老犬のトイレ失敗が増えたら病気の疑い 室内トイレで確認を

 トイレシートの上でオシッコやウンチができていた犬が、加齢とともにはみ出したりトイレ以外のところで漏らしたり失敗するようになったら要注意。これらは犬の老化のサインでもあり、行動学的な問題の可能性も。さらに健康寿命を脅かす病気の症状かもしれません。犬のトイレの失敗が増えたときは、まず病気の有無を確認しましょう。子犬や若い頃から室内トイレを教えておくと、病気の予防や早期発見につながります。

老犬はトイレの問題が出やすい

 犬は高齢になるとトイレの失敗が増えます。老化によって身体機能が衰え、排泄(はいせつ)の体勢でよろけることもあります。運動で筋力を維持し、飼い主がサポートしましょう。また、認識のずれが起きると、トイレシートにのっているつもりで踏み外したりすることも。トイレシートのサイズを大きくする、トイレを箱型にして場所をわかりやすくする、といった工夫が必要です。

トイレの場所を分かりやすくするなどの工夫を
トイレの場所を分かりやすくするなどの工夫を

 とはいえ排泄のすべての問題を「トイレの失敗」と思うのは誤り。膀胱疾患(ぼうこうしっかん)や腎臓(じんぞう)疾患などの病気が潜んでいることもあります。動物病院で定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療で健康寿命をのばしましょう。

オシッコとウンチでわかる病気

 オシッコとウンチは犬の健康状態を確認するためのバロメーター。血尿のように一目でわかる病気の症状とは異なり、トイレの失敗や排泄の回数の変化は気づきにくいサインです。しかし犬のオシッコが出ない状態が36時間以上続くと命に関わることがあり、見逃したくない症状の一つ。

 ここでは注意が必要な犬のオシッコやウンチの頻度を中心に、考えられる病気を紹介しますので、日頃からトイレシートのチェックを。また、排泄物の色や量なども確認して、“いつもと違う”ことに気づける飼い主になりましょう。

オシッコの頻度

  • 多飲多尿 オシッコが過剰に出てのどが渇き、水をたくさん飲む症状です。病気:クッシング症候群、慢性腎臓病、糖尿病、子宮蓄膿症など
  • 頻尿 排尿の姿勢になる回数が増え、少しずつ尿を出す状態です。病気:膀胱炎、尿道炎、膀胱結石など
  • 尿閉 尿がたまっているのに排尿できなくなります。病気:尿結石、会陰ヘルニアなど
  • 乏尿 ショック状態や急激な失血、脱水などによって尿が作れなくなります。病気:急性腎臓病など

ウンチの頻度

  • 便秘 ウンチが数日にわたって出ない状態。水分不足や食事の変更、運動不足、下半身に力がらないことで起きることもあります。病気:前立腺肥大症、子宮の腫瘍など
  • 下痢 柔らかいウンチや水様便が続く状態。環境変化などによる一時的な症状の場合もあります。病気:膵臓(すいぞう)の機能低下、消化器系の病気、食事が体質に合っていない(不耐性)など

室内トイレを習慣にしよう

 室内飼いの犬でもトイレは屋外というケースは珍しくありません。朝晩の散歩のとき以外は排泄をがまんすることになり、犬によってはもらしてしまうことも。さらにがまんのしすぎで病気を引き起こすこともあります。

排泄をがまんしすぎると病気を引き起こすことも
排泄をがまんしすぎると病気を引き起こすことも

 室内トイレが習慣になっていれば、時間や気候、体調を考慮して散歩へ行くことができ、犬の負担やトイレの失敗を減らせます。できれば子犬や若い頃から教えておくのが理想です。

 次からは基本のトイレトレーニングを紹介します。中には“トイレの号令”を教える、トイレに“人工芝”を敷いて感触で覚えさせる、といった方法が向いている犬もいます。いずれの方法もトイレの失敗をしからないこと。犬がトレーニングに嫌な印象を持たないようにやさしく教えましょう。

室内トイレのトレーニング方法

1.屋外にトイレシートを敷く

 散歩のときにトイレシートを持って行き、犬が排泄するそぶりを見せたら、すぐトイレシートを敷き、その上へ犬を誘導します。

2.排泄が成功したらほめる

 トイレシートの上で少しでもオシッコやウンチができたらほめておやつなどのごほうびをあげましょう。最初は犬がきょとんとするかもしれませんが、繰り返して教えることが大切です。

3.トイレシートを自宅へ移動する

 犬がトイレシートの上で排泄する習慣がついたら、少しずつ自宅へ近づけます。たとえば、家の近く→庭の中→玄関前→室内……とゴールを目指して根気よくトイレトレーニングを続けること。屋外のトイレの習慣が長い成犬や老犬は、屋外に近い玄関内やベランダにトイレを置いたほうが成功しやすいことも。家庭と犬に合わせてゴールを調整しましょう。

人間と同じように犬も好みのトイレがある

 犬が気に入るトイレを用意することも大切です。人間と同じように好みがあるので、トイレシートの種類や場所などを変えてみるのも一案です。実はきれい好きなところも人間と同じ! 犬が使いたくなる快適なトイレ環境を整えてあげましょう。

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監修:小林豊和
獣医師、グラース動物病院(東京都杉並区)総括院長。最良のホスピタリティと獣医療を提供するため「チーム医療」に取り組む。帝京科学大学准教授として犬猫の健康寿命やアンチエイジングの研究も行なっている。

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