人の目を見られなかったあの子、ようやくつかんだ幸せ

寒がりで、いつも暖かい服を着せてもらっていた一騎くん(右)
寒がりで、いつも暖かい服を着せてもらっていた一騎くん(右)

 先日の夜、「the VOICE」代表の有動敦子さんからTwitterでメッセージをいただきました。

「こんばんは! ご報告です。一騎くん、無事トライアルに出て、正式に迎えられることになりました。14歳のミニピンくんと、ご結婚するお嬢さんと一緒にもうすぐ引っ越しする5歳のデカピンくんのいるおうちです。お父さんになついているようで、やっと幸せつかみました!」

 一騎くんのこと、以前に書いたのですが、覚えているでしょうか? うちの子になった保護犬ハンターと、もう1匹のミニチュア・ピンシャーと3匹一緒に寒空の中、首輪もせずに寄り添うように路上を歩いていた子です。そんな3匹の存在に、お散歩中の女性が「これはおかしい」と気づき、一緒に保護して下さいました。女性はご自分の飼い犬を自宅に置いてからまた現場に戻り、近くの工場に追い込んで、その工場の方と協力しあい、3匹一緒にようやく確保できた、というエピソードは以前に書いた通りです。

 そして、東京都日野市の東京都動物愛護相談センター多摩支所から3匹中の2匹、一騎くんとハンターをthe VOICEさんが引き出してくださり、the VOICE主催の譲渡会で私が2匹と出会ったことも以前に書かせていただきました。

 一目ぼれしたのは実はハンターではなく一騎くんでした。昨夏、「虹の橋」を渡って行ったピンと顔が似ていたのも一騎くんでしたし、私が最初に抱っこしたのも一騎くんでした。

 でも、全く人に慣れておらず、そう大きくはないケージの隅っこで固まってしまっている一騎くん……。代表の有動さん宅で社会性を身につけるトレーニングを受けたものの、その後の譲渡会で再び会った一騎くんは、やっぱり、ケージの隅で、他の犬や人と視線を合わせようとしなかったのです。

 そうこうしているうちにハンターが正式譲渡となり、我が家の家族になったわけですが、それからも、私はずっと一騎くんのことが気になっていました。何度かメールやTwitter、Facebookなどで、その思いを有動さんにお伝えもしていました。

 とはいえ、うちのマンションのルールは「2匹まで」。3匹飼っている方も知ってはいますが(苦笑)、そのルールを破ってまで一騎くんを迎えるのは「ちょっと違う」とも思っていました。

 でも、全く人に慣れず、ものすごく寒がりで、いつも有動さんから暖かそうなお洋服を着せてもらいながらも人と目を合わせようとしない一騎くんを、いつか我が家に……と願っていたのもまた事実でした。

 そんな一騎くんがトライアルに出て、我が家と同じくミニピンちゃんがいるご家族に迎えられたとのこと。「あの一騎くんが???」「お父さんになついてる???」とビックリすると同時に、名残惜しい気持ちになり、うれし涙ではない涙が流れてしまいました。

 動物愛護団体には、「預かりボランティア」と呼ばれる方たちがいらっしゃいます。ハンターも、約1カ月、ボランティアさん宅で過ごし、そこのお父さんにものすごく可愛がられていたと聞きました。

 でも、こうしてトライアルから正式譲渡となれば、またthe VOICEさんでは新たな犬を保護できるというワケなので、すごく良いことなのです。そして一騎くんは、間違いなく幸せをつかんだのです。

 2~3回しか会ったことのない一騎くんにここまで感情移入してしまう私には、「預かりボランティア」はできないかも――とも考えた夜でした……。

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。「踊る!さんま御殿!!」「ノンストップ!」などを構成。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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