段ボール箱で捨てられた子猫 我が子のように愛され、美しく成長
まるでモノを扱うように、段ボール箱で産まれたばかりの子猫を捨てる人がいる。その一方で、そんな子猫を世話する人や、引き取って我が子のように育てている人もいる。
2018年5月、大阪府内で、ある人がダンボール箱を逆さまにして子猫たちを振り落として捨てていた。なかには段ボール箱にしがみつく子猫もいて、まるでゴミでも捨てるような様子だったという。目撃者が近寄って確認すると、中には子猫が4匹いた。まだ産まれて間もない赤ちゃん猫だった。
すぐに保護団体「ワンハート大阪」(大阪府)に連絡し、保護を依頼したという。
子猫は2匹がオス、2匹がメスだった。それぞれ「いちご」や「りんご」など果物の名前をつけられた。
まだ産まれたばかりで、預かりボランティア宅でミルクを与えられて育った。こうした生後間もない子猫を育てるのは非常に難しく、授乳から離乳食に移行するまでの間に死んでしまうことも少なくないという。
幸い4匹は、すくすくと育ち、2カ月後には譲渡会に出られるまでに成長した。
目にとまった猫は人気者だった
奈良県に住む川下さん一家は、そろって大の猫好き。初めての猫を飼おうとペットショップにも行ったこともあったが、保護猫を譲渡してもらうと決め、インターネットを検索して、保護団体「ワンハート大阪」にたどり着いた。そこで紹介されていた「いちご」ちゃんたちに目がとまったという。
「我が家は共働きで留守番が多いので、猫を飼っている人から『人間のためにも猫のためにも多頭飼いのほうがいい』と言われ、多頭飼いすることにしていました」
最終的には、実際に猫に会ってから決めたいと思っていた川下さん。「翌月の譲渡会に行けたらいいな」とのんびり構えていたのだが、ある譲渡サイトにいちごちゃんたちが掲載されているのを見て驚いた。サイトには問い合わせやエントリー数が表示されており、とても人気だったのだ。
川下さんは、すぐにワンハート大阪に電話して、「キジトラのいちごちゃんとりんごちゃん、茶トラのたみちゃんのうち、どの子にしようか迷っている」と素直に伝えた。だが、すでにりんごちゃんは里親が決まりかけていた。
譲渡からあっという間の1カ月
そこで、自宅にいちごちゃんとたみちゃんを連れてきてもらって面談し、そのまま引き取ることを決めた。2018年8月のことだった。たみちゃんは「タルト」と改名した。いちごちゃんは探究心旺盛でツンデレ、タルトちゃんは少し怖がりで、それぞれ性格が違った。
なんといっても初めての子猫との暮らし、どう育てればいいのか迷うことがいっぱいだった。落ち着くまでの間、あっという間に1カ月が過ぎていったという。
「どれくらい遊んであげたらいいのか、放っておけばいいのかということさえ分かりませんでした。猫風邪で初めて動物病院に連れて行ったのですが、子猫なのに想像以上に医療費がかさんでびっくり!。でも、毎日ものすごく幸せなんです」
我が子のように子猫たちを育てた川下さん。猫を飼う人たちが言っていた「猫のいない生活は考えられない」という言葉の意味を実感しているという。
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「いちご」「タルト」のインスタグラム
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