多頭飼育崩壊から実験動物まで 大学で動物について考える部活動
飼育員やドッグトレーナー、ペット関連企業など、動物に関わる職業を志す学生が通うアニマルサイエンス学科がある帝京科学大上野原キャンパス(山梨県上野原市)。人間と動物がより良く共存できるように活動しているのが「SWEET HEART~動物の命の大切さを考える部~」だ。
実験動物、飼育放棄、野生動物、動物園展示……テーマごとに八つの班があり、勉強会のほかフィールドワークも行っている。
「実験動物班」は、医薬品の開発や研究などで使われる実験動物について、中立の立場で調べる。班長の真野一女奈(ひめな)さん(3年)は、幼い時に読んだ、実験動物になった犬の絵本がきっかけでこの班を選んだ。「シャンプーなどの開発でも動物たちが力になってくれていることがわかりました」。日本での実験動物は減っているものの、欧米と比べると、まだ減らせるのではないかという。
「Protect Animals Life」を略した「PAL班」は、飼育放棄問題に取り組み、動物収容施設の見学などをする。「1日でたくさんの動物が殺されていることを知りショックを受けた」と班長の高橋留衣さん(3年)。大学入学前は飼育員をやりたいと思っていたが、処分されるのは犬より猫が多いことを知って、猫のもらい手を探すことができる「保護猫カフェ」を開きたいと考えるようになったという。
「多頭飼育問題解決班」は、十数年前に都留市内で多数の犬を不衛生な環境で飼って問題となった件で、いまも残る数匹の犬を世話するボランティアの手伝いなどを続けている。
部員のほとんどが班を掛け持ち。人の生活を支えている動物たちの幸せを、現場から考えている。
(中沢滋人)
大沢みらの代表/部員123人(4年生10人、3年生16人、2年生30人、1年生67人)
■こだわりアイテム
<スマートフォン、デジタルカメラ> 視察や活動の記録を残すために必須。撮った画像は部員同士の勉強会で使用するほか、部のサイトや班ごとのブログなどで発信している。
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