東山のちょいワルベンガル 喫茶店の看板猫

珈琲の香りに包まれて。かつて、スーパースターが座ったカウンターでミルク待ち
珈琲の香りに包まれて。かつて、スーパースターが座ったカウンターでミルク待ち

 京都観世会館の並び、琵琶湖疏水の流れる向かいに喫茶店「和蘭豆(ランズ)」がある。童話に出てきそうな蔦の絡まる洋館では、由緒正しい血統のベンガル猫・レオ(14歳♂ )と元ホテルマンのマスター・石橋隆吉さん(74歳)が迎えてくれる。

喫茶店入口にてパトロール出勤前のレオ。この品格、ちょいモテどころじゃないはず
喫茶店入口にてパトロール出勤前のレオ。この品格、ちょいモテどころじゃないはず
マスターと遊ぶ時間が大好き。「こんな姿、外の猫に見せられないにゃあ!」
マスターと遊ぶ時間が大好き。「こんな姿、外の猫に見せられないにゃあ!」

 レオは若い頃から喧嘩好きのワイルドな性格で、取材時も右目を負傷していた。立派な骨格と筋肉、気品と風格ある存在感は近所の猫たちに一目置かれているであろうと想像する。しかし、喫茶店の中では一変して甘えん坊。優しいマスターに何をされても身を任せて、大好物のミルクをおねだり。お客さんにはカワイイカワイイと言われて撫でられて、まんざらでもないすし顔だ。

ブレンド珈琲500円/チーズケーキ450円。特別な空間でいただく格別な味わいに、思わず舌鼓を打つ
ブレンド珈琲500円/チーズケーキ450円。特別な空間でいただく格別な味わいに、思わず舌鼓を打つ

 1979年、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが座ったカウンターに座っていただく珈琲とケーキは、今時のカフェでは中々味わえない奥深い趣(おもむき)がある。西洋の家具に囲まれて、ベンガル猫を撫でながら珈琲を飲んでいると、和装のお客さんが来店した。聞けば、「和蘭豆」を支える常連さんは能楽師、狂言師などの人間国宝が多いという。そうだった、ここは京都だったんだ、と思う。

お気に入りのバスケットで、お客さんのアカデミックな会話に耳を澄ます
お気に入りのバスケットで、お客さんのアカデミックな会話に耳を澄ます

(取材・芳澤ルミ子)

喫茶店「和蘭豆」

●京都府京都市左京区岡崎円勝寺町23-4
●TEL 075-751-7430
●営業時間/12:00~18:00
●定休日/月曜

辰巳出版が隔月で発行している猫専門誌です。猫愛にあふれる企画や記事の質に定評があります。

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