8週齢規制、繁殖業の免許制… ペット流通の規制求め、集会

約300人が参加した緊急院内集会。著名人や国会議員から第1種動物取扱業の規制強化を求める発言が相次いだ(主催者提供)
約300人が参加した緊急院内集会。著名人や国会議員から第1種動物取扱業の規制強化を求める発言が相次いだ(主催者提供)

 俳優の浅田美代子さんらが中心となって21日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で、「8週齢規則、各種数値規則、繁殖業の免許制を求める緊急院内集会」が開かれた。今年が5年に1度の動物愛護法改正の年にあたることから、ペットショップや繁殖業者などを適正化するために優先度の高い三つの規制を実現しようと訴えかけるもの。与野党の国会議員や動物愛護団体の代表、一般市民ら計約300人が参加した。

 集会を呼びかけた浅田さんは冒頭、自身が目の当たりにした劣悪な繁殖業者の実態などを、現場の写真を紹介しながら報告。そのうえで「悪質な業者のもとにいる犬や猫たちを助けるためには8週齢規制、各種の数値規制、そして繁殖業の免許制が最低でも必要です。8週齢規制などの各種業者規制には一部の国会議員が反対していますが、今回これら三つの規制が実現しないとすれば、日本は最悪の国になってしまいます」などと訴えた。

「8週齢規制をはじめとしたこの三つの規制が、命を守るために絶対に必要です」などと訴えた世良公則さん(主催者提供)
「8週齢規制をはじめとしたこの三つの規制が、命を守るために絶対に必要です」などと訴えた世良公則さん(主催者提供)

世良さん「多くの命が粗末に扱われている」

 この集会には全国の124の動物愛護団体が賛同しているほか、著名人も多数参加した。

 音楽評論家の湯川れい子さんは、「法律さえきちんと決めれば、日本は、先進国のなかでも動物愛護についてリーダーシップを取っていけるはずだ。しかし三つの規制が実現しない限り、日本は劣悪な状態のまま東京五輪を迎えざるをえなくなる。そんな国であることを、私はとっても恥ずかしく思います」と発言。ミュージシャンの世良公則さんは「劣悪な環境で、命を命と思わない人たちによって、多くの命が粗末に扱われている現実がある。我々のパートナーたちを守るために、この三つの規制は絶対に必要です。(改正案を成立させるためには、賛成する議員の〝数〝が重要であり、その数を増やすためには)誰が改正案に反対しているのかを明らかにするべきだ」と強く訴えた。

 また、自身も保護犬を飼うなどの活動をしているプロ野球解説者の門倉健さんも「劣悪な業者の画像を見ているだけで涙が出てしまう。8週齢規制など業者への規制をしっかりしていかないと、犬たちの幸せはない」と話した。

 国会議員は約20人が参加。務台俊介・衆院議員(自民)は「欧米では犬や猫が繁華街で売られるなんてことはない。我々の常識と世界の常識が食い違っている。この差を縮めていくことが政治家の責任だ」と発言。生方幸夫・衆院議員(立憲)も「8週齢規制を法律に盛り込むよう要請していく。繁殖業の免許制も実現したい」などと強調し、森本真治・参院議員(国民民主)は「特に優先度の高い三つの規制は、当然しっかりと実現できるようにする」と話した。

 また超党派の国会議員で作る「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の会長を務める尾辻秀久・参院議員(自民)からは「動物愛護法の改正が実効性を持ち、より幅広い動物たちを守ることができる法律にしなければならないと思っています」などのメッセージが寄せられた。

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