鼻の紋様はネコそれぞれ 指紋ならぬ鼻紋で愛猫を認識できる時代になる!?
もし愛猫が迷子になり、似たようなネコたちにまぎれていたとしたら、確実に愛猫を見分けられる自信はありますか? 特徴的な柄があればわかるかもしれませんが、毛の色や体格が似ていると見分けがつかないこともあります。そこで今回は、確実にネコを見分ける方法として、ヒトの指紋のように使われている鼻紋を用いたデータベースを作成した論文“Locality Constrained Sparse Representation for Cat Recognition”を紹介します。
ネコを見分ける方法とは?
ネコと暮らす人が増える一方、迷子猫が増えたり、海外では誘拐や保釈金の詐欺なども増えているといいます。そのためにはネコの個体数の管理できる、信頼できる個体識別のシステムが必要です。
動物の個体識別にはヒトでいう指紋の代わりとして、鼻の形=鼻紋が使われることがあります。ネコの鼻も、鼻孔(穴)、鼻唇溝(鼻のすじ)、鼻紋(フォルム)という細かな構造物の組み合わせで成り立っています。ネコごとに異なる鼻紋があり、ひとつとして同じ鼻はありません。
普段、ネコの個体識別にはマイクロチップや首輪、毛柄、DNAなどが用いられていますが、ネコの鼻紋も使える可能性があります。そこで国立台湾科学技術大学の研究チームはネコの鼻紋を使って、個体識別をするためのデータベースを作成 することにしました。
鼻の紋様はネコそれぞれ
データベースの作成には70匹のネコが参加しました。しかし、指紋のように鼻を押し付けることは難しいため、鼻にフォーカスした写真をそれぞれ微妙に角度をかえつつ1匹あたり10枚ずつ、計700枚撮影します。
そしてその写真をモノクロに加工し、画像を複数の小さい画像に処理していきます。その小さい画像を用い、AIを使って鼻の形のパターンを学習させます。これにより、鼻の写真からどのネコかを判別することができるようになりました。
まだ首輪や毛柄ほど簡単にはいかないですが、今後AI技術の進展により、ネコの鼻紋を簡単に判別することが可能になるかもしれません。ちなみに首輪は外れてしまう可能性があり、毛の色によっては見分けがつかないことも。写真だけで判別できるなら、毛やDNAを採取する必要がなく、ネコにもストレスがありません。
とある科学捜査ドラマでもネコの鼻紋が犯人逮捕につながる証拠になっていました。そこまで大きな事件でなくとも、鼻紋を記録しておけば、いざというときに役に立つかもしれません。まずは愛猫の鼻のかたちをじっくり観察してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した論文
Locality Constrained Sparse Representation for Cat Recognition
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