猫の歯磨き、大切なのは分かっているけど難しい まず歯ブラシで遊ぶことからスタート
猫の歯磨きは長生きに影響するそうです。歯石があると歯周病はもちろん、腎臓病にもなりやすいのだとか。でも歯磨きは難しい。ついさぼったり先延ばしにしていたら、4歳の愛猫はっぴーの口が臭い始めました。何とか歯磨きを習得し、ケアを続けたいものです。
イケニャンの口臭で決意
5月に、我が家のはっぴーが4歳になりました。人でいえば32歳、ちょっとおなかが出ているけど、顔はなかなかイケていると(親バカ的に)思っています。
ところが先日、私の顔のそばであくびをした時に「うっ」となりました。臭う!これじゃイケメンが台無し。口の中をみると、犬歯も臼歯も、前より黄色っぽくなっています。
歯石から歯周病になると心臓病や腎臓病にもつながる。だから赤ちゃんの頃からケアをしたほうがいいと、前から頭では分かっているはずなのに、いつも三日坊主なのでした。面倒だったり、無理してやって嫌われたらいやだな、なんて思ったりして。
でも寿命にも関わるのだし、4歳になり、口臭が気になったこの機会に、ケアを再開しよう。そう思って棚を開けると、使っていない猫用歯ブラシや、デンタルケアグッズがコレクションのように出てきました。(やる気がないわけではないんです)
周りの猫はどうしてる?
周囲の猫ちゃんは、どんな風に歯のケアをしているのか気になって、聞いてみることにしました。
まず、はっぴーの兄弟ハヤテ君。やはり、「少し口臭が出てきた」とパパがいいます。
「気になって病院で診てもらったのですが、まだ大したことはないらしいです。歯のケアはとても嫌がるので大変で、歯磨きおやつや、歯磨きティッシュで試行錯誤です」
ハヤテ君がケアに使っているのは、棒状の“ペットキッス”というおやつです。
「奥歯でかませないといけないようで、手であげないとすぐ飲み込んで“ただのおやつ”になっちゃう。同居猫のヒメの方は食べ方が上手なのか、口の臭いは少なめ。歯みがきの練習は2匹一緒にしていますが、歯磨きマスターになるには半年くらいかかりそうです」
かませるにはコツが必要。でもコミュニケーションをとりながらできそうですね。
歯磨きジェルを指でできる範囲に
次に、はっぴーの憧れの猫いちちゃん。どんなケアをしているのか気になり、飼い主のいちのしもべさんに聞いてみました。
「歯ブラシは、全然使わせてくれません。時々、歯磨きジェルを、指でできる範囲だけさっと塗っています」
はっぴーは同じメーカーの歯磨きシートを持っていますが、どうも私の指が入るのが気に入らないようです。
「ほら、いちちゃんも口の中を触られるのはお好きではない。僕も同じ、それ普通だよ」。きっと、はっぴーはそう思っていることでしょう。
憧れの歯磨きマスター
はっぴーは、上の奥歯に触れられるのをとくに嫌がります。しかしこの上の歯こそがキーなんですよね。
獣医師の服部幸先生は、sippoの動画学習サービス「まなびばsippo」で、「上顎(うわあご)の奥歯の近くに唾液(だえき)線があり、唾液に含まれるカルシウムやリンが歯垢(しこう)につくと歯石になる。歯垢のうちに取り除くように」と話していました。
以前、同居猫のイヌオが上の奥歯を悪くした時、主治医の先生に「綿棒を水に浸して、歯茎と歯の境のヌルヌルをぬぐうだけでも歯石はつきにくい」と教えてもらいましたが、歯茎と歯の境をピンポイントで狙うのは簡単ではないんですね。(自分の目が悪く位置を把握しにくいせいもあります)
そうなると、綿棒より面の広い歯ブラシの方が、ヌルヌルをぬぐいやすい気がしてきます。
歯ブラシというと、難易度マックスなイメージですが、以前、スムーズに磨いている猫と飼い主さんに会いました。
岡田さん宅のトラくん(12歳)です。取材にいったとき、先の丸いブラシで磨いていました。ママが後ろから体を軽く押さえ、歯ブラシを前から差しいれても嫌がらず、まあお見事。いつから始めたのか、あらためて、岡田さんに聞いてみました。
「私が猫の歯磨きの重要性を知ったのは7歳ごろ。慌てて歯磨きを始めましたが、上の奥歯の歯周病が進んでいて抜歯をしました。それ以降、下の奥歯を磨いています。ペーストはつけず、ブラシを洗う時に水でぬらしています。最初は唇を持ち上げるだけ、それができるようになったらブラシを当てる、その次に、ちょっとこすってみるという感じです」
慌てず段階を踏む。ゴシゴシする必要はなく、「ちょっとこする」がポイントなんですね。
キャットケアスペシャリストの資格も持つ岡田さん、歯磨きの回数についてはこんな意見です。
「人間のように毎食後が理想でしょうけど、うちもムリムリ。週2、3回でもできれば優秀賞だと思う。目的は歯石がつきにくくすることで、継続が大事だから、はっぴー君も遊びながらまず歯ブラシに慣れ、続けられるといいですね~」
歯ブラシをなめることから
励まされてやる気スイッチが入った私は、ここ最近、歯ブラシではっぴーと遊んでいます。
遊ぶといっても、おもちゃにするわけではありません。ブラシをなめさせているのです。口に異物(ブラシ)が入るのをこわがるので、まずは好きなちゅーるを塗り、ブラシっておいしいと思ってもらい、次の日は歯磨きペーストチキン味……と、塗るものを変えています。
数あるコレクションの中で、はっぴーが気にいったのは、柔らかな天然毛の歯ブラシ。歯ブラシに慣れたところで、下の奥歯をちょこっとこする。成功!(なぜかとてもうれしい)。
さあ次は上の奥歯です。まずは左側、でも慌てない慌てない……。
いつか、少しダイエットして、歯ブラシもスムーズにできるようになって、まさにイケにゃん歯磨きマスターの称号にふさわしくなったら、また報告したいと思っています。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。