獣医ってどんな仕事? 学部が半世紀ぶりに新設されるって?
■全国に4万人。ペット診療が4割、家畜を診る人なども
Q 獣医さんはどんな仕事をしているの?
A 身近なのは、犬や猫などペットを診るお医者さんだよね。獣医師は全国に4万人近くいて、その4割近い約1万5千人がペットの診療をしているんだ。
Q ほかの仕事は?
A 牛や豚などの家畜を診る産業動物獣医師、鳥インフルエンザや口蹄疫などの伝染病予防や食の安全のために働く公務員の獣医師、製薬会社などで実験動物を管理して新薬開発を手がける獣医師、大学の先生などもいるよ。
Q 獣医師になるには、どうすればいいのかな?
A 大学で6年制の獣医師養成課程を卒業し、国家試験に合格しなければならない。全国で16大学に獣医師を養成する学部や学科などがあり、定員は計930人だ。ただ、多くの大学は定員を上回る学生数を入学させていて、毎年1千人前後の獣医師が誕生している。人気は高く、入試の倍率は5~10倍ほど。私立大学の場合、年間200万円前後の学費がかかるんだ。
Q 狭き門だね。
A 獣医学部ができたのは、1966年の北里大が最後なんだ。それから約半世紀、文部科学省は新設を認めてこなかった。2003年には、新設を認めないという告示まで出した。
Q なぜ認めないの?
A 獣医師の人数が増えすぎないようにするためだよ。医師や歯科医師、船舶職員を養成する学部・学科の新設も同じような理由で規制されているんだ。
Q でも、獣医学部が新しくできるって聞いたよ。
A 安倍政権は、地域を限って規制を緩める「国家戦略特区」の中で、特例的に新設を認めることにした。特区の事業者に学校法人「加計(かけ)学園」が応募し、同学園が運営する岡山理科大学が愛媛県今治市に獣医学部をつくる計画が認められた。来年4月の開学をめざしていて、文科省が審査しているんだ。
(岡崎明子)
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