山育ち、インスタで大人気の猫「くまお」 保護活動にも協力
インスタグラムで人気を博し、雑誌の猫特集では表紙を飾るなど、いま注目が集まっている保護猫のくまお。偶然の出会いから意外な素顔など、飼い主の鎌田さんにお話を伺いました。
◆山で保護された猫のくまお
── くまおとは里親募集サイト『ペットのおうち』をきっかけに出会ったそうですね?
ある日、単身赴任をしているくまお父(インスタグラムでの愛称 / 鎌田さんのご主人)から「スゴいのがいる!」ってURLが送られてきたんです。それまでもさまざまな里親募集サイトで猫を見てきたんですが、そのくまおの写真を見た瞬間、なんだこれ!?って(笑)。すぐに問い合わせて、会いに行ったんです。
── くまおはどこで保護されたんですか?
横須賀の山です。T.N.R.活動(※1)をしている団体『湘南ほっとさぽーと』さんが去勢手術を行うために保護したんですが、お腹をあけてみたらくまおは重度のヘルニアだとわかって。ヘルニアの手術後の安静期間中に「お試しで里親募集をしてみよう」とサイトに掲載したそうです。私が問い合わせをしたのは、その3日後でした。
※1「飼い主のいない猫」に対しTrap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す、その印として耳先をさくらの花びらのようにV字カットすること。
── 鎌田さんのインスタグラムを遡ると、くまおを引き取る以前にも猫を飼われていたようですね。
“みうさん”という名前の子と16年ほど暮らしていましたが、彼女は病気で亡くなったんです。最期は私がひとりで看取ったんですが、介護生活があまりにもつらくて。お別れがきたとき、もう一生猫は飼えないってひどく落ち込みました。
── ペットロスからはどのように立ち直ったんでしょうか。
くまお父が言ってくれた「猫が飼える環境にいて、1匹でも助けられる猫がいるなら“飼う”というのもひとつの選択肢なんじゃない?」。その言葉にはっとしました。ひとりで悲しんでいても、きっと1年経っても2年経っても悲しさは変わらない。でも再び猫を飼うという選択をすることで、私も楽しいし、猫ちゃんの楽しい暮らしの手伝いもできるって。
◆ゆっくり一歩ずつ。慣れるまで待つよ
── 鎌田さんのうちに来たばかりのくまおは、ソファの下に隠れて出てこなかったそうですね。
はい…。1ヶ月ほど。私がお風呂に入っている隙に、くまおはトイレをこそこそっと済ませて、それ以外はソファの下に。くまおの全貌もわからないし、どういうボディなのかもずっとわからないままでした。
── くまおが慣れるために何かされたんですか?
焦らずにやるしかない、と。ソファの下にいますが、ねこじゃらしで遊んだりしていました。今でこそ撫でられるのが大好きになったくまおですが、まだ苦手なことも多いんですよ。
── がっちりとした見た目と違って意外と猫らしいというか…。
ギャップばかりなんです。この風貌なのに声が高かったり、超ビビりだったり(笑)。筋肉質なのに運動が苦手で、テーブルの上に乗るのが精一杯。山育ちなのに、外へも出たがらないんですよ。
◆人生を変えてくれた、くまお
── 鎌田さんはくまおグッズの販売を通して動物愛護団体へ寄付をするなど、ボランティア活動をされています。最初に鎌田さんがされた活動は何だったんでしょうか。
2016年1月に『くまお くまおが山からおりてきた』という小さな本をつくり、その利益を全額、動物愛護団体へ寄付しました。
── 本の2号目、グッズの販売、その年の秋には個展『くまおが山からおりてきた 秋場所』もされました。
フォロワーさんや支援してくださる方に、感謝の気持ちを直接伝えたかったので、実際に会える機会をと思いまして。実際に来場者のみなさんとお話ししてみて必ず聞かれたのは「くまおさんは本当に小さいんですか?」でしたね(笑)。
── 今後もボランティア活動は続けていこうと?
はい。個人でやれる範囲ですが、少しずつ長く続けていきたいと思っています。それに、くまおみたいなタイプはペットショップでは出会えないので、そのおもしろさをインスタグラムやツイッターから伝えられたらいいですね。
※2017年8月5日(土)より、キディランド大阪梅田店で『くまおが山からおりてきた展 大阪場所』が開催されます。
── 鎌田さんにとってくまおはどんな存在なんでしょうか?
“福猫”だなって思いますね。くまおがうちに来てくれたことで、私もくまお父も幸せです!
(小見山友子)
鎌倉・逗子・葉山は神奈川県動物保護センターが所管する区域(横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市及び藤沢市を除く県全域)で、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を推進している。
HP:https://nekohotspprt.jimdo.com/
新たな飼い主を待っているペットが一匹でも多く、新しい"おうち"で幸せな生活を送ることができるよう、Webプロデュース会社の株式会社Easy Communicationsの放課後プロジェクトとして2011年7月より運営を開始。事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている人が交流できる場所。
HP:http://www.pet-home.jp/
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