その血は犬?猫?血液鑑定をDNAで 識別法を開発
事件現場に残された血痕が、人間のものか動物のものか。動物なら、どんな動物か――。兵庫県警科学捜査研究所研究員の石田なつみさん(34)は、DNAの特性を生かし、イヌやネコなど9種類のうち、どの動物の血液なのかを素早く識別する手法を開発した。「事件解決につながれば研究者冥利(みょうり)に尽きる」と話す。
大学・大学院では細胞の研究に取り組んだ。2007年、ドラマの影響で興味があった科捜研に入り、DNA型鑑定などを担当してきた。
血液や毛など遺留物の鑑定は、人間のものかどうかを見分けることが最重要。人間以外ならそこで鑑定の手を止めていた。ただ「車でネコをひいたという容疑者の供述を裏付けたい」と動物の特定を望む捜査員もいる。そうした声に応えようと、科捜研の鑑定機材を使っての識別手法の研究を開始。研修制度を利用して昨年4月からは半年間、業務を離れて研究に打ち込んだ。
識別対象に選んだのは、身近な動物であるイヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、ヒツジ、ウマの9種類。2重らせん構造のDNAは、熱を加えるとほどけて1本になる。DNAの長さや配列によってそうした現象が起こる温度が異なることを利用し、動物を識別する手法を編み出した。約30~40分で特定出来るという。
昨年11月に学会で論文を発表。実用化へ準備を進めている。「警察人として、捜査に生かされるような研究に今後も取り組みたい」
(小池暢)
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