入浴後、2匹くっついて和解した様子
入浴後、2匹くっついて和解した様子

愛猫2匹、数年ぶりに入浴 お互いのことを「シャー!」と威嚇するも、夜には仲良し

 食欲の秋が、我が家の猫たちにも到来しています。涼しくなってからというもの、まぁ食べる食べる。同じタイミングで、かつおの香りがする腸内環境を整える粉末の猫用サプリを主食のカリカリフードに振りかけたら、さらに食べるようになり、見ていて気持ちがいいです。

猫を風呂に入れる理由

 そんな、天高く猫も肥えそうな(?)秋、2~3年ぶりに猫らがお風呂に入りました。

 我が家のキジトラの「モモ」、サビの「あんず」のような短毛の猫でも、3カ月~半年ほどを目安にシャンプーを推奨している場合もあれば、猫にシャンプーは必要ない、とおっしゃる獣医さんもいらっしゃるので、猫の入浴については各家庭の方針があるかと思います。そもそも私は、夫がいなければ猫を風呂に入れることなどできません……。猫を風呂に入れられる人を尊敬してやみません。

猫のあくび
「もちろん、お風呂は嫌いです」(モモ)

 この連載のタイトルにもなっているとおり、“猫アレルギー”を持つ筆者。アレルギーの都合だけでいうと半年に1回は入れたいところだけれど、猫と飼い主両方の負担を考えて、多くて年に1回くらい入れるようにしています。

 とはいえ、子どもが小さいとなかなか入れるタイミングが見つからず、入浴させないまま2~3年が経過。今年は、「冬が来る前に!」と夫が一念発起し、パパッと入れてくれたんです。

 毎回、プロのトリマーさんのように、夫のシャンプーは迅速かつ丁寧。かつては私も手伝っていましたが、アレルギーを発症してからはほぼ夫に任せています。

いざ、猫を風呂へ

 まず、猫らの爪が伸びていないかの確認をして、伸びていたら切ります。これは私もできます。そして、素早く浴室へ。

上から見てくる猫
「爪を切るのも嫌いなの」(あんず)

 ところで、我が家での決まり事に、「キジトラのモモを先に入れること」があります。

 なぜなら、風呂に入った猫らは「ビャ~ビャー」などと、普段鳴かない声を上げるので、先にあんずが入ると、あんずの雄たけびにビビったモモは、飼い主の手が届かないところに隠れてしまうんです。

 今回もモモが風呂に入ると、浴室からは「ビャーオ、ビャーオ」などと鳴き声が聞こえてきていました。

 すると、あんずは「ねぇ、何が起きてるの?モモの声みたいだけど、アタシ関係ないよね?」とでも言っているかのように、少し不安そうな表情で私を見てきました。なので私は、精いっぱい優しい笑顔で、「この後、あんちゃんも入るよぉ」と声をかけました。

 するとあんずは「にゃ~」と答えて(本当に、いつも声で返事をします)、窓辺の寝床へ去っていきました。どう見ても、数分後に自分も同じ目にあうとは思っていない反応が実に気の毒。

 そうこうしていると、モモの風呂が終わったのか、脱衣所からドライヤーの音が聞こえてきました。

 全てを夫に任せているのが申し訳なく感じて様子を見に行くと、モモの頭から体にかけてタオルをかぶせて片手で押さえ、もう片方でドライヤーをかけている夫。実に器用。

 だけど大変そうなので、私もモモのドライヤーをかける係を担当したものの……(夫はモモを押さえる係)モモは毛深いのでなかなか乾かず、時間がかかりました。そして、脱衣所を締め切っているのもよくなかったのか、マスクをしていたのにアレルギーが強めに出てしまいました。

眠る猫
ホットカーペットにスイッチを入れました

 モモの体は乾いたものの、私は早くもギブアップ。次に、あんずも風呂に入ることになりました。気を抜いていたので、簡単につかまります。

 浴室からあんずの「ビャァ~ビャァ~」という声が聞こえてきますが、モモは済んでいるためか、もうビビることはありません。

 モモは、来客など怖いことがあるとしばらく身を隠す習性があり、以前入浴した後も、どこかに隠れていました。でも今回はウロウロ歩いたり、お気に入りの場所に寝そべったり、比較的落ち着いた様子だったので安心しました。

 無事にあんずも入浴→ドライヤーを終え、リビングへ。夫が言うには、今までの入浴時よりも比較的おとなしく、入れやすかったそうです。

入浴後の猫らはお互いを威嚇?

ニオイを嗅ぐ猫
クンクン……この後、どうなる?

 猫たちにとっては、入浴後にも困難が待ち構えています。それは、“お互いのニオイが消えてしまうこと”。

 2匹が入浴して30分ほど経ったところで、モモがあんずのニオイを嗅ぎに来ました。顔を近づけると…。

(クンクン……あれ……?何か少し違うような……)

 首から上は洗わないので、顔は今まで通りのニオイがするはずですが、問題はこの後です。

(待って、おしりのニオイ嗅がせなさいよ、クンクン、ん!?やっぱり違うじゃない!!)

 シャー!!!

 と、お互いの威嚇が始まるんです。シャー!でどちらかが退散するので、ケンカに発展したことはないですが、モモだけを風呂に入れたときは、あんずがモモに「あっち行って!!」と怒り、モモはあんずに「ねぇ、アタシモモだよ、分かって!」と諦められず、気の毒な状況になっていたので、日を分けて風呂に入れることは廃止となりました。

 そしてその日の夜、またお互いの顔が近づいたときのこと。

 (クンクン……。ん~……どうかな?おしりのニオイ嗅いでから判断ね。クンクン……。少しニオイ薄いけど、許せる範囲かな)

 こうして、お互い何となく納得した表情を見せてから、2匹くっついて丸まって寝ていました(一番上の画像参照)。めでたし、めでたし……。

(次回は11月24日公開予定です)

【前の回】幼児よりおねだり上手!? 11歳の愛猫「あんず」が繰り出す要求テクニック

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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