犬の健康寿命をのばす食事と栄養素 トッピングでひと工夫

 犬の食事は総合栄養食のドッグフードを与えていれば、栄養学的に問題ありません。ただし犬の年齢や体質、病気などに応じて食事を工夫することも大切です。近年の人間の食事の研究で、健康寿命をのばす食事のカギは、“抗酸化力”であることが提唱されています。食材の選び方や調理の工夫について考えてみましょう。

犬に必要な5大栄養素

 犬が生きていくために必要な5大栄養素は、たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルです。栄養バランスが異なるだけで人間と変わりません。それぞれの栄養素の役割を再確認しましょう。

たんぱく質

 たんぱく質は体内で分解されてアミノ酸になり、被毛や筋肉、骨など身体をつくる材料になります。ホルモンや免疫のためにも使われます。

脂肪 

 脂肪は脂溶性ビタミンの吸収を助け必須脂肪酸の供給を行います。たんぱく質よりも多くのエネルギーを供給できる効率のよいエネルギー源ですが、とりすぎると肥満の原因になります。

炭水化物

 炭水化物は体内で糖質と繊維質に分かれます。糖質はエネルギー源になりますが、消費されなかった分は脂肪となって身体にたまります。繊維質は腸内細菌のエサになったりウンチをほどよい硬さにしたりします。

ビタミン

 身体の機能や代謝を調整するなどさまざまな働きがあり、体調を良い状態に保ちます。体外に排出されやすい水溶性ビタミンと、体内に蓄積する脂溶性ビタミンに分かれます。

ミネラル

 主要なミネラルはカルシウムとリンで、骨や歯の構成成分になります。そのほか、体液や細胞、神経などの機能の調整に役立ちます。

犬の食事は年齢別に選ぶ?

 ドッグフードには五大栄養素がバランスよく含まれています。犬のライフステージごとに種類が分かれていて、一般的に1歳までパピー(子犬)、1歳からアダルト(成犬)、7歳からシニア(老犬)です。しかし犬の平均寿命が14歳を超える今、年齢を目安にするよりも動物病院で健康診断を受け、愛犬に合わせて食事を選ぶことが大切です。

健康診断を受け、愛犬に合わせた食事を
健康診断を受け、愛犬に合わせた食事を

トッピング食に抗酸化力の強い食材をプラス

 人間の研究では、活性酸素が発がん率を上げ、しみやしわの原因になることがわかってきました。老化のメカニズムに活性酸素が関わっている部分が明らかになりつつあるのです。犬が好きな食材の中に抗酸化力の強い食品があれば、“トッピング食”として試してみるのも一案でしょう。

 トッピング食は、犬の主食のドッグフードを給与量の8割にして、残りの2割を犬の好きな食材にするレシピ。犬の食欲をアップさせることができます。

 犬が好きな食材の中に“抗酸化力”の強い食品があれば取り入れてみるのもよいでしょう。たとえば緑黄色野菜(トマト、ブロッコリー、ニンジンなど)、オイル(オリーブオイルやアマニ油など)、魚(サケやイワシなど)、種実類(ゴマなど)です。

 トッピング食の食材は犬が消化しやすいように、細かく刻む、すりおろす、煮るといった一手間を加え、ピューレやおじやのような状態にしましょう。

トッピング食レシピ

材料 
犬の体重    3キロ    6キロ   10キロ
サケ(無塩)  22グラム  33グラム  54グラム
すりゴマ(白) すべて少々
サケを細かく切って茹でてから身をほぐし、ドッグフードにのせます。すりゴマを少々かけてドッグフードとよく混ぜたら、“トッピング食”の完成です。

老犬に積極的に与えたい栄養素

 加齢に伴って衰えやすい筋肉を維持するために、たんぱく質を少し多めにとりましょう。高齢になったら良質な肉や魚、卵などをトッピング食にして与えましょう。ただし腎臓疾患(じんぞうしっかん)のある犬は動物病院に相談しましょう。

高齢になったら肉や魚などをトッピング食に
高齢になったら肉や魚などをトッピング食に

 体内の炎症を抑えるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸も積極的に与えたい食品。サバなどの青魚に多く含まれています。

 関節や軟骨の形成、新陳代謝の促進に役立つグルコサミンとコンドロイチンも加えましょう。グルコサミンはカニやエビの殻に多く含まれているので、すりつぶして与えるのも一案です。コンドロイチンは海藻や納豆、オクラなどのネバネバした食品に含まれています。

食事の工夫で食べる楽しみを維持

 高齢になっても食欲旺盛な犬もいますが、身体の変化で食べられなくなる犬もいます。成犬の頃と比べて内臓機能の働きが低下しているため、食べ物の消化・吸収の負担は大きくなっています。犬の体調に応じて食事を小分けにし、回数を1日2回から3〜4回に増やして負担を減らしましょう。食材の茹で汁を使ってドッグフードをふやかし、飲み込みやすくするアイデアもあります。

 食器の位置を台で高くするなど、ちょっとした工夫で犬が食べやすくなり、食欲が戻ることもあります。犬がいくつになっても食べる楽しみを得られるようにしましょう。

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監修:小林豊和
獣医師、グラース動物病院(東京都杉並区)総括院長。最良のホスピタリティと獣医療を提供するため「チーム医療」に取り組む。帝京科学大学准教授として犬猫の健康寿命やアンチエイジングの研究も行なっている。

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この特集について
犬の健康寿命をのばす習慣
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