ピアスグループ、2018年度で化粧品などの動物実験を廃止へ
12月7日、JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会(CFB)」は、イミュ、ケサランパサラン、カバーマークなどのブランドを擁する化粧品大手企業ピアスグループ(本社:大阪市)を訪問し、専務らと会談に臨み、同社から「2018年度末(2019年3月末日)をもって化粧品および医薬部外品の動物実験を廃止する」という決定を引き出しました!
2013年、JAVAはピアスグループを含む19の化粧品メーカーに対して、動物実験の有無を問う公開質問状を送付しましたが、ピアスグループはそれを無視(JAVAのサイト参照)。今年6月にCFBが単独で公開質問状を送りましたが、これに対しても回答はなく、電話での問い合わせに対しても「回答するつもりはない」と拒否していました。一方、一般消費者の方には、医薬部外品の有効性確認のために動物実験を行う可能性があると回答していることがわかりました。
そこでCFBは、2018年9月1日からオンライン署名サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)で化粧品及び医薬部外品の動物実験廃止を求めるキャンペーンをスタート。署名に賛同し、声を上げてくださった皆さんの力が原動力となって、ピアスグループは私たちの働きかけに応じ始め、社内でも役員をはじめ全部署を通じて、廃止に向けた真剣な協議が始まったとのこと。
特に、10月19日に行われた初回の話し合いの場で21,166筆の署名とChange.org上で寄せられたすべてのコメントを提出した以降は、動物実験をせずに安全性を評価するための技術的なロードマップの調整が連日のように続いたといいます。
そして12月7日、再び開かれた会談の場で、「一刻も早く廃止を」という私たちの要望を受け入れ、最終的に今年度をもって廃止するという経営判断が下されました(※ただし、医薬品分野での動物実験は継続するとのことです)。
会談では、特に同社が創業当時から開発を続けている、アザ・傷跡・皮膚の変色に悩む方々向けの化粧品について、通常の化粧品に比べて安全性評価の面で慎重にならざるを得なかった、そして今後も技術的課題に直面する可能性もあり、困難な判断であったという説明がありました。
私たちのところには、同様の悩みをお持ちの方からも「動物実験は望まない」という声が届くことがあります。ピアスグループの決定によって、さまざまなニーズを持つ消費者が動物を犠牲にしない商品を選択できる幅が広がったことを、私たちは歓迎いたします。
署名にご賛同くださった皆さま、シェアしてくださった皆さま、声を届けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
なお、CFBを構成する3つの団体(ARC、PEACE、JAVA)は、キャンペーンの最中である10月10日、「ピアスグループ中央研究所」(神戸市)が、動物実験を行っているにもかかわらず、兵庫県の条例で義務付けられている施設の届け出を長期間にわたって怠ってきたことが判明したため、兵庫県条例違反(第25条1項及び第39条2項(3)号)で兵庫県警察神戸西署に刑事告発しました。キャンペーンは、同社の「動物実験に関する方針」の公表をもって終了しましたが、本条例違反については捜査機関の手に委ねることとしました。
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