コロナの影響で愛猫の療法食が手に入らない! さあ困った…代替品探しに大わらわ
この数カ月、ペットフードの一部が手に入りにくくなっているようです。とくに、獣医師の指導のもと与える食事療法食(主に外資系メーカー)は、品薄状態に。療法食は持病のあるペットには“頼みの綱”なので、我が家の老猫もお気にいりが途絶えて大わらわ。口に合うものを探しつつ、メーカーにも様子を尋ねてみました。
在庫切れで“お気に入り”が買えない
「ウェットタイプの療法食が欲しいんですが」
「今、在庫がほとんどありません。お取り寄せも難しい感じです」
「えっ……やっと味に慣れたのに」
先日、かかりつけの動物病院に療法食を買いにいき、絶句しました。動物看護師さんによれば、「海外メーカーの生産が止まっている」とのこと。
「これかなり希少です」という言葉と共にパウチを2つ買いましたが、さあ大変。他の病院に電話しても「ない」という答え……。
17歳の愛猫イヌオは10歳の頃から糖尿病を患い、糖尿ケアの食事療法食をずっと続けていました。血糖値を一定にするにはあまり食事を変えない方がいいと先生にいわれてそうしてきましたが、昨年がくっと食欲が減り、1キロほど痩せて、腎臓の数値が悪くなりました。
高齢になると腎臓が悪くなるのは知っていたし、糖尿病があると腎臓病になりやすいと先生に聞いていたので、「ついにか」という思いでした。
そこで気になったのは食事のこと。どちらの病気も食事の内容が大切です。
一般的に、糖尿病には、高たんぱく質(低炭水化物)が推奨され、腎臓病には低たんぱく質(低リン)が推奨されます。糖尿病と腎臓病では、たんぱくの捉え方が「逆」なのです。そこで何人かの先生に相談し、結局、食事を腎臓食にシフトして、検査をしながら糖尿のためのインスリン注射の量を増やすことにしました。
昨年から今年にかけては、イヌオにとってその後を左右するかもしれない「大事な食事の切り替え時期」でもあったのです。
でも御多分に漏れず、イヌオは“食にこだわる”猫サマ。何でもパクパク食べくれるわけではありません。それで、昨年のうちにドライ、ウェットと何種類か試し、腎臓療法食の中では「外資系のウェットタイプ」を好むことを突き止め、多めにストックしました。
急に飽きることもあるし、災害時なども考えて、何パターンか十分すぎるほどに……。
そんなこともあり、手に入りにくいことに気づくのが遅くなってしまったようです。
メーカーに聞いてみると
今回の状況を、愛猫お気にいりのメーカーに聞いてみることにしました。
連絡したのは、周囲の猫友さんにも人気の高い「ロイヤルカナン ジャポン」の広報部です。
なぜ療法食が品薄になっているのか、尋ねてみました。(7月15日時点での返答です)
「現在、ロイヤルカナン食事療法食の複数のウェットおよびドライの製品において、ご要望が供給量を上回ってしまってご不便をおかけしております。品薄は、(背景として)世界的な需要の急増や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う輸送全般への影響により、輸出に遅れが生じていることに起因しております」(ロイヤルカナン ジャポン広報部)
コロナは、密にならないように譲渡会や各種イベントを自粛したり縮小するなど、ペット業界にも影響を与えてきましたが、ペットフードにも大きな影響があったわけです。
コロナの収束はまだ先のようですが、療法食は、いつになると以前のように病院で手に入るようになるのでしょう。
「現在、当該製品は随時入荷あるいは今後入荷予定です。なお、お取り扱いの食事療法食製品の種類や、製品の入荷状況は、動物病院によって違いがあることから、最新の状況についてはかかりつけの動物病院にてご確認いただきますようお願いいたします」(同)
うちと同じような思いをしている飼い主さんは多いかもしれません。代替品などの案があるか、聞いてみました。
「 食事療法食製品は、定期的な診察をお受けになり、健康状態をご確認いただきながら、獣医師の指導のもとでのご利用をお願いする製品ですので、動物病院でお取り扱いいただいております。代替案などにつきましては、診察をお受けになっている獣医師の先生とご相談いただきますようお願いいたします」(同)
かかりつけの動物病院とまめにやりとりするのが、やはりよいようです。できればセカンドオピニオン的な病院も持っていたいですね。
缶詰をドライにシフト
うちでは昨年来、日本ヒルズ・コルゲートの腎臓ケアの缶詰も利用していたのですが、それも病院ではしばらく「入らない」とのこと。
日本ヒルズ・コルゲートでは、缶詰製品の生産遅延について7月にホームページで発表しているので、一部そこから抜粋します。
〈コロナウイルス感染拡大により、原材料調達の遅延および、製品輸送に関わるサプライチェーンにも大きな影響が生じており、弊社製造工場におきましても、十分な供給ができない状況が発生いたしております。現在は、原材料調達については回復し、通常の在庫水準に戻すために工場はフル稼働を続けておりますが、全てのお客様に十分な在庫量を供給できるようになるには、しばらく時間がかかる見込みです〉
生産が遅れている製品の代替品の一例についても記載されていますが、製品の切り替え判断については、〈愛猫、愛犬のアレルギーの有無等を確認する為にも、必ず獣医師にご相談のもとに切り替えるようお願い申し上げます〉とあります。
たとえば、イヌオが食べていた猫用k/dチキン&野菜入りシチューは、k/dドライへの“代替案”が載っています、
早速、買ってみたのですが、シチューのとろ~んという部分が好きだったせいか、食べてくれません。ドライをふやかしても「違うな」という顔。(好みがあるので他の猫さんはOKかもしれません)
さあいよいよ困った!
新たなフードにも挑戦
私はかかりつけの動物病院に舞い戻り、「療法食で食べるものがない」と相談しました。すると、動物看護師さんが「サンプルを試しますか?」と療法食ドライをいくつか渡してくれました。
イヌオは「腎臓用のドライは苦手」と思っていたのですが、試すと、ポリポリ食べてくれました。よく食べたのはネスレ ピュリナ ペットケアの腎臓ケアと、ペットラインのキドニーキープ(腎臓病用)です。救世主でした。
ピュリナの缶詰も、ひとつ試すといけたので半ダースを買うと、なぜか食べてくれません。猫あるあるの気まぐれ?でも、病院に尋ねなければこの缶詰の存在は知らなかったし、またいつか食べてくれるかもしれません。
そんなわけで、今は、新たなドライを中心にして、(時々好きなおやつをトッピングして)体重を維持しています。
同居猫のはっぴー(4歳)は、基本的にペットショップで買える肥満ケアのフードを主に食べています。ペットショップの店長に聞くと、一般的なフードは、ドライもウェットも、「コロナによる遅延はとくにない」ということでした。よかったです。
秋になればイヌオもいよいよ18歳。ふたつの持病を抱えていますが、苦難の夏を越えていきたいと思っています。いつものごはん(療法食)が食べられず困っている犬や猫にも、お口にあうものが見つかりますように。そして、コロナが早く収束して、いつものごはんがまた食べられる日がくることを祈っています。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。