愛猫の“へそ天”を振り返る 大胆な「猫の開き」や待ってましたのバンザイも 

 動物がおへそを上(天)に向けて寝る姿、“へそ天”。今や広く認識されている、しぐさの呼称ですね。猫のへそ天は、究極のリラックスとか、飼い主に気を許した時にするといわれていますが、我が家の猫たちがどんな時にへそを見せていたか、振り返ってみました。周囲のねこ飼いさんにも、へそ天事情を聞いてみました。

(末尾に写真特集があります)

 先日、猫のへそ天ばかり集めた「へそ天にゃんこ2」という写真集をsippoでご紹介しました。飼い主さんの前で安心しておなかをみせるたくさんの保護猫の姿をみて、よかったねえと思ったものです。

 お話を伺った本の編著者のすむぞうさんに、「今度、お宅の猫ちゃんのへそ天写真も見せて下さい」と言われ、「何枚かあるかな」と思い、我が家のはっぴー(3歳)とイヌオ(17歳)の写真を探してみました。

 すると、懐かしく愉快なショットが見つかりました。意外に感じたこともありました。

心を許す姿にキュン

 わんぱくで甘えん坊なキジトラ男子はっぴーは、大胆な“ねこの開き”になったものが多く、納得です。でも今ではすっかりおちついた風情の黒猫イヌオも、“あっぱれ”なへそ天をたくさんしていたのです……。

 イヌオは17年前、山で保護されて家に来ました。当時ルナという先代猫がいたため、しばらくケージ飼いをしました。1、2週間して部屋に出してベッドにあげると、「待ってました」とばかりにシーツの上を転がって、バンザイ……その時のことを思いだして、キュンとなってしまいました。

おなかを見せる黒猫の子猫
イヌオの幼少時代。“初へそ天”に釘付け……

 昔はへそ天とは呼ばず、「ひっくり返る」とか「転がる」という表現をしていましたが。毛色が黒なので、暗い部屋で無防備に床にゴロンと寝ていると踏んでしまいそうで、どきどきしたっけな。

 イヌオは病院や来客が苦手で、臆病な面もありますが、以前のへそ天写真をみると、早い時期から“安心していたのかな”とあらためて感じます。

ソファの上の2匹の猫
横寝をする先代ルナ(左)と、もろ“へそだし”をしていたイヌオ

 先代のルナは、幼少時にはよく天を仰いで転がっていました。が、イヌオのいたずらを防ぐためか、同居後は、すぐ動けるように横寝や半身へそ天も多くなった気がします。

気温や性質も影響

 へそ天には、気温も関係しているようです。確かに、温かな所でしたり、暑くなって急にしたりすることもありますね。

 獣医師の白井活光先生によれば、「体温調節をする」場合があるそうです。

「犬は毛の少ないおなかを上にして、体が熱い時に“おなかを上にして冷やす”とも言われています。それは猫にも当てはまると思います。(おなかは急所でもあり)もちろんその格好は隙を見せているということだから、リラックスできる所でないとしないわけですが」

 おなかを触ると喜んで上を向く猫もいますが、赤ちゃん時代の記憶の名残だという説も。

「赤ちゃん時代に母猫がおなかをなめて腸の動きをよくすることがあるので、触られてうれしかったり、気持ちがよくなるのかもしれません」(白井先生)

おなかを見せる猫
まなつちゃんの“のけぞりへそ天”(わかこさん提供)

 友人わかこさんの愛猫まなつ(2歳)は、元野良で、警戒心がかなり強めの女子。1年以上経って、パパ、ママに慣れても、へそ天はなかなかしませんでした。でも先日、窓辺でいきなり“のけぞっていた”そうです。

「私とくっついて寝る布団の中とか、私の側で日なたぼっこの時には“半開き”はあったけど、その日はポカポカして“ついしちゃった”って感じ(笑)、珍しかったです」

 まなつと同居のオス猫ゴン(13歳)は、わかちゃんと心が通じあって甘えるけれど、「男ゴン、へそは見せぬ」という主義で、“ちら見せ”程度でだといいます。

 安心している人の前や家の中でも、へそ天をしないケースもあるんですね。

同じ環境でする子、しない子

 動物看護師の典佳さんは、自宅で2歳と3歳のメス猫、4歳のオス猫を飼っています。皆、黒猫ですが、年長の4歳のオス猫カイザだけ、「へそ天をしない」そうです。

「カイザくんは臆病で、一緒に寝ている時に私が動くとすぐ目を開けたり、少しのことで驚くので、へそ天は見たことがない。ノイアちゃんは、人見知りだけど、私のおなかの上でたまに、ぴーんと伸びておっぴろげる(笑)。ミュラーは、いつもどこでもしますね」

おなかを見せる猫
ノイアちゃんがたまにする“伸びへそ天”(典佳さん提供)

 典佳さんは「人見知りをしなくて、肝が座っている子がへそ天をするのではないかと思う」といいます。

 病院でみている猫についても、典佳さんに聞いてみました。

「さすがに入院中の子はへそ天をなかなかしませんが、でもホテルで預かる場合、緊張感のない猫は初日からすることもありますよ!」

 預かり中の猫がへそ天をしたら、スタッフもなごみそうですね。

猫のへそを間違えて

 ところで、家の猫のおへその位置って、確認したことありますか?

 私は以前、まだ幼いイヌオのおなかをなでている時、中央よりやや下あたりにツルッとはげた丸ポチを見つけ、「シコリじゃないか?」と慌てて、病院にいったことがあります、

「なにかある。悪い病気じゃないですか」と青ざめる私に、先生が思わず笑って言いました。

「これは、おへそですけど」

 ……お恥ずかしい限り。猫は、でべそも多いそうです。
 

おなかを見せる猫
年期の入ったイヌオのシニアへそ天

 さて、我が家のイヌオは今、窓辺でへそ天をしています。前より少し赤茶けてきた毛のおなかをみると、年月の重みを感じます。若いはっぴーの方は、私に抱かれながら“あられもないへそ天”をすることも多いですが、いずれもいとしい姿。

 いつまでも、2匹のへそ天をみていたいなあ。

藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は19歳の黒猫イヌオと、5歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

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この連載について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
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