口数が多くなった愛犬「ココ」、見事に会話が成立するように
目がほとんど見えていないであろうココとの毎日は、考えさせられることばかりです。
もともとココは吠える子で、玄関のチャイムが鳴ったり、家電の修理などで業者さんが来訪したりするとき、ものすごい勢いで吠えたり、業者さんに突進していったり……。
それは目が不自由になってからも変わらず、「ココが勢いよく吠える内は元気な証拠」と、そのままにしています。あ、ココの名誉のために書かせていただくと、吠えっぱなしというワケではないのです。“番犬”としての才能がある……ということにさせてください。
でも、ココはこの一年ほどで、よく喋るようになりました。ベッドやソファの上にいて、トイレに行きたくなったとき、「ク~、ク~」という声をあげて私を起こしたり呼んだりします。
夫が一人でいるときは「そんな声、出さないよ」と聞いてからは、私にだけ甘えてくるココがかわいくて、かわいくて。寝ていたとしてもすぐに飛び起きてココを抱っこして、トイレシートがある場所まで連れていきます。
ココが「ワン!」と一声あげて、意思表示をすることも増えました。たとえば、朝や夜、ゴハンをねだるとき(ウチは1日2回制です)や、ハンターに比べたら回数は少ないのですが「抱っこして」と私にねだるとき。さらには、「身体の上に毛布をかけて」というときにも小声で「ワン」といいます。
あちらこちらにぶつかってしまうのでコンクリートだらけの我が家の周辺での散歩は難しくなりましたが、室内での生活には、ほとんど支障のないココ。でも、ココが一声発すると、「いま、ココは何がしたいのだろう」と私も想像を膨らませる機会が増えました。
仕事部屋でキーボードを叩いているとき、リビングからココの一声が聞こえると、「ココ、なぁに?」と傍に駆け寄ります。すると、見えないながらも私に視線を送ってくれて、見えないながらも“目で訴える”ココ。続いて、「クーン、クーン」という声をあげたり、尻尾を振ったりして、必死に何かを訴えかけてくるのです。
それがまたかわいくて、かわいくて。「なぁに? お腹空いちゃったの?」「トイレ、行きたいの?」「お外(と言ってもバルコニーですが)、出て見たいの?」と私が聞くのですが、これが最近、ほぼ100%当たっているのです。つまり、口数が多くなったココと私は、見事に会話が成立するようになったのです。
いちばん二人(ココと私)の気が合うのは、ココを抱いてバルコニーに出て、外の匂いをたっぷり嗅がせてあげるときと、同時に二人で空を見上げて、「ピンちゃんが守ってくれてるからね」「ココ、ピンのこと、覚えてるよね?」と訊ねるひとときです。
目は見えないのだけれど、その瞬間ココは空を見上げ、確かに「うん」と首を縦に振るのです。
目が不自由になってからのココは、瞼が重そうで、どんどん“ちっちゃい目”になっていますが、それでも、やっぱりかわいいし、そんなココとの瞬間、瞬間が私にとっては大切な時間です。
最近、咳が多いのが少し気になるので、週末は獣医さんを訪ねる予定です。結果はまた次回に書かせていただきます。
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