東山のちょいワルベンガル 喫茶店の看板猫
京都観世会館の並び、琵琶湖疏水の流れる向かいに喫茶店「和蘭豆(ランズ)」がある。童話に出てきそうな蔦の絡まる洋館では、由緒正しい血統のベンガル猫・レオ(14歳♂ )と元ホテルマンのマスター・石橋隆吉さん(74歳)が迎えてくれる。
レオは若い頃から喧嘩好きのワイルドな性格で、取材時も右目を負傷していた。立派な骨格と筋肉、気品と風格ある存在感は近所の猫たちに一目置かれているであろうと想像する。しかし、喫茶店の中では一変して甘えん坊。優しいマスターに何をされても身を任せて、大好物のミルクをおねだり。お客さんにはカワイイカワイイと言われて撫でられて、まんざらでもないすし顔だ。
1979年、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが座ったカウンターに座っていただく珈琲とケーキは、今時のカフェでは中々味わえない奥深い趣(おもむき)がある。西洋の家具に囲まれて、ベンガル猫を撫でながら珈琲を飲んでいると、和装のお客さんが来店した。聞けば、「和蘭豆」を支える常連さんは能楽師、狂言師などの人間国宝が多いという。そうだった、ここは京都だったんだ、と思う。
(取材・芳澤ルミ子)
喫茶店「和蘭豆」
●京都府京都市左京区岡崎円勝寺町23-4
●TEL 075-751-7430
●営業時間/12:00~18:00
●定休日/月曜
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猫専門誌「猫びより」(辰巳出版)から提供された記事を集めた連載です。専門誌ならでは記事や写真が楽しめます。
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