元保護猫のきょうだい猫「アメリ」と「カヌレ」 すくすく成長ずっと仲良し

生後3ヶ月頃のアメリ(右)とカヌレ

 いつもぴったりと寄り添い、天使のような寝顔を見せる元保護猫の「アメカヌちゃん」。あまりのかわいさに多くの人をメロメロにしてきたきょうだいももうすぐ5歳。子猫時代からの成長と近況を飼い主のRiepoyonnさんに伺いました。

(末尾に写真特集があります)

そら兄ちゃんの子育て

 アメリとカヌレは家に来た瞬間からリラックスしていました。きょうだい揃って部屋を探検して遊んでお互い舐め合った後、くっついて寝ていました。水を飲むのもトイレに行くのもねんねするのも一緒。お互いを幸せそうにペロペロして、ぎゅうっとくっついて眠る姿を見て、あまりの仲の良さに感動したのを覚えています。「お母さんのお腹の中からこうやってきたのかな?」なんて思いました。アメリは優しくてしっかり者、カヌレはマイペースでちょっと抜けたところがあって憎めないキャラ。性格も良いバランスでした。

 先住猫のそらのことも最初から気になって仕方がなかったようです。そらは警戒していましたが、アメリとカヌレは「大きな毛の長いお兄ちゃんがいる!遊びたいな」と、グイグイとアピールしていました。初めは距離を取っていたそらですが、すぐに2匹が気になって仕方なくなり、やがて離れず寄り添うようになりました。

子猫時代から愛用するベッドから落ちそうなほど大きくなりました

 小さな2匹が遊んでいる時は近くで見守って、遊び疲れればグルーミングをしてあげて一緒に眠りました。トイレを失敗しがちなカヌレの首根っこをくわえてトイレまで運ぶところも見たことがあります。アメリがそらのおっぱいを吸う仕草をしていたことがあって、オスのそらがまんざらでもない感じで吸わせていた光景は、今でも思い出して笑ってしまいます。当時の3匹は本当の親子のようで、「甘えん坊なそらにこんな一面があったなんて!」と胸が熱くなりました。

甘えん坊は相変わらず!?

 思えばアメリとカヌレは今も我が家に来た時のまんま。出会った時からずっと好奇心旺盛で甘えん坊です。

 少し変わったことといえば、カヌレがさらに甘えん坊になり、私たちやそらとアメリにとことん甘えるようになったことでしょうか。狭い場所で独り寝をしていたアメリと添い寝したくて無理やり割り込み、アメリにシャーッをされるのはよくあること。気の乗らないそらにグルーミングを要求して怒られていることもあります。甘えん坊なのにとても人見知りで繊細なところもあり、心を許した相手はとことん信じて甘える……そんな愛しい猫に成長してくれました。

シッポをピンと立てて駆け寄る幼いアメカヌをそらは腰を屈めてペロペロしてあげていました

 近頃アメリはそらと2匹でくっついて昼寝したがるようになりました。「アメリにとってそらは特別存在なの!?」と勘ぐってキュンとしています。3匹の関係性はゆっくりと変化しているようです。

 とはいえ、アメリとカヌレは相変わらずの仲良し。以前のようにずっと一緒というわけではなく1匹の時間が増えました。でも気付くと、一緒に遊び、舐めあい、並んで窓の外を眺め、身を寄せ合って眠っているのです。

 そらは相変わらず絶対的なお兄ちゃんですが、対等に遊んだりバトルしたりするようにもなりました。2匹が小さい頃は付きっきりでしたが、今は独りでのんびり過ごしたり飼い主に甘えたりする時間が長くなりました。「育児お疲れさまでした。ありがとうね」と伝えています。

赤ちゃんがやってきた!

 2020年12月、私は娘のつむぎを出産しました。アメリとカヌレは、娘が来た日からよく見守ってくれていました。特にカヌレは娘が大好き。添い寝やすりすりをしてくれるだけでなく、どんなに触られても逃げない立派な兄ちゃんぶりです。

 おかげで娘は1歳にして大の猫好きに。朝起きてそばで寝ているアメリとカヌレに顔を埋めに行ったり、猫を見てにっこり笑ったり、絵本やテレビに猫が出てくると「ニャーニャ!」と言って喜んだりしています。

今でもアメカヌをグルーミングするそらですが、もう腰を屈める必要はありません

 コロナ禍の育児は外出もままならないので、娘の成長が心配でした。そんな中、娘が3匹の猫たちをキラキラの目で追っているのに気付きました。フワフワの毛を触った後に声を上げたり、「優しく触るんだよ」と教えたら、とても優しく猫に「なでなでぽんぽん」ができるようになったり。「ああ、この子はきっと大丈夫だ」と安心させてくれました。

 娘にとってそらとアメリとカヌレは愛そのもの。同時にユニークで刺激的で笑顔や好奇心の源になり、感受性を育ててくれる存在のようです。

私はといえば、育児でいっぱいいっぱいになりそうな時、何度猫たちに救われたかわかりません。これからも3匹に感謝しながら、娘の成長を見守っていきたいと思います。(文・写真・Riepoyonn)

アメリ(4歳♀)、カヌレ(4歳♂)
子猫の頃、元の飼い主に遺棄されて動物愛護センターに収容されたところをボランティアの尽力によって引き出された元保護猫のきょうだい猫。Riepoyonnさん宅に迎えられInstagramで人気者に。表紙を飾る書籍『猫からのお願い 猫も人も幸せになれる迎え方&暮らし方』(服部幸・著ねこねっこ)では、そら(8歳♂)とともに案内猫(あんないにゃん)も務める。
Twitter:@SoraAmeCane
Instagram:riepoyonn
チャリティショップ https://suzuri.jp/riepoyonn

辰巳出版が隔月で発行している猫専門誌です。猫愛にあふれる企画や記事の質に定評があります。

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この連載について
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猫専門誌「猫びより」(辰巳出版)から提供された記事を集めた連載です。専門誌ならでは記事や写真が楽しめます。
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