ビビり猫が落ち着くエリザベスカラー 馬のアレの効果に似てる?

カラーを静かに受け入れるモモ
カラーを静かに受け入れるモモ

 以前、猫たちの去勢手術後につけたエリザベスカラーについて書いたことがありました(関連記事参照)。普通に暮らしている猫にとっては無縁ですが、キジトラ猫モモにとっては、その後もたまにエリザベスカラーが必要になることがあります。


 というのもモモは、「過剰グルーミング」をしがちな猫。かゆみや違和感から身体の同じ部分をなめたり、もしくは特に異常がないのに、神経質な性格ゆえ、気持ちを落ち着かせるために過剰になめてしまうことがあるのです。


 夫が“免疫抑制剤”なる薬をモモにやったところ、完治したように見えたので、薬をやる間隔をあけてみたら、ほんのわずかな間にお腹の一部分が赤くなってしまいました。


 エリザベスカラーはモモのストレスになるので、なんとかカラーなしで治らないものか……と様子を見ていましたが、良くなる兆しが見えないので、仕方なく装着することに。カラーをつければ、塗り薬も併用できるので、早めの完治が期待できます。


 モモは、元々動きの少ない猫ですが、カラーをつけるとより動かなくなります。視野が狭くなるので歩くのもフラフラしているし、トイレにも入りにくそう。気の毒なので、朝晩のごはんの時間10分間くらいは、カラーから解放します。


 すると、ごはんそっちのけで、身体をなめまわします。食いしん坊のモモですが、身体をなめられるわずかな時間も無駄にしたくない!といったところなのでしょうか。


 この時間は、目を離すことはできません。せっかく治ってきたお腹をなめたとき、2回までは「ダメよ」と注意するだけですが、3回目はカラーの強制装着となります。


 すると、モモは「やっぱりだめか……」とばかりにガッカリしつつも、カラーを受け入れてくれます。


 カラーを付けたモモには、いくつか変化があります。まずは、寝床が変わること。いつもは、もう1匹の猫「あんず」と一緒に寝たり、私の近くで寝たりしようとするのに、カラーを付けると身を隠すようにテーブルの下で眠ります。なんだか気の毒……。


 二つ目は、単独行動になること。モモは、自分の身体だけでなく、あんずの毛づくろいも好きなので、カラーを付けたままあんずをなめようとしますが、あんずは2なめされたくらいで嫌がって逃げてしまいます。


 すると、モモはしょんぼりしながら、自分の身体をなめようとします。カラーをしていてもギリギリなめられる尻尾や足の先っちょをなめて、また寝るしかありません。あんずと一緒にいられないことが、モモにとって一番辛いことのように見えました。


 三つめは、唯一良いことなのですが、ちょっとだけ鈍感になります。まず爪切りを怖がらず、応じてくれるようになります。そして、身体を“コロコロ”するのも受け入れてくれます。


 “コロコロ”というのは、部屋を掃除する粘着テープの器具で、モモの身体をコロコロして毛を取ること。これ、あんずは大好きで、「やって」とせがむほどなのですが、モモはいつもは“コロコロ”を見せただけで逃げてしまいます。


 しかし、カラーをつけて、“コロコロ”の実態が見えなくなると怖さが半減するのか、気持ちよさそうにしてくれます。


 モモは“コロコロ”の感触は嫌いじゃないのに、極度のビビりの性格ゆえ、嫌がっていたということが分かりました。


 カラーを付けると、ちょっとした物音にもそれほど驚かなくなります。いつもビクビクしている状態が、少しだけ落ち着くのです。


 モモにとって、もちろんカラーはストレスですが、“鈍感”になることは、決して悪いことではいように見えます。まるで競走馬の視野をさえぎるアレ(ブリンカーというらしいです)のような、余計な心配をしなくて済む道具でもあるのかもしれません。


(ヤスダユキ)


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