手に持っているのは、アニドネが運営しているAWGs(アニマルウェルフェアゴールズ)のキャラクターの「みどりちゃんとみかんくん」のトートバッグ。かわいいと大好評
手に持っているのは、アニドネが運営しているAWGs(アニマルウェルフェアゴールズ)のキャラクターの「みどりちゃんとみかんくん」のトートバッグ。かわいいと大好評

4年ぶりにアニドネスタッフがリアル集合! 犬猫好きが語る、“ありたいミライ”

 公益社団法人「アニマル・ドネーション」(アニドネ)代表理事の西平衣里です。この連載は「犬や猫のためにできること」がテーマです。

 先日、4年ぶりにアニドネスタッフが集まってタウンホールミーティングを実施しました。普段はフルリモートで運営しているため、多くのスタッフが「初めまして」の状況にもかかわらず、あっという間に打ち解け、みなさん語るかたる! 

 今回は、アニドネの活動を通して、日本の犬猫の未来について考えてみたいと思います。

(末尾に写真特集があります)

アニドネってどんな活動?

 アニドネは寄付サイト「アニドネ」が基幹事業であり、2年前からはAWGs(アニマルウェルフェアゴールズ)という犬猫のためのSDGs企画を運営しています。つまり、中間支援組織であり、自らは犬猫を直接扱う事業はしていません。「ドネーション」という言葉には「寄付金」という意味以外に「共通の目的のために、チャリティに協力する行為」という意味もあります。

アメリカのシェルターでフォスター経験のあるボランティアスタッフ。AWGsのリニューアルについてみなに伝えてくれました

 ですから、最前線で頑張る団体さんに、寄付金をお届けしつつ、リサーチやセミナー、情報支援などの後方支援を積極的に行っています。法人立ち上げ時から掲げているのは「日本の動物福祉を世界トップレベルにすること」。このミッションに賛同してくれたメンバーが集い、コアスタッフ・業務委託・ボランティアスタッフの総勢約100名でアニドネを運営しています。

犬猫がたまらなく好き、そして社会の役に立ちたいというキモチ

 別に性差別をしているわけではないのですが、アニドネは圧倒的女子集団です。総スタッフのうち男性は約1割。関東圏在住の方が多いですが、地方や海外在住の方もいます。職業や年齢は本当にさまざま。学生さんから企業勤め、デザイナーやライターさんなどの専門職、動物のプロフェッショナルの獣医さんや看護師さんもいます。そして、共通しているのは「犬猫好き」、それもかなりのレベチ! 犬派vs猫派はありますが私みたいな両刀も多数。いくつか仕事をしている方やママさんも多数いて、みなさんとっても忙しい。その合間を縫ってでも犬猫のために何かをしたいんだ!という強いキモチが共通項です。

私(西平衣里)からは、アニドネの一年間の活動報告

 犬と飼い主が良好な関係のとき、アイコンタクトをするとオキシトシン(愛情ホルモンや絆ホルモンと呼ばれるもの)が発生するのは、犬猫好きには有名な話です。実は、相手が犬でなくてもそれと同じことが、私たちアニドネ内でも起きているのでは?と思っています。

 もともと人間は他者を助けたり親切にしたりすると、オキシトシンやドーパミンが発生すると言われています。これらの神経伝達物質は報酬や快楽に関与するホルモンです。つまり、日本の動物福祉を真剣に考え、3度の飯より大好きな犬猫の幸せのために費やす時間や労力は、自己犠牲ではなく、むしろ自身にとってもいいことなのかもしれません。

アニドネを利用して、みなの希望をカタチに、そして社会を変えたい

 私自身、法人をしっかりと経営し成長させねば、という気概はあまり強くありません。それよりも、どうしても今の日本の犬猫の状況を変えたい、と真剣に考えた結果が、今取り組んでいる「アニドネ」というカタチ。不思議なことに、その時に必要なスキルを持った方との出会いや情熱に支えられ、アニドネは成長できています。もちろん壁や回り道は多々あるものの、そこは柔軟に切り替え、諦めなければ必ずいい方向に変わっていくと信じています。アニドネという箱を、志を共にするみなが利用して犬も猫も人も幸せになることにつながることができれば、アニドネを存在させた意義があったと言えるのでしょう。

リサーチャー代表として語ったくれたベテランスタッフ。団体窓口として現場で頑張る団体さんを支えてくれています

 そして、アニドネは公益社団法人です。公のために事業を営むわけですから利他主義を掲げ、めいっぱい「社会にいいことをしたい!」と言える組織なんですよね。時として、社会生活は儲(もう)けることが優先されたり、社会的弱者に見て見ぬふりをしてしまったりすることがあります。行き場のない犬猫は立派な社会的弱者です。だけど、人間とすばらしいパートナーシップが築ければ、人の人生すら変えてしまう存在です(事実アニドネには、犬猫のために働き方を変えた、とか、住む場所を変えた、という方は普通にいます)。恥ずかしげもなく「犬猫が大好き、救いたい、真の共生社会にしたい」と言える仲間たちと活動ができること、また私たちの作ったアニドネを利用してくれる方々がいることに心から感謝し、諦めずに前に進みたいと思っています。

あと10年でがらりと変えたい

 日本を動物福祉の世界トップレベルにするには、やらねばならないことは多々あります。殺処分はぐっと減ってきました。だけどまだゼロではないですよね。アニドネが支援をしている保護団体さんが動物たちを救っている現場では、「なぜこんな状態で放棄する?」と人間の愚かさを感じます。ですので、動物関連団体の支援をより加速し、同時進行で一般の方の動物リテラシーをアップすることは重要です。

 また、ペットの流通問題は大きく変化をさせたいところ。狭いペットショップでの扱いは、どう考えても犬猫思いではありません。安易な生体販売を続けていくのはもうやめましょう。命を生み出すブリーディングに関しても、より情報開示がされるべきだと考えています。AWGs活動で基軸を作っていけたら、と考えています。

アニドネは8つのチームで構成。ボランティアの方には希望をお聞きし興味のある分野に参加してもらっています

 さらに、動物福祉に則った犬猫の扱いをできる国になるためには、法律の改正が必至です。アニドネとしては犬猫の心理に沿った法律に変えるべきだと考えています。こちらに関してはリサーチを進め、署名活動などを予定しています。

 アニドネを開始して丸12年が経ちました。その間にもずいぶんと良い方向へ変わってきています。が、よりスピードを加速し、あと10年くらいで世界に誇れる動物福祉国にしたいと心から思っています。

 アニドネではボランティアさんは随時募集をしています(もちろんメンズも大歓迎!)。アニドネサイトからお問い合わせください。また、こんなアニドネを応援してもいいよという方には、公式サポーターをお勧めしています。

(次回は11月5日公開予定です)

【前の回】「え!こんなに動物思いなの?」 動物に関する世界のユニークな法律を知ろう

西平衣里
(株)リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバー、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営を経て、アニマル・ドネーションを設立。寄付サイト運営を自身の生きた証としての社会貢献と位置づけ、日本が動物にとって真に優しい国になるよう活動中。「犬と」ワタシの生活がもっと楽しくなるセレクトショップ「INUTO」プロデユーサー。アニマル・ドネーション:http://www.animaldonation.org。INUTO:http://inuto.jp

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この連載について
犬や猫のために出来ること
動物福祉の団体を支援する寄付サイト「アニマル・ドネーション」の代表・西平衣里さんが、犬や猫の保護活動について紹介します。
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