ネコは意外にも構われる方が好き? 注目されると近づきたくなるか調査
ネコは自立していて、イヌに比べてあまり社交的でないと思われてきました。しかし、ネコは飼い主に対して愛着をもったり、積極的に関わろうとしたりすることもあります。ではネコは、ヒトからの積極的なアプローチをどう感じているのでしょうか。今回は、ヒトの注意状態によりネコの行動が変わるかを検証した論文“The effect of owner presence and scent on stress resilience in cats”を紹介します。
ネコは注目されたいの? されたくないの?
ネコの祖先種は元来、単独性の生き物だったため、イヌなど群をなす動物に比べて社交的ではないといわれてきました。しかし、ネコは餌よりもヒトと遊ぶことを選んだり、飼い主への愛着をみせたりすることがあります。
またヒトと暮らしているイヌや家畜のブタなどは、ヒトから向けられた視線や声がけに応じて行動を変えることが知られています。特にイヌの場合、積極的に関わろうとするヒトとそうでないヒトがいた時、積極的に関わろうとするヒトのそばでより多くの時間を過ごすことが知られています。しかしネコの場合、他のネコやヒトに向けて交流する、つまり社会的な行動をどれくらいおこなうのかはわかっていません。
そこで、アメリカ・オレゴン州の研究チームは、ヒトからの積極的な関わりが、ネコの行動をどのように変えるのかを調査しました。調査には家庭で暮らすネコ23匹と保護施設で暮らすネコ23匹が参加しました。
まず、家庭で暮らすネコを対象に調査をおこないました。ネコのいる部屋に飼い主または見知らぬ人が入り、ネコに声をかけずじっとしています。その後、2分間ネコの名前を呼び、近づいてきたら声をかけたりなでたりしました。保護施設で暮らすネコも同じように、見知らぬ人のみで調査をおこないました。
意外にも構われるほうが好き!?
結果は、家庭で暮らすネコも保護施設のネコも、ともにヒトが声をかけたりなでたりといった積極的な行動をするほうが、ネコはヒトに近づくということがわかりました。一方、鳴き声に関しては差がありませんでした。
家庭で暮らすネコの場合、飼い主であろうが見知らぬ人であろうが変わりませんでした。これは少し意外な結果かもしれません。とはいえ、社交的なネコはお客さんが来た時、飼い主よりもお客さんに構ってアピールをする場合があります。お客さんのほうが遊んでくれるということを知っているからかもしれません。
また、保護施設のネコは、飼い主がいないためヒトに愛着をもっていないと考えられていますが、ヒトからの注目があると近づきたいという気持ちはあるようです。もちろんネコにとってヒトへの恐怖心などは異なるので、どのネコでも近づけるとは限りません。
今回の調査は、ヒトは最初に決められた場所から移動できませんでした。つまり、積極的な交流をするかどうかはネコ側が決める、というのがポイントとのこと。ネコに積極的に声をかけたりなでたりするのはよいですが、近づくのはネコから寄って来るまで待つのがよさそうです。
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