おうち時間 いま注目の料理人が「ちゅ〜る」で愛猫をもてなす

芸術的な料理の正体、じつは……
芸術的な料理の正体、じつは……

 スペインで外出禁止令が実施されたのは3月14日のこと。人々は家で過ごすことを余儀なくされ、飲食店もすべて休業。そのような状況のスペインにて、3月26日、あるシェフが一枚のお洒落な料理の写真をSNSにアップしました。

(末尾に写真特集があります)

この日のゲストは、茶トラ1名さま

 パッと見、「レストランのメニュー?」と不思議に思ってしまう写真に添えられていたのはこんな文言。

「もし、誰にどうやって食べて欲しいかをイメージしながら食材を扱うことを料理と呼ぶならば、毎日コンスタントに何人の顔が浮かぶだろう。しかし、料理を通して伝えたいことがあって、なるべく多くの人に食べてもらいたいと思うことも料理か」

 ちょっと哲学的なシェフの思考。そして、続くハッシュタグは以下のとおり。

 #キャットフード #ciaoチュール #煮干し 

 じつはこれ、みなさんお馴染みのキャットフード、「CIAO ちゅ~る」を使ったひと皿なのです。つくったのはバスク州にあるレストラン「アサドール・エチェバリ」でスーシェフ(副料理長)を務める前田哲郎さん。

「アサドール・エチェバリ」とは、食のアカデミー賞とも言われる“世界のベストレストラン50”で、昨年は3位に輝いた薪焼きの名店。その席を渇望する食通があとを絶たず、通常一カ月分の予約は2分でうまってしまうほど人気を集めています。

 そこで前田さんはシェフの右腕として焼き場に立ち、メニューを開発。いま海外で活躍する要注目の日本人シェフなのです。

 そんな前田さんが3月26日に一組限定のゲストとして迎えたのが、もとは野良だった愛猫の「おちび」。おちびのためにつくったのが「CIAO ちゅ~る」のスペシャリテというわけです。いまも自宅待機がつづく前田さんに、このひと皿を作ったきっかけをリモート取材で伺いました。

茶トラのおちびは去年の6月から前田家の一員となりました。
茶トラのおちびは去年の6月から前田家の一員となりました。

材料はすべて猫が食べられる、手近なもの

「暇だったので、おやつをあげるならとノリでつくり始めました。ただのお遊びです。でも、何回かつくり直しているうちに盛り上がっちゃった(笑)。

 考えてみたら、キャットフードにレベルの高さの上下はあっても、こういう風に出すことはなくて、ただ器に入れるだけのものでした。それできれいに盛ってみようと思ったときに、ちゅ〜るはなかなかおもしろい素材になったんです。ソース状なので何でもできちゃいます」

 材料は「CIAO ちゅ~る」と猫用クッキー、カリカリのキャットフード、煮干しと手近なもの。手順と盛り付ける際のポイントは?

「まずはお皿の高さのピークを決めること。和食でいう天盛り(香りのある木の芽や針生姜などを小高く盛ること)ですね。今回はちゅ〜るの粘度を接着剤に、猫用クッキーと煮干しを積みました。

 高さを決めたら、そこからバランスをとるように素材でお皿を埋めていきます。これはちゅ〜るを太く敷いてから、真ん中をスプーンの先で押し付けつつひと筆でひいています。煮干しの頭をその延長に置いて、仕上げにキャットフードの袋の底に溜まっていた粉をのせました」

「煮干しは形が面白くて使いやすい。食べやすいように頭をとってみました」(前田さん)
「煮干しは形が面白くて使いやすい。食べやすいように頭をとってみました」(前田さん)

ゲストの「おちび」の反応は?

 また、お皿選びには食べる相手への思いやりもありました。

「お皿は大きめの方がきれいに見えますが、猫が足を乗せないために、首の長さ以上の半径のお皿は使わない。縁の高さがなくて、万が一足をかけても安定しているお皿を選ぶこと。高台のついたお皿なら、飲み込むときに負担がかからないですね。僕は欠けたお皿のなかでそういうものを使っています」

やはりソース(ちゅ〜る)から真っ先に食べ始めたそうです。
やはりソース(ちゅ〜る)から真っ先に食べ始めたそうです。

 配慮も見た目もばっちり。しかしただひとつ、シェフとしての懸念点は「味見ができないこと」だとか。さて、気になるお客さんの反応は……

「お皿まで舐めて完食していました(笑)。最近、流行りのレストランでもお皿を舐めさせる料理を出していたりするんですよ。おいしく食べるってそういうことかもしれませんね」

 猫もレストランに来たお客さんも喜ばすシェフの料理。レストランが再開される日も待ち遠しいものです。

前田さんのInstagram @tetsuro_tetxubarri

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大石智子
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心に旅、ホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。スペイン語圏を旅することが多い。柴犬のいる家に生まれ育ち、現在も両親は柴犬(大石ふじ・雄6歳)と住んでいる。月に1〜2度は帰省し、ふじの爆走を見守るのが楽しみ。Instagram @tomoko.oishi

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