「福島の犬猫放っておけなかった」 山路さんと大網さんがトーク

 東京・新宿で開催中のチャリティーイベント「みんなイヌ、みんなネコ」で15日、ジャーナリスト山路徹さんと、横浜市で保護犬・猫シェルター「おーあみ避難所」を運営している大網直子さんのトークショーがあった。2人は8年前、東日本大震災による福島原発事故で避難指示が出された地域に残された犬や猫の救出活動を一緒にした間柄。話は当時の様子から現在の活動にまで及んだ。

 山路さんは「とら」「マロ」という猫2匹を飼っているという。

 山路さんによると、とらとは、原発事故の取材で入った福島県南相馬市で出会った。避難指示が出された地域は無人で、がれきの荒野のようだった。車で入ると、飢えた犬が寄ってきたため、自分たちの食料を分けて与えたという。

 とらもそんな中で生きていた。

「ガリガリにやせた猫がミャアミャアか細い声で鳴きながら近寄ってきて、放っておけなかった。絶対救わないといけないと思った。それが保護活動の始まりでした」

 とはいえ、何の経験もなかった。ツイッターで「誰か手伝ってもらえませんか」と呼びかけた。これに呼応したのが、大網さんだったという。

「車もリードもあります」と大網さんは返事を送った。翌日には山路さんらと合流して現地入りすることになった。被曝の恐れがあると説明されたが、大網さんは現地入りを決心したという。

 大網さんは「子どももいませんし、当時44歳で元気で動けました。行って助けることが正しいと思いました」と当時の心境を説明した。

 さらに「一度現地を見たら放っておけず、毎週通って、犬や猫をとにかく避難区域の外に出そうとしました」(大網さん)。そんな山路さんや大網さんらの保護活動が知れると、他の保護ボランティアたちも現地に入るようになったという。

 一方で保護した動物を収容するシェルターも必要になり、大網さんは自宅で「おーあみ避難所」を始めた。現在は、約80匹を預かり、自治体から保護動物を引き出すなどして月2回の譲渡会を開いている。今年2月からは香川県で保護された犬の引き出しも始めたという。

 大網さんは「地方では不妊去勢させる人が少なく、野犬が増えてしまう。1週間に17頭収容されることもあり、香川県内だけで譲渡するのは難しい。それでお手伝いさせていただいています」と説明。「将来的には私たちのような保護団体が必要ない世の中になってほしい」と話した。

 山路さんは、全国的には動物に対する意識にバラツキがあると指摘し、「まず関心を持ってもらうことが大事。意識を底上げしていくため伝え続けたい」と語った。

 同じ会場で開かれている譲渡会には、おーあみ避難所が香川県の施設から引き出した保護犬も参加している。大網さんは「たくさんの方においでいただき、きっと良いご縁があるだろうと思います」と期待をよせた。 

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