愛犬「ココ」とバルコニー女子会 語り合うことでよみがえった、先住犬との楽しい記憶

ミニチュア・ピンシャーの「ピン」と「ココ」
亡きピン(右)と、どこを向いているか不明な(笑)ココ。母親違いだと大きさも、こんなに違いました

 4月7日は、ピンの誕生日でした。もしも生きていたら18歳。あのとき悪性リンパ腫になっていなかったら、今年も誕生日を迎えていられたのでしょうか。それとも、18歳は平均寿命を遙かに超えていることもあり、もう虹の橋を渡っているでしょうか。

 考えを巡らせると、また涙が出て来てしまいます。

ピンは人間、ココは犬

 これまで何度も書かせていただいていますが、ココはピンと同じ、沖縄のミニピン専門のブリーダーさん『ハウスドッグ』から我が家に来ました。母親は違うのですが、父親はコクモという名前の同じ犬です。

 でも我が家ではずっと「ピンは人間、ココは犬」と位置付けていました。ピンは犬嫌いでしたがココは犬好き。ドッグランで大きな犬と出会っても平気で挨拶に行けたり「遊んで、遊んで」アピールができるココとは異なり、ピンはどこに行っても私に対して「抱っこ、抱っこ」アピールをする犬でした。

 ピンの最期、ココのお陰で家族が揃い、ピンを送ることができたこともまた何度も書かせていただいています。あの日、ココの誕生日検診や、お爪切りの予約をしていなかったら、ピンの最期には間に合わなかったのです。なんせ私は、最後の診察で「ステージⅤ」と診断されてもなお回復すると信じていたのですから。

 ダメですね。この話になると、何度でも同じことを書いてしまい、何度でも同じ後悔が繰り返し、よぎってしまいます。

ミニチュア・ピンシャー「ココ」
ピンの最期に立ち会わせてくれた「ココ」

ココの心の目にはピンが見える

 現在、ココと私には日課があります。目が見えないので、お散歩になかなか出られないココは、バルコニーが遊び場。バルコニーに並んだ鉢植えをクンクンしたり、トイレをする(=大も小も)半数はバルコニーで済ませます。ココのために2リットルのペットボトルに水を満杯にしておいて、ココがバルコニーに出たがると、後をついて水を流すのが一つ目の日課。

 そして二つ目の日課は、ココを抱いてピンと話をすることです。食欲は旺盛ながら、食べる量は少し減り、ダイエットに気を付けていなくても体重が軽くなったココを胸に抱き、(目は見えませんが)マンションの庭の木や、頻繁に訪れる鳥や、階下の方の飼い猫ちゃんと話をします。

 その際、「ココ、よかったね。ピンちゃんがお空から見守ってくれているよ」と話しかけると、ココは「ピンちゃんが」のタイミングで必ず空を見上げます。

 ピンが虹の橋を渡っていった直後は、ピンを探すそぶりも見せたし、部屋の中でピンの匂いを見つけては、クンクンしながら、じゃれていたココ。

 でも目が見えなくなってからは、お空を眺めるようになりました。ココの心の目にはピンが見えるのだと思います。

ミニチュア・ピンシャー「ココ」
ピンを思っているのか、窓際でひなたぼっこをするのが大好きなココです

ようやくよみがえってきた、ピンの顔や仕草

 ピンと出会わなかったら、同じブリーダーさんに“売れ残っていた”(ような状態だった)ココとも会えませんでした。

 そして繰り返しになりますが、最期、看護師さんと共に診察室に入ってきたココの姿を見て、ピンは発作を起こしました。最期の入院のとき、もっともピンを診てくださっていた若い女性の獣医師さんが後日、「ピンちゃんはココちゃんを見て、ママやパパが来ていることを悟り、『いまだ!』と思ったんでしょうね」と笑顔で言ってくださいました。ピンが「いまなら、みんな揃って送ってもらえる」と思った……と言うのです。

 あ、このことも“何回目”かわかりませんね。すみません……。

 でも、ピンが旅立って7年が経ち、少しずつ、ピンとの楽しかった記憶がよみがえるようになりました。以前は本当に、あの最期の日のことしか浮かんでこなかったのです。

 ハンターやマル、そしてココの身体をなでているときも、最期、呼吸器をつけたピンの体をなでている想い出と感触だけが思い出されて辛かったのですが、不思議なもので、いまはピンがまだ子犬だったときのことや、本当に色々なところに一緒に出かけたときのことが思い出されます。

 ピンは本当にチャーミングな子だったので、私はいつも「ピンちゃんは、かわいいね」と何度も声をかけてきました。そうしたときのピンの顔や仕草も、よみがえってくるようになりました。

ミニチュア・ピンシャー「マル」(左)と「ココ」
一番新しい家族「マル」との散歩中も、空を見上げています

 それは恐らく、ココのお陰です。ココと一緒にピンも含めた“バルコニー女子会”のような、たわいもないおしゃべりが、かわいいピンの姿を思い出させてくれています。

 目が見えなくなっても、体が小さくなっても、クークー言いながら“犬”であることをアピールし、ピンと私とをつないでくれるココ。

 これまで一度も書かなったことを書かせてください。

「ココ。ピンちゃんの分も生きて……」

 五月晴れの空の下、今日もココと一緒にピンに話しかけます。

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山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『バイキングMORE』『サンデージャポン』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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この連載について
山田美保子の育犬日記
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