育児放棄で保護されたマルチーズ　新たな家族に迎えました

　パーソナルスタイリストとして活躍する大日方久美子さんが、元繁殖犬のキャンディ、元保護犬のJIROとヴィヴィアンとの日々をつづります。この夏、家族がもう一人、増えました！

（末尾に写真特集があります）

　こんにちは。大日方久美子です。

　インスタグラムを見てご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、８月１日、わが家に新しい家族が増えました！

　新入り君の愛称は「ムーちゃん」といいます。保護してくれた団体の方が名付けてくれた「政宗（まさむね）」という名前をそのまま受け継いだので、正式には大日方政宗です。私たちがフォスター（一時預かり）として預かり始めたのは７月７日だったのですが、「ムーちゃん」と呼ぶと、もう、自分のことだってわかっているんですよ！

　ムーちゃんは11カ月のマルチーズの男の子。聞けば、もとの飼い主は若い女性で、育児放棄されて保護されたそうです。体にIDチップが入っていたので、その人に連絡したけれど、音信不通になってしまったと。

　私が団体の方からこの子が保護されたことを知ったとき、「伸びきった毛をカットしてあげたい」とおっしゃられていたことと、その日がちょうどうちの３匹のトリミングの日だったことが重なり、ムーちゃんも一緒に連れていくことにしたんです。終わったのが夜になってしまったこともあり、そのままわが家で預かり、フォスターを経て、正式に家族として迎えいれることにしました。

　来た当初のムーちゃんは、ビクビクおどおど。抱っこされるのも怖かったようですし、男の人が怖いのか、彼にも近寄れなくてワンワン吠えていました。ゴハンもろくに食べられないほどでしたが、慣れるのはあっという間ですね。

　多頭飼いとなると気になるのは先住犬との相性ですが、これが、あまりにもみんなと仲良しでびっくりなんです！ 幼いムーちゃんが来たことで、ヴィヴィアンはお姉さんになってしっかりしちゃうし、年も近いせいか、ずーーっと２匹仲良く遊んでいます。

　子どももそうですが、同い年くらいの子が来ると、初めて会ったのに意気投合して一緒に遊ぶじゃないですか？ まさにあんな感じです。そうすると、キャンディ＋JIROの「大人チーム」は静かにくつろぐことができる。すごくいいバランスになりました。

　あるときムーちゃんが花瓶からお花を引っ張り出してきて、部屋で大暴れしていたこともあったんですが、「ダメ」と言えばすぐ理解してくれる子でした。ムーちゃんは甘えん坊で、ものすごく人なつっこい子！ はっきり言って、育児放棄される要因なんてゼロです。

　でもね、ヴィヴィアンみたいな捨てられ方ではなくて、まだ良かったと思うんです。ヴィヴィアンはゴミ袋に入れられて捨てられ、餓死寸前。ほぼ「殺された」ような状態だったので……。ムーちゃんの場合は、飼い主さんが手放しただけにとどまって良かったと。

　誤解を恐れずに言うならば、保護犬を引き取ることの良い点として、「飼う前にトライができる」があります。トライアル期間があるので、先住犬がいるなら相性を見られるし、人も犬もお互い確認ができます。

　犬を飼えるかどうか不安だけれど、少しでも保護犬に興味をもってくれる人がいたら、フォスターだけでもやってもらいたいなと思います。里親が見つかるまでの間、ゴハンやお散歩などで面倒をみることをしてみませんか？

　これまでムーちゃんは、お散歩をしていなかったのかもしれません。リードを付けようとすると逃げるし、外でおしっこやうんちができないので。“お散歩”がどういうものなのか知らないのかも。トイレシーツの上でも無理。だからヴィヴィちゃんと一緒にトレーニングですね。家族みんなでがんばります！

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