猫の日に猫のことを考えるイベント 殺処分や繁殖業者の問題、浅田美代子さんらトーク
日本で暮らす猫のことを考えるオンラインイベントが、2月22日の猫の日に開かれました。俳優の浅田美代子さん、保護猫カフェ「ねこかつ」代表の梅田達也さん、朝日新聞の太田匡彦記者の3人が、猫をめぐる現状とこれからについて語り合いました。
太田記者は、コロナ禍に入り猫を飼い始める人が増えたことを指摘し、その年に新たに飼い始められた猫の推計飼育数をみると、2019年は39万4千匹だったのが2021年には48万9千匹に拡大していると述べました。殺処分数についても触れ、全体のトレンドとしては犬猫ともに減少傾向にあるものの、殺処分数の5割を子猫が占めている状況を説明しました。
梅田さんは、「殺処分数は減っているが、可哀想な猫が減っているわけではないと思う」と指摘。殺処分を減らす取り組みとして、外で暮らす猫を捕まえて不妊去勢手術をし、元いた場所に戻すTNR活動など、地域で猫を管理し増やさないようにする「地域猫活動」や、保健所から殺処分対象となった猫を引き出して保護し新しい飼い主に譲渡する活動について紹介しました。
続いて太田記者は、朝日新聞の独自調査を元に、猫の流通量が2020年度は2014年度に比べて7割増えていると解説。さらに流通量における死亡数をみると、犬は3%未満だったのに対し、猫は毎年3~3.5%が死んでいると指摘しました。背景として、子猫は健康管理がかなり難しいにもかかわらず新規参入した業者が多く、「結果として猫の死亡が増え、劣悪な業者も増えている」と述べました。
これまでに犬の繁殖業者の現場にレスキューに入った経験がある浅田さんは、「地獄のようなところにケージに入れっぱなしにされ、糞尿(ふんにょう)だらけの体で、産めればいいというだけ」と悪質な繁殖業者の実態について話し、「純血種の犬や猫が欲しい人は、自分でブリーダーを探して繁殖場に行って、ここなら大丈夫と確認するべきです。買う側が変わらないと、悪質な繁殖業者はなくならないと思う」と指摘しました。
イベントでは、協賛の花王「ニャンとも清潔トイレ」が実施する猫の日応援キャンペーンが紹介されました。猫のオシッコチェックの大切さを伝える動画をリツイートすると、保護猫活動へ寄付される取り組みです。
梅田さんは、自身の保護猫カフェやシェルターで100台ほどニャンとも清潔トイレを使っているそうです。保護猫たちの健康を守るため、「猫のオシッコチェックは本当に大事だと思っています」と話し、「オシッコの色や臭いを見るのにとても適したトイレだと思います」と話しました。
- イベントではこのほかにも、遺伝性の病気に苦しむスコティッシュホールドの問題や、改正動物愛護法について、そして外で暮らす猫たちの未来についても語り合いました。
このイベントの模様は、3月1日まで動画で何度でも見ることができます。申し込みが必要で、締め切りは3月1日午後6時です。朝日新聞デジタル有料もしくは無料会員への登録が必要です。動画視聴の申し込みはこちらからどうぞ。
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