フレンチブルドッグの病気の考え方 8つの身体のつながり
パティ動物病院がフレンチブルドッグの病気を治す上で心がけているのが、「身体全体」のつながり。例えば、耳の病気を放置しておくと、顔が傾いたり、脳に炎症が起こるなど怖い病気につながってしまう。これは、耳と脳がとても近い位置関係にあるからだ。つまり、患部だけを治療しても完治するわけではないというのが、パティ動物病院の東皇記院長の考え方だ。
8つの身体のつながりと 病気の関連性
呼吸器と歯の問題の関係
フレンチブルドッグは、歯が骨の中に埋まってしまう埋伏歯(まいふくし)になる子が多い。埋伏歯は大きな袋状の塊をつくり(歯原性嚢胞と呼ばれる)、この塊が鼻の通りを邪魔して呼吸しにくい状態になってしまう。これを防ぐために、歯科用のレントゲンを撮るようにしよう。避妊手術や去勢手術のついでにお願いするとスムーズかもしれない。底することで皮膚トラブルを緩和させることができるかもしれない。
呼吸器と消化器の問題の関係
鼻でうまく呼吸ができないフレンチブルドッグは、頻繁に口呼吸をするため、たくさん空気を飲みこんで胃の中や腸に大量のガスが溜まってしまう。これにより、さまざまな消化器の問題がおきやすいことがわかっている。少しでも鼻呼吸を楽にさせてあげるために、鼻の穴を広げる「鼻腔狭窄症」の手術を考えるのもひとつの手だろう。
耳と呼吸器の問題の関係
フレンチブルドッグは耳の問題が起こりやすく、治りにくい。さらに再発しやすいので、頭を悩ませる飼い主も多いだろう。これには、呼吸器の問題が大きく関係しているそうだ。
耳と神経(脳)の関係
耳と脳は非常に近い位置関係にあり、耳の問題が起きると、頭が傾いてしまったり、顔の麻痺がおきたり、脳に炎症がおこったりと、怖い問題につながってしまう。むやみに耳掃除をしたり、反対におこたっても危険なので、獣医師やトリマーなどのプロにお願いするようにしよう。
皮膚と精神の問題の関係
フレンチブルドッグは皮膚が弱い子が多く、さまざまな問題が起きやすい。例えば肢(手足・脇や股)を舐める問題の9割は、感染症と炎症に対する治療で治るが、残り1割は気持ちに対するケアが重要になる。日常的に明るい陽気な子ほど、実は気持ちをうまく整理できず、皮膚のトラブルを自ら悪化させてしまうことがあるそうだ。体を清潔に保ち、炎症がおきたらすぐに病院へ連れていくことは重要だが、日常のメンタルケアを徹底することで皮膚トラブルを緩和させることができるかもしれない。
皮膚と目の問題の関連
フレンチブルドッグの目の問題は、皮膚の一部である「まぶた」を正常な状態に治さないと完治はむずかしいそうだ。なぜなら、目の表面を潤すための3つの成分(涙、目やに、油)が、まぶたという皮膚の一部から出ているから。食後や寝る前など、なるべく頻繁に顔を拭いてあげるようにしよう。
皮膚と神経の問題の関連
フレンチブルドッグが手足を舐めたり、身体をかいている姿勢を思い出してみよう。極端に身体を曲げているのがわかるはずだ。これらの動作は椎間板ヘルニアをおこすひとつの要因になる。皮膚問題をやわらげることで、神経のトラブルを防ぐことにもつながるのだ。
神経、筋肉、骨、関節の問題
フレンチブルドッグはヘルニアになりやすいからジャンプさせてはいけない、階段の昇り降りをさせてはいけないというような言葉をよく耳にする。もちろん極端な運動はよくないが、適切な運動で筋肉を鍛えることにより、骨や関節の負担を大幅にへらすことができる。関節に溜まりやすい老廃物は、運動をして血行の循環が良くなると、減っていくことがわかっている。愛犬の状態・外の気温に気をつけながら、できるだけ運動をさせるようにしよう。
身体全体のつながりを意識すれば、病気は治りやすくなる
フレンチブルドッグの病気は治りにくいと言われているが、身体全体の問題として考え、治療していくことにより、良い結果が得られることが多いそうだ。患部だけにとらわれず、身体全体を見ることで、病気の回避や緩和につなげよう。
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