尿漏れする高齢犬 病気やホルモン、ストレスが原因のことも

犬の「尿もれ」、まず獣医師に相談を
犬の「尿もれ」、まず獣医師に相談を

Q:13歳になる雌の北海道犬を飼っています。5歳になった頃から、尿もれが始まりました。寝転んだままもらし、お尻や尻尾がびっしょりに。朝夕の散歩ではしっかりおしっこをします。(京都府・女性)

A:脊髄やホルモンが原因の可能性も

 意識的におしっこをコントロールできず、適切な姿勢をとらないまま尿を排出してしまうことを、「尿失禁」と言います。後ろ脚や尻尾のあたりがいつもぬれた状態になることが多く、悪臭の発生や皮膚病をともなうこともあります。

 椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどによって脊髄(せきずい)や骨盤の神経に障害があったり、結石などによって尿路が詰まっていたり、別の病気が原因になることがよくあるので、まず獣医師に相談することが重要です。もとになっている病気の治療につとめつつ、手で膀胱(ぼうこう)を圧迫したりカテーテルを使ったりしながら排尿を促してあげることで、改善が見られる可能性があります。

 尿失禁以外の異常が見られず、診断が難しいケースもあります。ホルモン反応性尿失禁がその一つ。性ホルモンの失調によって起こると考えられています。不妊・去勢手術を済ませた高齢の犬で多く、猫や1歳未満の犬でもまれに起こります。意識的におしっこすることが可能なのに、リラックスしている時や眠っている時に、時々おもらしをするのが特徴です。

 ホルモン反応性と区別がつきにくい、ストレス性尿失禁と呼ばれるものもあります。ストレスがかかるとおもらしをするわけですが、日常的な検査で異常は出ません。これらの尿失禁の場合、薬剤の投与が有効なこともありますが、副作用が出るリスクもあります。慎重な診断のうえ、治療をすすめてください。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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