高齢の愛猫たち、“たたずむ”時間が増えてきた その姿はまるで田舎のおばあちゃん?
猫って、そこにたたずんでいるだけでかわいいなぁ……。と、我が家の猫らを見て、しみじみ思ったことがありました。ふと考えてみると、最近になって“ただたたずんでいるだけ”のことが多くなったような気がしてきたので、その理由を考えてみました。
庭先にたたずむおばあちゃんに似ている?
たたずんでいる、というのは、起きているけれど、“何をするわけでもなく、そこにいる”という状態を指します。飼い主の膝に乗っていたり、ぴったりひっついている状態のときは、“たたずんでいる”とは呼べず、私と距離をとって座っている状態を“たたずむ”と呼んでいます。
猫はテレビも見ないし本も読まないので、寝る、ゴハン、運動、遊び以外はだいたいその状態だろうと思うのですが、最近はその“たたずみ”が多いような気がしたのです。
私と距離をとって座り、ぼんやりこっちを見ていることもありますが、目をつむるわけでもなく、キョロキョロ何かを見るわけでもなく、どこにも目線を合わせず、本当に何もしていない、そんな時間が。
活発なサビ猫の“あんず”、ビビりのキジトラ猫“モモ”は、ともにもうすぐ10歳。猫で言うと高齢にあたります。たたずむ猫らを見ていると、私の生まれた田舎の家で、おばあちゃんが庭先に座って長時間たたずんでいたことを思い出しました。我が家のおばあちゃんだけでなく、多くの家でそんなおばあちゃんがいました。まさに、あれに似ている。高齢になると、猫もヒトもたたずむのか……?
たたずむにも、条件が必要?
とはいえ、身体的なことはともかく、我が家の猫らは精神的には子どもと同じなので、田舎のおばあちゃんとは少し状況が違う気もします。
高齢になり、すこし寝ている時間が増えた猫らではありますが、あんずの場合、眠りから覚めると、まず自分の欲求を満たすために働き始めます。
朝は「にゃお~う!にゃぉ~~ん!」と鳴いて、朝ごはんの催促。ゴハンを食べるとトイレを済ませてダッシュをしたり、飼い主の足元にまとわりついたり、朝はたたずむヒマなどありません。
ひと通り騒いで気が済むと、いそいそと日向ぼっこを始めて午後まで本気の眠りに入るので、たたずむ時間帯は夕方以降ということになります。
一方、おとなしいモモの場合は、あんずよりは“ただそこにいる”時間が多い猫。しかし、モモの場合はそこにいるだけというより、心の中で「抱っこしてほしいなぁ」とか「あんずと一緒に寝たいけど、あんずは遊びたいみたいだなぁ」など、たたずんでいるというより、欲求を満たしたいけど……モジモジ……みたいな状態で、ジッとはしていられないので、“たたずむ”とは少し違います。
つまり、我が家の猫らは、やりたいことがあるときはもちろん、何らかの要求や雑念があるときは、たたずめないわけなのです。
「たたずむ時間」が増えた猫たち
思い返してみると、ここ数年は在宅ワークでずっと猫と一緒の私ですが、猫らと一緒に暮らし始めた9年半前、私は会社員で、朝から晩まで家を留守にしていました。猫らだけの時間が長くなることもあり、2匹同時に迎え入れることにしたわけですが、あの頃は「家にいる時間は、たくさん猫と触れ合おう!」と心がけていました。
なので、家にいるときは遊びが終われば、猫らは私の膝に乗ってきたり、ぴったりくっついて休んだりしていて、私と猫はほとんど一緒。身体的にも精神的にも、私と距離をとって“たたずむ”ヒマなどなかったわけです。
それが今や、私はずっと家にいて、猫らは好きなときに私のそばに来て、好きな時に離れていくので、それ以外の余った時間に“たたずんでいる”のだなと気が付きました。子猫の頃よりも遊びたがることもなくなったので、たたずむ時間もたっぷりあります。
我が家の猫らがたたずんでいるときは、リラックスしている状態と言えるのかもしれません。家事育児仕事に追われる身としてはうらやましい限りですが、その状態が猫の仕事ともいえます。
それなりに欲求も満たされ、そこにたたずんでいる猫らを見ていると、私も心からリラックスできて、癒しをもらえるわけですから。
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