黒猫は人懐っこさは低く攻撃性が高い? 毛の色によってイメージが変わるか調査
ネコの毛色によって性格が違うというのは、現在のところ詳しくわかっていません。しかし、ネコを飼っている人の中では毛色によるイメージを持っている人もいるでしょう。特に黒猫や白猫について思い入れのある人が多いようです。そこで今回は、黒猫へのイメージの偏りがあるかどうかを調べた論文 " Black Cat Bias: Prevalence and Predictors" を紹介します。
黒猫に対するネガティブなイメージ
「黒」に対して、どんなイメージを持ちますか? 多くの人が、死や悲しみ、悪、未知といった否定的なイメージをもつことが多く、また偏見や迷信などにも影響を与えてきたといわれています。さらに肌の色に関しては言わずもがな、長い偏見の歴史があります。これはヒトだけでなく、イヌやネコに対する態度にもあらわれることがあるようです。
黒いイヌは茶色など明るい色のイヌに比べて否定的に見られ、物語などにも登場しないことが多いといわれてきました。また黒猫は、ほかの色にくらべて譲渡先募集時に引き取られにくいということもわかっています。
実際に、黒猫に対してどのような偏見があるのか。これを調べるため、テキサス女子大学の研究チームが調査しました。調査に参加したのは成人101人(男性17人、女性84人)です。なお、参加者の7割が白人でした。
参加者には20枚のネコの写真を見せました。20枚のうち10枚は黒猫、残りの10枚は白や茶色などさまざまな色のネコでした。それぞれのネコの写真に対し、①人懐っこさ、②攻撃性、③家族として引き取りたいかどうか、④ネコの感情を読み取ることができるかについて回答しました。また、宗教信仰の強さ、迷信を信じる度合い、人種差別の度合いについてもそれぞれアンケートで回答してもらいました。
黒猫バイアスってあるの!?
結果は、他の色のネコに比べて黒猫に対しては、人懐っこさは低く、攻撃性が高いという印象を持っていることがわかりました。家族として引き取りたいかどうかについては、毛色で差はありませんでした。また、宗教信仰の強さ、迷信を信じる度合い、人種差別の度合いをそれぞれ分析したところ、迷信を信じる度合いが黒猫に対する偏見に影響していることがわかりました。なお、黒猫の感情を読み取ることができないと感じる人は、家族として引き取りたいと思わないという傾向がありました。
やはり黒猫に対する否定的な思い込み=黒猫バイアス(Black Cat Bias=BCB)があることがわかりました。さらにそれは、迷信による影響が大きいとのこと。ただし、今回は写真を用いて調査をしましたが、実際にネコに触れて調査をしたらまた違う結果になった可能性があるかもしれません。
また、日本人の多くは黒猫に対して、魔女のアニメーションや運送会社のマークなど、どちらかというとポジティブなイメージがあります。日本など、魔女などの逸話がないアジアの国で調査をおこなったら、異なる結果になるかもしれません。
個人的には今まで出会った黒猫は、ミステリアスなネコらしい黒猫もいれば、おっとりとして細かいことを気にしないタイプの黒猫もいました。毛色での思い込みではなく、それぞれのネコの性格をしっかりみてあげることが大切ではないでしょうか。
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