「2段目のオトコ」「あくび小僧」…… 異名をたくさん持つ猫「アル」

 以前にも「クセが強い」猫として、我が家の末息子、アルをご紹介したことがあります。

 我が家に限らないと思いますが、ペットの呼び名には本名(?)のほかにいろんなあだ名が生まれることがあります。

(末尾に写真特集があります)

暑さ寒さは階段で調整?

 改めて考えてみると、我が家で一番「二つ名」が多いのが、このアルかもしれません。

 この夏、もっともよく彼が呼ばれた名前が『2段目のオトコ』。

 猛暑をふるった時期、日常を過ごす1階のエアコンはずっと27℃に設定されたままでした。それでも人が多い日はいいのですが、朝から晩まで私一人の日などは、ちょっと冷えすぎかも?ということも。

 私もそんな日は仕事部屋にこもりっきりだったりするので、こまめな調整も特にせず(よくありませんね)。

 ふと仕事部屋を出てみると、猫が誰もいなかったりします。そんな時、たいていみんな、2階にいたりするのです。が。

 アルの定位置は、2階へと続く階段の上から2段目。なのです。

 先日、2階に用事があって何の気なしに階段を上がりかけ……

「うわっ!びっくりしたぁ……」

 なんとアルは、いつもの2段目で『壁に香箱座り』していたのです!

 思わず写真を撮ってSNSに投稿したら、ずいぶんたくさんの「イイネ!」をもらいました。

壁に香箱座りするキジトラ猫「アル」
今年の夏も「2段目のオトコ」だったアル。しかも壁で香箱座りって! ふと顔を上げたらコレで、びっくりしてスマホを取りに戻ったほどです

3段ベッドは絶対一番下!

 よくよく観察してみると、冬の寒い日も南に面した2階の廊下は大人気。キャットウォークを兼ねて足元までガラス張りにしてあるので、直に外が見渡せるのがうれしいみたいです。

 猫たちは季節や時間に応じて一番気持ちよい場所を探して移動するので、階段の中腹にいたり、1階の窓際にいたり。もっと寒くなると私が古いベンチウォーマーの裏地をリメイクして作った猫クッションに集まることも(夏は見向きもしません)。

クッションに群がり眠る猫たち
これが昨年冬、捨てるつもりだったベンチウォーマーの裏地のボアをリメイクして作った猫クッション。でも、6匹のうち最大で5匹しか入らないことが判明しました……

 その猫クッションを作った時、もうひとつDIYしたのが、キャスターワゴンを使った猫用3段ベッドです。

 この3段ベッドの場合は、アルはたいてい一番下。この時だけは3段目のオトコ、ってことになります。さらにアル的にもルールがあるようで、彼がこのベッドにいるのは、最上段に大好きな兄者・梵天丸がいるときに限るのです。

 2匹で寝るにはちょっと狭いこのベッド、何度か一緒に寝ようとして叱られたので、邪魔しないようにそばにいるための彼なりの配慮なんでしょう。

キャスター付きワゴンで寝る猫たち
こちらが猫用3段ベッド。ホームセンターの「長座布団」を3つに切って収めただけの簡単DIYです(元ネタは以前、ネットでひろったもの)。一番上は梵天丸の玉座です。

もうひとつの名前は「あくび小僧」

 季節を問わずのアルのあだ名といえばもうひとつ。「あくび小僧」というのがあります。猫は人間に比べてあくびの多い動物ですが、アルはなんだか極端に多いのです。

 ぼんやり庭を眺めているアルに声を掛けたら、振り向きざまに「ふわぁぁぁぁ~……」なんていうのが、一番多いパターン。

 廊下を歩いていて、アルが向こうからやってきて、こちらを見上げたと思ったら「くわぁぁ……」。とにかく目があうとあくび、という勢いです。

 きょうだいのベルはそれほどでもないし、他の子たちも「多いなあ」と思うほどのことはありません。どこか悪いんじゃ……と心配になって動物病院で相談したこともありますが、基本的にあくびが多いのは『個性』とのこと(笑)。

 あくびばかりして食欲がないとか、口の中に問題がありそうとか(匂いがする、傷が見える、歯が損傷している)がないなら、心配ないのだそうです。

あくびをするキジトラ猫「アル」
あくび小僧、アル。目が合うと必ずといっていいほどあくびをするので、こんな瞬間が撮れる確率は高いのです。

 猫は眠い時以外にも、気分転換をしたいときや、さあ、やるぞ!というときにもあくびをするそうで。

「強いストレスがかかっているときにもあくびをすることがあります。何かやらかして、叱られているときにあくびをすることがありますが、誤解して叱らないであげてくださいね」と言われたのが印象的でした。

 やっぱり他の猫とは一味違うオトコ、アル。気候が涼しくなってきたせいか、近頃は朝、私のお腹や胸の上に香箱を組んでまったりすごすのがマイブームなよう。

 猫の重みで目覚める朝は幸せ、なのでしょうが

「重たいから、やめてもらえませんか?」
「くわぁぁぁ~……」

 やっぱりお返事はあくびなのでした。

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浅野裕見子
フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子供のころからの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹とヒト科の夫と暮らしている。AERAや週刊朝日、NyAERAなどに執筆中。

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この連載について
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猫と暮らし始めて、気が付けば40年! 保護猫ばかり6匹と暮らすライターの、まさに「カオス」な日々。猫たちとの思い出などをご紹介します!
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