おうち時間に犬や猫と音楽を ペットと楽しめる配信サービス

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、外出を控えている人も多いはず。おうち時間が増えた今、ちょっと気分を変えて、ペットと音楽を楽しんでみてはいかがだろうか。そのときにおすすめな、ペットと飼い主が一緒に音楽を楽しめる仕組みを、音楽配信サービスの「Spotify」が提供している。

30曲のプレイリストを自動生成

 Spotifyが提供しているペット向けサービスは、「Pet Playlist」と「My Dog’s Favourite Podcast」の2つ。いずれも、PC用もしくはスマホ用のSpotify専用アプリから会員登録すれば、無料で利用可能だ。

「Pet Playlist」は、ペットの動物種や性格、飼い主の音楽の好みから、独自のアルゴリズムにより、ペットと飼い主がともに楽しめる約30曲のプレイリスト(特定のテーマに合わせて集められた音楽のリスト)を自動生成してくれるというもの。犬、猫、ハムスター、鳥、イグアナの5つの動物種に対応する。

「Pet Playlist」
「Pet Playlist」

 一方、「My Dog’s Favourite Podcast」は文字通り、犬に聴かせるためのポッドキャストだ。「ポッドキャスト」とは、ネット配信される動画・音声コンテンツのことで、ニュースや有名人のトーク番組などがよく知られているが、「My Dog’s Favourite Podcast」は人のためではなく、犬たちが留守番中などにさみしい思いをせず、リラックスして過ごせるように設計されている。

 2本用意された番組は、1本がおよそ5時間(犬を留守番させられる最大限の時間を想定)。心地いいアンビエントミュージックに、ときおり鳥のさえずりや水が流れる音などの効果音をミックスした、ヒーリング音楽に近いテイストだ。

 プログラム冒頭には、「愛しているよ」「いい子だね」といったほめ言葉や、人にとって犬がいかに大切な存在かを語りかける内容の英語の「語り」が、穏やかな口調で挿入される。

愛猫とは音楽の趣味が合わないのか…

 あいにくわが家には犬がいないのでポッドキャストを試すことはできないが、試しに愛猫(16歳・オス・雑種)のためのプレイリストを作成して、聴かせてみた。

動物種を選んでから、ペットの性格について「のんびり屋⇔活発」「人見知り⇔人なつこい」「無関心⇔好奇心旺盛」の3つの質問に答え、ペットの名前を入力すれば完成。直感的に操作できるので、英語ができなくても簡単
動物種を選んでから、ペットの性格について「のんびり屋⇔活発」「人見知り⇔人なつこい」「無関心⇔好奇心旺盛」の3つの質問に答え、ペットの名前を入力すれば完成。直感的に操作できるので、英語ができなくても簡単

 愛猫の性格を「ややのんびり屋」「人なつこい」「好奇心旺盛」に設定し作成した結果、カルチャー・クラブ「カーマは気まぐれ」やマイケル・ジャクソン「ビリー・ジーン」など、日ごろ愛聴している80年代洋楽ヒットを多数盛り込んだプレイリストが完成。聴いたことがなかった曲を含め、飼い主的には大満足な内容だった。

 一方、愛猫は普段あまり音楽を聴き慣れていないこともあり、ただただキョトンとしていたが、全体的にアップテンポな曲が多いプレイリストだったにもかかわらず、しばらく聴かせていたら眠ってしまった。もしかしたら音楽の好みが合わず、退屈だったのかも……と、少々ションボリしてしまった。

プレイリストをしばらく聴かせていたら寝てしまった…
プレイリストをしばらく聴かせていたら寝てしまった…

専門家の知見をもとに制作

 おもしろいのは、これらのサービスが、独自の調査や専門家監修のもとに制作されているという点だ。

 開発に先立ち、Spotifyは5カ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、スペイン、イタリア)のペットオーナー約5000名を対象に「ペットと音楽」に関する調査を実施。その結果によると、71%の飼い主が「ペットに音楽を聴かせる」と回答している。

 また、80%は「ペットは音楽を聴くことが好き」で、55%は「ペットは自分の好みと同じタイプの音楽を好む」と感じているという。ペットと一緒に音楽を楽しみたいという音楽好きな飼い主は意外に多いようだ。

「My Dog’s Favourite Podcast」もまた、犬のコミュニケーションや、音楽が犬に与える影響を研究する専門家のアドバイスをもとに作られている。

「My Dog’s Favourite Podcast」。Spotify専用アプリでこのタイトルを検索すればすぐに見つかる
「My Dog’s Favourite Podcast」。Spotify専用アプリでこのタイトルを検索すればすぐに見つかる

 たとえば「語り」の工夫について、制作秘話を明かすポッドキャスト「Inside the Kennel」のなかで、アドバイザーのひとり、ヨーク大学のアレックス・ベンジャミンさんは「声は低めに、高低差をつけず単調に話すことで、犬を落ち着かせることができる」と解説している。

 このポッドキャスト用に制作されたオリジナル曲も、犬の平均的な心拍数や呼吸数より遅めのピッチに仕上げ、リラックス効果を狙っているとか。

 自然音以外にも、犬はアイロンをかける「シューシュー」という音に安心感を覚えるそうで、ポッドキャストのなかでも、実際に使用されている。

ペットと一緒に踊る人も

 ちなみに、Spotifyが行った前述の調査では、ほかにもおもしろい結果が公開されている。

 たとえば、69%の飼い主が「ペットに歌を歌って聴かせ」、さらに57%が「ペットと一緒に踊る」のだとか。

 また、約20%はペットに有名なミュージシャンの名前をつけており、人気トップ5は「ボブ・マーリー」「エルヴィス」「フレディー・マーキュリー」「(デヴィッド)ボウイ」「オジー(オズボーン)」だそうだ。

 家で過ごす時間が長くなる今、ペットと一緒に好きな音楽を探してみるのもよいかもしれない。

Spotify「Pet Playlists」
https://pets.byspotify.com/

 

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sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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