飼うことになった。
顔を触られることを嫌い、怒る猫
こうして奥内さん宅に迎えられたうにくんだったが、虐待を受けていたせいか、触られることを嫌い、特にお腹を触られたり、顔を触られたりすると、シャーッと声をあげて怒った。頭だけはなでることができたが、奥内さんは嫌がることはしないように気を付けた。
それでも、引き取ってから1週間ほどで徐々になれていった。動物病院で診てもらったが、病気はなかった。
奥内さん宅には、すでに3匹の保護猫がおり、一番最初に来た夏ちゃんがボス。うにくんは、近くを通っただけで夏ちゃんに叩かれた。それでもうにくんはケンカをけしかけるようなことはなく、夏ちゃんに近づかないようにしていたという。
やさしく面倒見のいい猫
家にやって来て半年くらい経つと、うにくんは虐待された過去を忘れたかのように、なでてもだんだん怒らなくなった。奥内さん宅で、譲渡を待つ子猫たちのグルーミングをしたり、一緒に遊んだりと面倒を見ている。
「マンチカンという洋猫がもともと持っている優しさが、うにもあるのか、子猫にも優しいんです」
奥内さんが好きな被り物にもつきあってくれるようになった。水道から流れる水が好きで、よく蛇口から水を飲む。教えると、お手やおかわりもできるようになったという。
「虐待されていた猫には、できるだけ早く人の優しさや愛情を知ってほしいですね。出会いや縁が大事です」
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