猫のトイレ失敗 身辺の変化や体調など、よく観察して対応を

トイレ周辺でだけ失敗の場合、便秘の可能性も
トイレ周辺でだけ失敗の場合、便秘の可能性も

Q:去勢済みの雄猫が昨年冬ごろから、時々ウンチを失敗するようになりました。以前は猫用トイレでちゃんとできていたのに、トイレ近くの床の上や私の布団にしてしまうのです。(東京都・女性)

A:マーキングだったり、トイレに不満があったりする場合も

 猫用トイレの周辺だけにしてしまうのなら、便秘かもしれません。トイレで踏ん張っても出きらず、トイレから離れて歩いている途中で、コロリと落ちてしまうというパターンです。特にその糞(ふん)が硬い場合には、便秘を疑ってみましょう。

 猫では、巨大結腸症による便秘が起こりやすいという報告もありますし、ほかに肛門(こうもん)周辺などに異常がある時にも便秘になります。症状が続くようなら、動物病院で検査してもらったほうがいいでしょう。

 一方で今回のように、飼い主さんの布団などトイレとは関係のない、目立つ場所にも普通の糞をしてしまうケースでは、いくつかの可能性を検討する必要があります。まずはマーキングです。近所に野良猫が現れるなどして、縄張りを主張したい気持ちが強まったのかもしれません。

 またよくあるのが、トイレの状態や場所が気にくわないというもの。トイレの掃除を頻繁に行ったり、猫がよく糞をする場所にもトイレを置いたりすると、解決することがあります。布団の上を好んで糞をしているのなら、似たような材質の布をトイレに敷いてあげるのも手かもしれません。

 いずれにせよ、どういう時にトイレ以外の場所でするのか、猫の周辺で何か変化はなかったか、ほかに体調の変化がないか――などよく観察し、対応してあげましょう。それでも解決策を見いだせない場合には、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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この連載について
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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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