あやしい荷物、見つけ出すワン! 大忙しの「検疫探知犬」
中国からの渡航者が持ち込もうとした肉から高病原性鳥インフルエンザウイルスが見つかった。空港などの検疫の現場では、犬を使った水際対策などが取られているが、没収できるのはごく一部とみられる。
3月上旬、羽田空港国際線ターミナルの入国検査場。上海と北京からの便が到着すると、動物検疫所羽田空港支所の本田省吾・家畜防疫官(33)が、検疫探知犬を連れて回った。犬が渡航客の荷物をかぎ分けながら進むと、若い男女の荷物を載せたカートの前で止まり、静かに座った。「発見」の合図だ。
別の防疫官が窓口まで案内し、四つのトランクを開けると、ソーセージや豚肉などが出てきた。法律で許可のない輸入は禁じられており、その場で没収。同支所の角田隆則次長は「トランク一つ分持ち込もうとして没収される人もいる」という。税関の検査で持ち込みがわかった肉類もあった。ただ、犬がチェックできるのは一部で、中身のわからないまま通過する荷物が後を絶たない。
すべての便に対応するのは難しく、探知犬を使うのは鳥インフルが報告される中国などリスクの高い国からの便が中心。禁輸品が見つかるのも中国からの便が最も多いという。日本で生活している人が帰郷した時に本国から持ち帰ったり、日本にいる家族や友人に土産で持ってきたりするケースのほか業者が食材として大量に運び込もうとすることもある。旅行客の荷物から見つかることもあるという。
2012年に約840万人だった訪日外国人数は、16年に約2400万人に。それに伴い、訪日客の携行品から見つかる輸入が禁止された畜産物の件数も急増している。角田次長は「流入を100%食い止めたいが難しい。様々な対策を講じてリスクを下げていくしかない」と話す。
(小川裕介、香取啓介)
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