お皿のかたちはネコの食欲に影響する? ヒゲのストレスを検証
ネコが食事や水を飲む際に、ヒゲをキュッとあげている様子を見たことがあるでしょう。ネコにとって大切なヒゲが食事にどのような影響を与えているか知っていますか? 今回は、ネコのヒゲと食事のお皿にどのような関連がみられるかを検証した論文“Evaluation of whisker stress in cats”を紹介します。
ヒゲがあたるとストレスを感じる
ネコのヒゲは神経とつながっているため、ヒゲをセンサーのように利用して空間を把握することができるといわれています。アザラシやラットなど、ヒゲを手先と同じように使う動物もいます。また、ネコのヒゲを刺激したり切ったりすると苦痛になることがあり、ヒゲのストレス(whisker stress)があると考えられています。しかし、ネコのヒゲがどの程度の機能があり、日々の生活のなかでヒゲによるどんなストレスがあるのかわかっていませんでした。
そこで、ワシントン州立大学の研究チームは、食事の際のお皿を使い、ヒゲへのストレスがネコの行動にどんな影響を与えるのかを調査しました。40匹のネコが参加し、飼い主さん自身によって調査がおこなわれました。
調査の12時間前からネコには餌をあたえず、ヒゲに優しいといわれる平らなお皿または通常の深いお皿のどちらかにカリカリをいれます。5分間に食べる量とこぼした量をスマートフォンで記録しました。また、7日後に同じように、もう片方のお皿で食べる様子を記録しました。最後に、2つのお皿を並べて、どちらのお皿から食べるかを観察しました。
お皿のかたちがヒゲに関係するかも!?
予想では、ヒゲに優しい平らなお皿からよく食べると考えましたが、統計解析の結果は、食べる時間も量も落とした量も変わりませんでした。2つのお皿を並べた場合は、74%のネコが平らなお皿を選びました。ただ、ネコによって利き手のような左右の好みがある可能性があり、その影響を考慮していなかったために、このデータには偏りがあるかもしれません。
今回の調査では12時間絶食した後におこなったため、もしかするとヒゲのストレスよりも空腹の影響が大きかった可能性があるとのこと。また、記録したのは5分間だけでしたが、ちょこちょこ食べするネコが多いため、1日の食べる量と比較する必要がありそうです。さらに年齢を重ねて毎日同じお皿で食べていれば、その形にも慣れてくる可能性もあります。
調査の際にカリカリが落ちた数を調べていましたが、口から落ちたのか、お皿から押し出されたのかは記録できていなかったとのこと。私のネコは高齢のため、一度カリカリを口に含んでも口からこぼす量が多くなっています。年齢とともにお皿の形などを検討する必要があるかもしれません。
今回ご紹介した論文
Evaluation of whisker stress in cats
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