三猫三様、でも家族 目利きとご縁で結ばれたにゃんこ3兄弟

 ある案件で、子猫の撮影モデルをお願いしたことがありました。生後3カ月の黒白猫は、最初こそ積極的ではなかったものの、猫じゃらしで遊ぼうとお誘いすると、まんまとつられて成功!

 しかし、無尽蔵のスタミナで遊びを要求してくる「ゾーン」に入ってしまい、「まったく写真が撮れん!」と少し後悔した私。「策士策に溺れる」とは、まさにこのこと……。

(末尾に写真特集があります)

 それから1年。あの黒白猫は「宙(そら)」(1歳3カ月)と命名され、智さん(46歳・東京都在住)宅で、年上の白黒猫「陽(はる)」(4歳)、サバ白猫「虹(こう)」(3歳)と暮らしていました。

 智さんの家の3匹は全員がオス。その理由を聞くと、「私が女性だからオス猫を」。過去の猫生活から、「人間の性別と逆の方が懐く」説を導き出したそうです。これには私も「ウン」と同意。実際、うちの猫たちもそうだから。

宙くん、お久しぶりー。大きくなったね。
宙くん、お久しぶりー。大きくなったね。

 当初は、陽と虹の2匹でよかったと智さんはいいます。それでも、もう1匹迎えたのは、重度のペットロスにおちいった過去が頭をよぎったから。「2匹がバタバタと逝ってしまうと私がもたない」と、早め早めの防衛策を講じた結果でした。

 譲渡サイト「ペットのおうち」で、今まで飼ったことがない「黒猫」を探し始め、「東京都」「人にベタベタ」「ストーカー猫」「猫よりも人が好き」の検索結果からたどり着いたのが、宙でした。

 子猫はお世話が大変なことから、今まで敬遠していたという智さんですが、宙の募集写真を見てズキューン! 自らの考えを曲げて申し込みをしてしまうほどの可愛さだったようです。

 虹をすぐに受け入れたことから、陽の面倒見がいいことはわかっていました。案の定、宙を迎え入れると、陽がお母さん役となり、自分の尻尾で遊ばせて子育て・教育をしてくれたそう。陽は仕草も女の子っぽく、自分のタマタマの毛をむしりとる行動を見た智さん、「陽は自分を女の子だと思っているのでは?」と疑うようになったとか。

陽はみんなのまとめ役。(テクニック1)
陽はみんなのまとめ役。(テクニック1)

 陽は埼玉県、虹は名古屋、そして宙は東京都大田区で保護されました。お気づきかも知れませんが、宙が去勢済みの印である耳カットされているのは、当初は地域猫として捕獲した場所に戻す予定だったから。

 しかし、兄弟猫が交通事故で亡くなったとの情報が保護主の耳に入り、安全を憂慮して新しい家族を募集することになったそう。また、信じがたいことですが、人好きな猫は虐待にあいやすいとも……。家族を募集する背景はさまざまなんだと思い知らされます。

スッキリとしたお部屋には理由あり。(テクニック2)
スッキリとしたお部屋には理由あり。(テクニック2)

 3匹の関係はすこぶる良好で、ひょっとしたら血のつながった兄弟よりも仲むつまじいのかも?と、智さんの目利きに感動。「ペットのおうち」を通じ、別々の場所から別々の理由で、縁あって智さんの家にやってきた猫たち。それぞれのバックグラウンドを思いながら、それでもこんなに仲良しな3匹に出会えたことに胸熱です。

集合―!と言って家族写真を撮れる確率も低いのだが、この日はバッチリ。ほんと仲良しだなぁー。
集合―!と言って家族写真を撮れる確率も低いのだが、この日はバッチリ。ほんと仲良しだなぁー。

撮影テクニックの説明
テクニック1【ひょっこり感】
カメラを少し傾けるとひょっこり感が増して可愛さ倍増!

テクニック2【説明が付く写真を】
なんでも食べてしまう宙(とくにウール製)のために収納が必須とのこと。スッキリとした部屋全体を広角レンズで。

ケニア・ドイ
写真家。人物、商品撮影を得意としながら、犬猫カメラマンとしても活躍。雑誌「ねこのきもち」「いぬのきもち」掲載多数。長寿猫をテーマにしたフェリシモ猫部「猫又トリップ」の連載は100回を超える。著書に「ぽちゃ猫ワンダー」「ご長寿猫がくれた、しあわせな日々」。現在、黒を背景にしたペット撮影会「ドイブラック」(Instagram:@doi_black)で全国行脚中。

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この特集について
ツンデレラたちの撮りセツ
美しい猫の写真で知られる写真家ケニア・ドイさんが保護猫たちを取材します。ストーリーに加え、猫写真の撮影テクニックも解説します。
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